Aldo Romano - Chante(2005) | 全ての音は音楽か

全ての音は音楽か

色々書いたりつぶやいたり。音楽の話ばかりです。

1.Les enfants s'ennuient le dimanche

2.A St Germain des Pres

3.Io qui tu li(en duo avec Carla Bruni)

4.Avec les Anges(Irma La Douce)

5.The end of a love affair

6.Sans un mot

7.La valse des lias

8.Les papillons de nuit

9.Estate

10.Rue de Douai

11.L'etang

12.So in love

13.Les Clowns


Aldo Romano(vocals)

Nelson Veras(acoustic guitar)

Baptiste Trotignon(piano)

Remi Vignolo(bass)

Ander Ceccarelli(drums)

Francesco Bearzatti(t.sax,clarinet)

Flavio Boltro(trumpet)

Carla Bruni(guest vocal on 3)


Michel Petruccianiとの演奏や自身の作品での質の高さで有名な(と思います)Aldo romanoのヴォーカルアルバムです。輸入盤を買いましたが、演奏者のクレジット以外特に解説文やコメントがありません。推測になってしまい申し訳ないのですが、Andre Ceccarelliがドラムを担当しているため、Aldo Romanoはヴォーカルに専念しているのだと思います。


以前Charlie Haden & Kenny Barronの回で紹介したような感じの落ち着いた雰囲気の大人のジャズです。風景ジャズとでも表現しましょうか、音楽を聴いているとイメージや気分にあった景色が見えてきそうです。僕の場合はテレビや旅行ガイドの写真で見るようなヨーロッパの風景が浮かびます。自然の風景よりも建物であったりカフェであったり、そういう感じです。いつも同じようなイメージが浮かんでしまいパターンが少ないので、イメージが貧困なのかと思いました。しかし、聴いた時そのような雰囲気を感じる方もいるのではないでしょうか。


落ち着いた大人のジャズと書きましたが、Night and The Cityが完全に夜の雰囲気だったに対し、今回のChanteは午後(昼)から夜の雰囲気です。Aldo Romanoの渋い声と映画音楽のような演奏が醸し出す雰囲気を確かなものにします。


ボサノバをイメージさせるギターから始まる1曲目は何となく気だるさが漂います。雨の日の午後に聴くといいかもしれないと思いました。一転して優雅な雰囲気の2曲目。軽くはねる感じが曲に華やかさと楽しさを加えます。Carla Bruniがヴォーカルに加わる3曲目。ハスキーな歌声は物憂い雰囲気。これは夜のイメージです。4曲目もやはりちょっとだるい雰囲気がします。悪い意味ではないですが、ちょっとだるい。良い意味で。5曲目はバックがギターのみ。今までとは少し雰囲気が違いますが、やはり少し緩め。6曲目は夜の雰囲気になります。気だるさが後ろに隠れ、代わりに少ししまった感じがします。少しシリアスな感じのするイントロの7曲目は次第に優しくなっていきます。暗く憂鬱に始まる8曲目は途中で少し明るさが増しますが、暗く戻って終わります。それでも沈み込むような重さと悲しさがそれ程大きくないのは、オーケストラの音が光を与えているからだと思います。9曲目はAldo Romanoのささやきから始まります。ボサノバのようなイメージがあります。このピアノはいいですね。10曲目は少しはねた感じ。バーで演奏されていたらすごく良さそうです。11曲目はワルツ。ピアノがとても良いです。12曲目のギターとオーケストラの組み合わせは歌声と重なって柔らかく聞こえます。最後はシンプルな演奏にAldo Romanoが歌います。通して聴けば静かな夜という感じかもしれませんが、この曲だけで聴くなら明け方、もしくは明るくなってからでもあいそうです。


全体を通して感じるのは気だるい雰囲気。聴き直した時もそのイメージが強かったため、感想や印象をどう書こうか考えましたが、結局同じようなものになってしまいました。


オーケストラが曲を豪華なものにしています。オーケストラのアレンジとディレクションはJean Claude Petitという人が担当していますが、なかなか良いです。オーケストラはほぼ全部に入っています。今回聴き直した感じでは、歌のバックはピアノトリオ+管楽器+オーケストラか、ギター+オーケストラという印象でした。もちろん完全にそうわかれているのではありません。


歌唱は力量が足りない(生意気に書いてしまいました、すみません)と思いました。が、この雰囲気はこの歌だから出たのかもしれないとも思いました。いい声だとは思いますが、そこは好き嫌いのわかれるところではないかと思います。


Night and The Cityもそうですが、ジャズは途中ではねるから嫌だと思う方、オーケストラが入った映画音楽風ゆったりジャズ、ボサノバの雰囲気も漂う少しだるい系ジャズが好きな方は聴いてみると合うかもしれません。久石譲が好きな人もいけるかもしれません。例をあげてみるなら、Piano Stories3等で聴けるIl Porco Rossoが好きな方など。


ちょっと格好いいですよね、こういう人をちょいワルおやじというのでしょうか。


ここで貼り付けたのは輸入盤ですが、日本盤も出ています。

Chante/Aldo Romano

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