大人になって始めた人は、ヴァイオリンを弾けるようにならない?~主観と客観~(1) | 音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!-

大人になって始めた人は、ヴァイオリンを弾けるようにならない?~主観と客観~(1)

 ならないでしょ、とよく聞きます。3歳位から始めないと無理だと聞いたし、第一そんなに小さい時からやっている人たちと同じように弾けるわけがないでしょ、という訳です。
 そういう部分はありそうです。プロの奏者は、ごく希に10歳で始めたという人もいますが、多くは3、4歳に始めていると思います。2歳、という方も……。
 では、別の方向を見てみましょう。幼い頃から始めた人が、みんな上手に弾けると思いますか?

 僕の知っている限り、10年以上習って大学生になった人のほとんどが、壊滅的に弾けません。
 ですから、コンチェルトなどをバリバリ弾けるようにはならなくても、弾けない十年選手たちより上手に弾けるようになることは、無理ではありません。実際、普通大学の一年生だった時、僕よりよっぽど上手に弾ける先輩に、高校生、大学生になってからヴァイオリンを始めた人が何人もいました。
 また、弾けない十年選手たちの方も、よしやろう、と決めて、有効な努力をすれば、急激に上達します(さすがに、幼い頃やってきた人たちの上達は、かなり早いことが多い)。

 どちらの場合も、重要なのは、方法だろうと思っています。子どもと大人とでは、上達し易い方法に大きな違いがある。当たり前だけど、結局そういうことじゃないだろうか。
 ですから、子どもと大人とでは、随分違う練習の仕方、教え方が必要と考えます。
 ……と、勿体振った言い方になってしまいましたが、大人にとっては当たり前のようなことです。何だ、そんなことか、と思われるかもしれませんが、やっぱりそれでいいんだ、と思われる方もいるはずなので、一度書いておこうと思っていました。ご興味おありの方、次を読んでみてください。