マンションを出て近くのコンビニに向かう
「……言っちまった……はは……」
後悔はない。
ずっと考えていた事だった。このままニノに隠し事をしたまま付き合っていくなんて我慢出来ねぇ
それは俺のエゴだったのかもしれない。ニノにしてみれば知らなくてもいい事で、今さらそんな事言われても戸惑うだけだったかもしれない
ひょっとしたらニノを失ってしまうかもしれない……もちろんそんな事も考えた
でもな……ニノ……やっぱりお前に隠し事なんて嫌なんだ
お前にはほんとの俺を見て欲しいから……ほんとの俺を愛して欲しいから……
なあ、ニノ……俺、薄々気づいてたんだぜ
お前も何かを抱えてんだろ?
俺が明かした事でお前も少しは話しやすくなったんじゃねぇのか?
それでもニノが話したくなければそれでも良い
いつかお前がそんな気になったら俺が全て受け止めてやっから……
俺らが今まで築いて来たモノはそんなに簡単に崩れるような柔なモンじゃねぇだろ?
ニノ………待ってるからな
コンビニでニノが好きなプリンを買ってマンションに向かう
ニノの事だからまたグルグル考えてんじゃねぇかな……早く帰らなきゃな
その時、ポケットのスマホが震えた
「………え?………ニノ?」
ニノからだ。どうしたんだ?
〈もしもし、どした?〉
〈あ、大野さん……話したい事があるんです……〉
〈………分かった。もうすぐ着くから待ってろ〉
〈…………はい〉
電話を切った俺は1歩を踏み出せずにいた。
なんだよ……俺、むちゃくちゃ緊張してんじゃん……
大きく深呼吸をして俺はニノの元に急いだ