Sergio and Odair Assad Play Piazzolla(2001) | 全ての音は音楽か

全ての音は音楽か

色々書いたりつぶやいたり。音楽の話ばかりです。

Tango Suite
1.Deciso
2.Andante
3.Allegro
 
4.Escualo
5.Invierno Porteno
6.Primavera Portena
7.Decarissimo
8.Ausencias
 
Suite Troileana
9.Bandoneon
10.Whisky
11.Zita
12.Escolaso
 
13.Bordel 1900
14.Fracanapa
 
Sergio & Odair Assad(guitars)
Fernando Suarez Paz(violin)
Nadja Salerno-Sonnenberg(violin)
Marcelo Misinman(bandoneon)
 
Album Produced by Francoise-Emmanuelle Denis
 
アサド兄弟の作品、全てアストル・ピアソラの作曲です。
 
まず1,2,3はタンゴ組曲。それぞれの曲名は演奏記号からきています。1ははっきりと、2は程よく、歩くような速さで、3は陽気に、速く、という意味です。その通りの演奏です。どの曲もとてもメロディアスでセンチメンタル、とてもわかりやすいです。他の録音ではこのうちDecisoを抜いた2曲になっているものもあるようです(数枚で確認、多いかどうかは不明)。4にはヴァイオリンが入ります。力強くはっきりとした音のヴァイオリンとの比較、切なさの中から光が見えるような曲と演奏は見事です。5は明るさはあまり見えず、曲を通して切なさを強く感じます。リズムがはっきりした6曲目。ヴァイオリンとギターで情熱的に演奏されます。7はバンドネオンが入ります。切なさは感じるものの明るさの方がやや上の印象。どこかの教会で演奏されているような雰囲気。教会音楽といってしまうとまた違うと思うのですが・・・。8曲目は柔らかいナイロン弦と儚く悲しげなヴァイオリンが脆く綺麗な雰囲気を作っています。9,10,11,12はトロイロ組曲。荘厳な9、スピーディーでリズミカルな10。緩急をつけて弾かれる11、切なくリリカルな12。明るくリズミカルな13。タンゴ独特の不安さと情熱が入り混じったような14。その曲調もバンドネオンが入って強まります。
 
二人の息のあった見事なアンサンブル。もちろんそれぞれの腕前もそうですが、とても素晴らしい演奏です。そこに曲によりヴァイオリンとバンドネオンが加わる事により雰囲気を強めたり豊かにしたりしています。
 
ピアソラの音楽を単純にタンゴとしてしまっていいのかは疑問に思う部分もありますが、確かにタンゴの雰囲気を感じる良い作品であると思います。
 
どれも素晴らしいと思うのですが、僕個人の意見を書くならばまずはタンゴ組曲から。
 
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