季節は入り混じっております。

・風鈴の記憶はいつも待ちぼうけ

・沈丁の薄暮に屈(こご)む隠れんぼ

・思ひ出へそつと帽子を振つて夏

・春の空蕾の色に暮れなづむ

・夕焼けを肴に酌むも屋台酒

・金風や母猫母の顔となる

・しづり雪涙を舐めてくれる猫

・山ひとつ超えれば変はる祭り笛

・目覚むれば雪の匂ひの人も去る

・目をつむりふくら雀となつてゐる