昨年の12月22日に2024年度の歳出総額が112兆円超の当初予算を閣議決定しました。通常国会では野党各党が政治資金問題で追及で荒れる事は予想されます。しかし予算の中に見える問題の核は人出不足の深刻化で改善策が机上の空論的でとても現実的に思えないというのが僕の感想なのです。

 

 社会保障関係費で介護報酬、障害福祉サービス分野の人手不足は深刻のようで24~25年度で2.5%と2.0%と2年後には現在の4.5%賃上げする方向のようですが、おおよその統計から平均年収を350万円だとすると4.5%賃上げで年収約366万円。今の日本の物価状況で魅力があるのだろうか。 こども政策は日本の未来にとってtop priority(最優先)との事ですが、手当を増やす事は家計の助けにはなるのでしょうが、社会が子育てを女性に押し付けてきたこれまでと大きく変わらなければ女性の社会的活動の場を広げる事は期待できないと思う。

介護、こども政策、教員業務支援等においてのtop priorityは人材です。賃上げはその補強の為の政策なのでしょうが、教職員不足は不人気な職業という事も一因で文部科学省は都道府県と政令都市の教育委員会に教員発掘の取り組み状況調査を始め、免許を持つ人材が教職についてもらう為の予算を確保したそうです。

教育現場は酷い例になると月100時間近くの残業もあると聞きます。20年程前に現役の中学校教員から聞いたことがあるのは手当もなく、新人教員に押し付けられる部活の顧問の話を思い出しました。今は様々な制約の多い職場環境で生徒の人権と自身の職務の板ばさみはかなり教職員の精神力を消耗するのだろうと想像してしまう。

介護の職場環境はもかなり厳しいものだと聞きます。認知症の方や障がい者の方に罪はなくとも介護の現場では一人の職員が何人の入居者の面倒をみるのでしょうか・・・・

以前ブログで書いた映画作品の「ロストケア」や「月」を通してテーマの一つでもある「見たくないモノ」と向き合うには職員一人に過剰な負担を強いるような環境ではいい方向に向く筈はないのです。

人材確保と言ってもこれから労働人口は速度を上げて減少していく時代。社会成長の為のクオリティーが世界のトップクラスから引き離されつつあり、円の価値も以前ほどの力を持てなくなっている日本において海外からの人材補強で改善していくという見通しは楽観できないでしょう。

その他の予算を見ても増額、増額と見通し不明瞭の地球環境、外交、安全保障に有事や異常気象による食糧危機に備える食料安全保障に400億円近くも盛り込んだ予算。

 

そこで思ったのはそもそもこれら全てと言っていいのは、我々人間のマナーの問題ではないか。

 

例えば、身近なところに居ませんか・・・・

 

 水不足で深刻な状況かに置かれている人達が居るのにこの寒い時期に20分も熱いシャワーを浴びて体を温め、苦手な食べ物を残すばかりか捨ててしまう息子?娘?。

賞味期限どころか2年前の食肉を冷凍室に入れっぱなしにして今日購入した肉を焼いて食べるわ、猛暑の夏に「風が冷たくて気持ちいいんだよ」と窓を全開にした部屋でエアコン強風つけているおじいさん?おばあさん? 集中出来るからと、昼間に部屋のカーテンを閉めて電気をつけて仕事するわ、電動チャリもあるのに暑いから、寒いからと車で10分の買い物に行く妻?夫?

 

外に出ると見かけるのは空き家や空きアパートがやたら増えているのに緑地を壊して宅地化していく風景。昔、地域に住んでいた時によく思ったのは都内で中央線とかで杉並区の風景を見ると低層の建物ばかりがぎっしりと広がっていて、これらが縦に積まれていたら広い道路や緑地など格段に住環境が上がるのだろうにと。

世界情勢を見回しても今に至る結果として未来を創造出来ず、バランスが取れない私達が成熟した資本主義経済を形成してコントロールするのはまだ難しいという事なのかなというのは感じます。結局は人間のマナーが良くないのだろう。素晴らしい人は多く存在する筈なのに社会全体としてはマナーが良くないのは全体としてのマナーの低さからくるトラブルが多いのだろう。

 

 話を日本国内に戻しますと様々な改善策の核は、人としてのマナーを育てていく事こそが近道だと思うのです。幼児教育・保育の質の向上も家庭や民間任せにしないで子供達を社会で育てるようなシステムに出来ないだろうか。

子供の頃に多くの大人と多くの時間コミュニケーションを取れる環境は人格育成には最高の栄養素になると思います。

子供同士だけのコミュニケーションではなく、様々な年代の大人も中に入ったコミュニケーションを取る事は多様性を育てる学びにもなり社会の調和に繋がると思うのです。

学問については義務教育を卒業したら自分に合う学びを選択できるシステムを作り、専門分野の入り口へ導いてあげれるような未来を作る事はどうだろうか。横一線の学歴社会が社会全体として効果があまりないことは証明済みだと思うのです。それは義務教育の延長みたいな高校、大学進学は必要ないという事なのです。一人の人間として生きる術を得るという事が最も大切な事であり、それが社会の人材だと思うのです。

 そして人材不足解消の手立ては縮小社会の実現です。既にその必要は目の前だと思うのです。これからのサービスは無人化を進め、専門的なサービスの対価は上げて需要を縮小社会に適用させていくのです。自分に見合う専門分野で適材適所に配置出来る社会を実現していく必要があるのでしょう。それこそが自分の居場所であり、共存できる社会ではないだろうか。

 

 また国際社会では日本とその周辺国が抱える問題を補い合うあり方も必要だと思います。既にモデルとしてEUという事例があるわけですから東アジアで最初に動くべきは日本ではないでしょうか。一国が何とか出来る問題ではなくとも他国という枠を超えて東アジアの地域問題としたならば改善できることも多いと思うのです。

かつて当時の安倍首相が「戦後レジームからの脱却」を言っていましたが日本だけで変われる事ではないでしょう。政治も次のステージに上げて成熟したウィンウィンの外交関係を作るべきだと思います。それぞれの国の強みと弱みを補い合う今までの外交より密度の濃い経済圏を実現させたら東アジアは大きく変わるでしょう。

 

先ず日本、韓国、フィリピン、ベトナムで共通通貨を持った経済圏を作るウィンウィン構想で根回しに奔走します。

アメリカは後先のゲストとしてメリットを用意する根回しをしておいて、先ずは先に書いた4カ国経済圏で各国に特区を点在させて人的交流を含めた密度の濃い経済圏を実現させて国際社会との交渉力を養います。次にロシアと北朝鮮を巻き込んだ交渉をして6カ国の経済圏と平和条約を結んだ東アジア経済圏を形成して最良の友好国としてアメリカともウィンウィンの外部パートナーシップを築きます。

 

これで戦後は終了です。

 

大切なのはそれぞれの国にメリットとデメリットを解いてウィンウィンであるべく交渉で繋ぐのです。

 

日本はまだまだそれなりに安定した国です。東ヨーロッパや中東の一部で起きている惨状は想像もつきません。しかし手を打たなければ、いずれは順番が回ってくるというものだと思いませんか。「見たくないもの」「臭いもの」に蓋をしたままにする事は出来ないのでしょう。地球に一緒に住んでいるのですから。

 

 

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2月8日(木)12:10