◆発泡酒とビール
ギウの友人のミニョンが、ハラボジの石を届けにきた時、ギテク一家は、セウッカン(えびせん)をつまみにFiLiteを飲んでいた。

FiLiteは、2017年春にハイト眞露が売り出した韓国初の発泡酒。コンビニで₩1800で買える。
その後、一家でパク社長の家に寄生してからは、

肉を焼きながらSapporoビールを飲んでいる。最近は日本製品の不買で見かけなくなったが、以前はコンビニで₩2500前後だった。
しかし、オンマだけは依然としてFiLiteである。買い置きのFiLiteが残っていたので、それを飲んでいるということであろうか。細かい…。
◆マウルバス
ミニョンがギウに家庭教師を紹介する場面。
阿峴洞のテジスーパーの前で撮影しているのだが、後ろを「麻浦03」の緑色のバスが通り過ぎる。セリフの合間のいいタイミングで走り抜けてる。ちゃんと誰かがバスのキサニムに合図して走ってもらったんだろう。
これは撮影場所を提供したテジスーパーのハルモニが見せてくれた撮影風景。
本当はテジスーパーの前はバス停なので普通はバスは多少徐行するし…
ちなみに、アカデミー賞作品賞受賞の直後に見物に行った時はテレビクルーや記者がいたもんで、マウルバスはノロノロ走ってた。
アカデミー賞受賞直後にChannelAの取材を受ける店主夫妻
◆代理駐車(발렛)
ギジョンに「アッパ、バレッやってたじゃん」といわれたギテクはこう答えた。
「발렛? 치킨집 망하고 대만카스테라 오픈전에.... 그 사이 한 6개월? 아니지. 카스테라 망한 뒤지. 발렛은.(バレッ?チキン屋が潰れて台湾カステラを始める前、その間6ヶ月くらい、いやカステラが潰れた後だ、バレッは。)」
このバレッ(발렛)は代理で駐車する仕事。valet parkingからきた外来語で、韓国社会では10 〜15年くらい前から一般に使われるようになった。valet parkingはアメリカではよくあるらしいが、韓国での事情はこうである。
大体において食堂やレストランは駐車場が狭い。客が自分で駐車したのでは数台しか入らないが、係員がキーを預かってぎゅうぎゅうに詰めればもっと入る。キーを預かるので、奥の車でも出し入れ可能。駐車場がいっぱいになれば歩道とか路上とかに駐車してくれる。もちろん違法なのだが。
ということで、昔からちょっとした店に車で外食に出かけると店の前のアジョッシにキーを渡して駐車してもらうのが普通だった。
その後、江南あたりから、2000とか3000ウォンで駐車場のないところでも駐車してくれる商売が始まった。「バレッパーキン」という看板が出ていたりする。
そんなこんなで、キーを渡して駐車してくれる商売をバレッと呼ぶようになった。
私の常宿の近くには有名な冷麺屋があるが、ここも店の前にアジョッシがいる。彼らもバレッなのだろう。
まぁ、そこそこの運転技術はないとできない商売だが、休戦ラインの南側の路地の隅々まで道を知っているはずはないし、細かいパネル操作までできるわけではない。ましてやベンツとなれば……。
ということなのだが、十数メートルの距離を前に行ったりバックさせたりしていたギテクは、パク社長の家のベンツの運転手になってしまった。
◆ジェシカソング
ダヘの英語の家庭教師になったギウが、ギジョンをダソンの美術の家庭教師としてパク社長の邸宅に連れて行くところ。
「ジェシカ」に関するバックグラウンドを確認したのがこれ。
제시카 외동딸 일리노이 시카고 과 선배는 김진모 그는 니 사촌
ジェシカは一人娘、イリノイのシカゴにいた。学科の先輩はキムジンモで、彼はジェシカのいとこ。
この原曲は「独島は我が領土(독도는 우리 땅)」。
日本人の多くは言われないと気づかないのだが、もうだいぶあちらこちらで言われているので、「反日」要素としてこれを取り上げる向きも少なくないが…。
この曲は、1982年に出され、翌年にかけて注目されヒットした。その後もずっと歌い継がれている。
当時、日本の教科書検定で文部省が「侵略」を「進出」と書き換えさせたという報道をきっかけに、「教科書問題」をめぐって日韓関係は極度に悪化していた。食堂の「日本人出入禁止」の貼り紙やタクシー組合の乗車拒否決議などが報じられた。また、日本の「歴史歪曲」に対抗するとして募金運動が始まり、それは後に天安の「独立記念館」の建設につながった。

そうした中でヒットしたのがこの曲であった。
当時、カセットテープに録音して持ち帰り、数年後にそれをデジタルデータにして授業や講演で使っていた。しかし、日本人はほとんど「何、それ?」という反応だったし、日韓間に領土問題があることすら知らなかった。日韓間に領土問題が存在することを日本社会が認識し始めるのは1990年代の後半以降のことである。
試写で「パラサイト」を観たときにはうかつにも気づかなかった。
あまりにも耳に馴染んだ曲調だったし、歌詞の方に気を取られたというのもあった。
この部分、領土問題を意識しての選曲というようには、私には感じられない。
ちなみにパクソダムは、Youtubeにジェシカソングの講習動画をアップしている。












