水薙鳥の翔ぶ碧い海へ -2ページ目

面白いことが分かりました!


「八丈島では岬のことを鼻と読んでいるようである」確かに珍しい呼び名であると思われる、ブログに掲載してからもずっとそのことが気になり、どうにかしてその真相を明らかにしたいと考えていたところ、思いがけず、今井欣一さんの著書「地名考古学」にであった。その本を読むと鼻という呼び名が珍しいと思うのは私が知らないだけであり、ごく一般的な呼び名であることが解った。


その著書を読むと「岬、崎、鼻、崎鼻」はいずれも岬(広義)を表す言葉で同じ意味を持つと解釈できる。但し命名時期は各々違うようで、鼻という名称が使われ始めたのは弥生時期であると述べられている。また鼻の語源は「なめらかな斜面と断崖を持つ、陸と水の境界点にある突起」と言う所からきているようである。


鼻が一般的であるというのは「岬、崎、鼻、崎鼻」という名前がついている岬は全国で3469ヶ所あり、そのうち「~鼻あるいは~崎鼻」と言う名称がどのくらいあるかというと1215ヶ所、1位の「崎」の1793ヶ所に比べると若干少ないが、2番目に多く、特別に珍しい呼び名ではないということが分かった。


また鼻という名称を付けている地域が多いのは中国、四国、九州で79%がこの地域に集中しており地域性があるということも分かった。特に多いのが長崎、愛媛、鹿児島などが上げられる。傾向として九州東部の大分県から四国の愛媛、香川県、中国の広島、岡山、島根など瀬戸内海を中心に分布しており、地形や文化の伝播の違いにより岬と言ったり鼻と言うなど使い分けているようである。


今回この話の発端となった、八丈島に鼻と言う名称の岬が多いのに対して三宅島では岬という名称が多いのは何故かについては分からなかった、両島の距離は約100キロメートル、島伝いで言うと隣の島になるのに一方では岬、もう一方では鼻と言う、極めて面白い現象である。その理由は定かでないが、たぶん瀬戸内海を中心にした交易、あるいは人の流れからそのような違いが出てきているのではないかと思われる。但しこの考えは私個人の考えであり、学術的に証明された判断ではありませんのでその点はご了承下さい。


ともあれさらに詳しいことを知りたい方は今井欣一さんの本をお読みになることをお勧めします。鼻以外にも峠のことや地図上に記載してある名称についていろいろな角度から証明しており、地図の好きな人にはたまらない資料であると思われます。