「慕雨(ぼう)」〔Ⅰ〕(短歌)・うららかに棋譜の仕舞ひは父の二歩 遠き駒音葉桜の影 ・雁風呂といふ真がなしき嘘もある 海峡の月まぼろしの枝 ・青春はリラの黄昏コークハイ 街騒(まちざゐ)くるむ紫の風 ・囀りを夜明けの夢にとかし込む 涙の玉を頬にとどめて ・薬の香淡くとどめし紙風船 おほどかに打つ我がてのひらを