前回ブログで「黒崎くんの言いなりになんてならない」のタイトルを間違っていました。
大変失礼いたしました(修正しました)。
話は変わりますが、同じ本なのに、初めて読んだ時と今読んだ時では感じ方がちがう!と思うことはありませんか?
ついこの間アガサ・クリスティの「葬儀を終えて」を読んだ時、それをつくづく感じたので記録。
©National Trust Images/Annapurna Mellor
舞台は北部のお屋敷。こんな感じ?
アガサ・クリスティは1976年没、古典というには著者がまあまあ最近まで現役だったイメージが私にはありますが(自分が生まれてから亡くなってるから)、デビュー作は1920年発表で、初期の作品は100年前のものなわけです。それでもあまり古さを感じさせないのは、人間性というものは結局変わらないものだから・・・ということなのでしょう。
が、私はそれに加えて、
「不景気と好景気が繰り返すから!!」
と言いたい。
前回「葬儀を終えて」を読んだのはたぶん20代だったと思うんですが、
「あんまり面白くなかった」
と思った記憶があります。遺産目的の殺人で、展開も淡々としててイマイチ、と思ったんだと思う(自分の記憶なのにまたウロ)のですが、若かったな自分よ・・・!と、今は思うのです。
滅多に会わない親戚と交わされる会話や面倒臭さ、お葬式というイベントの妙、などがまず若い頃はピンと来なかったんなーと思うんです。
が、今感じるのは何よりも、切実な「金欲しさ」の心情。
若い頃だってお金は欲しいですが、登場人物たちの「お金欲しい!」の気持ちがこれほど理解できるのは、この年、この時代のこの日本。老後の不安、上がらない給料。物価高。を今まさに経験しているからでしょう。
そして犯人の動機の切なさ・・・!このお話、淡々としていながらあらすじを紹介しようとするとすぐネタバレになってしまいそうなので書けませんが、同年代なら共感してもらえるのでは。
いや、今の時代なら若者でも共感できるかも・・・
早く不景気が終焉して、この話ピンとこない、というような時代が来てほしいですね。
繰り返す、ならできるだけ早く!
先日AXNミステリでドラマもやってました。設定が少し変わっていましたが、面白かったな。
遺産があるって羨ましい、でも争いがあるのはいやだな、でも羨ましい、のループ。
