みなさん、こんにちは。
1年ちょっと前 このオンライン絵本会が立ち上がった当初、
何度か絵本を読ませていただいていた、アッキーです。
今日は私がこちらのブログにお邪魔させていただくことになりましたので、
その当時のおはなしを少し書いてみたいと思います。
今もなおコロナ禍で油断できない状況が続いてはおりますが、
立ち上げの頃は、ちょうど全国の学校が休校になるタイミングで
今とはまた違った「未知の状況に対する不安感」で、街も静まり返り、
これからどうなるだろうと皆がそれぞれに思っていた、独特の緊迫した空気感でした。
そんな中、休校になってしまった子供たちに届けようと
このオンライン会がスタートすると聞いて、
それならば是非に参加させてほしい、と手を挙げさせていただいたのでした。
初回に読んだのは、以前、こちらのブログでも書いていただきましたが
「あさになったのでまどをあけますよ」。
作・絵 荒井良ニ 偕成社 2011年
私は2012年から地元の図書館で絵本の読み聞かせのボランティアをしているのですが、
実はこの本は、もともと このオンライン絵本会のためにセレクトしたわけではなくて、
直前まで予定されていた、図書館でのおはなし会で読むために選書したもので、たまたま手元にあった絵本だったのです。
ですので、おはなし会用に選んだときは、この本の華やかな色合いと 花の絵の表紙がとてもきれいで春らしいなぁと思ったからなのですが、
コロナの影響でおはなし会も中止になり、このオンライン絵本会で読ませていただくことが決まった時、改めてこの本について調べてみました。
2011年という この本の発行年を見ると、ある程度の年齢以上の日本に住む多くの方は
ピンとくるのではないでしょうか。
東日本大震災のあった、あの年です。
作者の荒井良二さんも、何年経っても 本の発行年を見た方が、あの震災の年だと思い出すように2011年という発行年にこだわったとおっしゃっておられましたが、
そんな震災の直後、荒井さんが何度も被災地へ足を運びボランティアでワークショップを開催する中で、とある反省会をしていたとき、(避難所等で)「自分たちがやることって、せいぜい朝になったらカーテンを開けたりする役目だよね」という言葉が出たそうで。
被災という非日常、
でもだからこそ、朝になったらカーテンや窓を開けるような、
日常の当たり前の感覚を少しづつ呼び戻すことが大切なのではないか。
そんな この本のタイトルのできたエピソードを知って、
このコロナ禍の緊張状態でピリピリした空気の中、震災と感染症という違いはあれど
ある意味非日常であるこのときこそ、
この本で 不安でいる子供たちにも、大人たちにも、ほっとしてもらえたら。
明るい色合いの絵を見て癒されてくれたらいいな。
そんな想いで、この絵本を読ませていただいたのでした。
まだオンラインでつながることにも不慣れだった1年前。
色々手探りでしたが、
そして図書館ではもう読み聞かせることはできなくなっていましたが、
はじめて画面越しに みなさんに絵本を読み届けることができ、
また 画面越しにお子さんたちの笑顔が見られて
逆に私のほうが元気や勇気をもらえたことを、今でもはっきりと覚えています。
その初回(厳密にいうとお試し第0回なのですが)以降 何度か読ませていただきましたが、
このオンライン絵本会では、もうひとつ、印象に残っているできごとがあります。
それは、すでに自分の担当の絵本は読み終えたあとでしたが、
たまたまその日参加してくれていたお子さんで ことりちゃんという女の子のお名前を見つけまして。
実は、私の持っている絵本に「コトリちゃん」という本があったのです。
「コトリちゃん」
とりごえまり 作 やまぐちめぐみ 絵 佼成出版社 2016年
その日進行をしてくれていたMCの方と本番中ながらこっそりメッセージでやりとりし、
急遽、その絵本をおまけで読むことになりました。
なかなか珍しいお名前だと思うのですが、
その日、そのお名前の女の子が参加してくれていたこと。
そして、私の手元にその絵本があったこと。
なんていう奇跡でしょう!
自分の名前の本が読まれるというサプライズは、喜んでもらえたでしょうか。
私の記憶だと、彼女の弟くんのほうが興奮してくれていた気がするのですが…
そんな素敵なハプニングもあった、オンライン絵本会。
だから絵本は、おもしろい!