大人になって始めるヴァイオリン(2) | 音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!-

大人になって始めるヴァイオリン(2)

 大人になって楽器を上達するために、主に二つの切り口で考えてみますかー、というところまででした。

 それでは、前回書いたのとは逆の順序ですが、大人になって楽器を始めて上手になった人の体験から書いてみようと思います(アナロジーからのアプローチです)。


 ヴァイオリンにも、大人にも限ったことではないですが、やはり真似をするのが上手な人が、早く上達するようです。真似をする、ということに悪いイメージを持つ人もいるようですが、やはり、学ぶはまねぶ、です。

 また、なぜそういう動きになるのか、やってみることで原理の方がわかってくるように思います。……と言うより、その部分を手助け出来る人がいればいいのかなあ、と思うのです。

 

 例をあげてみます。

 かつての後輩で、大学生に入った時に、ヴィエニャフスキのコンチェルトをバリバリ弾いていた人がいます。それが、ヴァイオリンを始めたのが高校生になってから、というので皆、唖然。

 どのように習ったのか、訊いた訳ですが……。彼は楽器を始めた最初の一年間、ひたすら基礎練習、続く一年はひたすらハイフェッツの真似(動画かどうか、忘れましたが)をさせられたという話でした。ちなみに、ハイフェッツの動画は、例えばこちら。



 1分くらいの所にあるスローモーションが恐ろしいです。真似するのだって、至難では?と、思いますが、一年間の濃厚な基礎練習、というのがあって、何をどう真似をするのか、分かるようになっていったのでしょうね……。一年間、基礎練習をしてもらうのも、難しいんですが、それにしても、あまりに美しく合理的な動き!

 

 他にも、ヴァイオリンではありませんが、今や引っ張りだこのプロのチェリストもこのタイプでした。
 彼の場合は、大学生になってから楽器を始め、大好きなビデオ(の、確か同じ曲)を、毎日毎日ひたすら真似したと言っていました。DVDすら珍しい頃の話なので、テープが擦り切れてしまったことでしょう……。

 

 ここで考えたいことは、どうすれば上手に真似ができるかです。真似の上手、下手ははっきりあって、殆どの人が上手ではないのです。
 ちなみに、自分も上手ではありません。ですが、だからこそ、分かるようになったところまでは教えることが出来ると思っています。勘で出来ちゃった、だと、教えようがないですから。

 レッスンで、こういうことはあまりやらないのかもしれませんが、ある程度弾けるようになった段階では、非常に有効と感じます(本当に初歩のところは、以前にダイジェストを書いているので、そちらをご覧ください。http://ameblo.jp/onkai-projects/entry-12179435923.html しかし、そのうち、もっと細かく書いておこうと思っています)。


 やり方と言えるものがある程度あったとしても、下手だった真似が上手にできるようになるということは、結局難しいまま、変わることはないでしょう。しかし、真似をすることで、必要な感覚やイメージが分かってくる。このことは、決定的に大事になると、感じています。

 

つづく