夜のピクニック | オニシメの自己中毒

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夜のピクニック 恩田陸

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために―。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る―。


↑amazonからの抜粋なんですが、これだけ読むとサスペンスっぽいですね。

全然サスペンスなんかじゃないんですけどね。


青春です(`・ω・´)ゞ

ひたすら青春です!!


うちの近所の高校も一晩かけて歩く歩行際みたいな事をしているところが在りますが、

オニシメは「なんでそんな修行みたいな事するんだろう?」って当時は疑問に思いました。


この本を読んだ今となっては、なんでうちの高校には、歩行際が無かったんだろう。

という、残念な気持ちが胸を突きます(>_<)


恩田陸の作品って、遠浅なんですよ(と思うんですよ)

導入部分が浅いんですよね、引き込みが優しいというか、物語の中に入って行きづらいと言うか、


膝までしか浸からないような浅い所をザブザブとずーっと歩かされる、浅いので泳ぐわけにもいかないし浸かってる部分が少ないのでなんだか海に入ってる感じもしない、でも歩いている内にいつの間にか陸の見えない沖まで来ちゃってる。そして気が付けばもう首の下まで浸かってる。


みたいな。


3分の2を読み終えたあたりから、登場人物達は自分の声で語りだします。


次郎さんの本とか石田衣良さんの本はまず序盤にインパクトのある展開を持ってきて、グイッ!っと物語に引き込む感じですが、恩田さんの本はゆっくりゆっくり、ともすれば退屈な展開で『つまらない』の一歩手前で進行して行くんですね。


当然この夜のピクニックも序盤はなんのハプニングも無くただ家庭の問題を抱えた高校生男女が別に絡むでもなく、喧嘩するでもなく、自分の頭の中であれやこれやと勝手な事を言いながら進行していきます。


中盤でも、さして特筆する事も無くただ『ツライだろうなぁ』位の歩行際が続きます。


終盤に差し掛かると・・・・・・何故でしょう、いつの間にか、まるで自分も一緒に歩行際で夜中歩いているような気持ちになります。

なんだかよく分からないんですが、自分の学生時代の友達や親兄弟なんかが頭の中を駆け巡ります。

ただ、ただ、あの頃の青い考えや、口元が緩むような出来事、顔を覆いたくなる様な恥ずかしい事を思い出します。



読み終わると・・・・・・軽く鬱になりますΣ(゚д゚;)

恐らく、高校時代に何の悔いも残って居ない凄い人は読み終わっても「ふぅ(*´Д`)=з」位で済むんでしょうが、

オニシメは何か大切な感情をあの頃に無くしてしまった様な感じがしました。


具体的に何?って訳じゃないんです。『かったるいから』『別に意味無いから』で頑張らなかった事とか・・・。

『イイやイイや』で途切れてしまった関係とか・・・・。


「あの時何故?」って思う事がたくさんあって・・・・・・・・。


これが所謂『一度きりしかない青春』ってやつなんでしょうかね?

ノスタルジックな感情で胸がイッパイになります。


「若い頃は~」とか「そろそろ歳かな?」とか言い出した人に特にお勧めの本です。