0719 井伏鱒ニ「山の宿」私は山の宿の囲炉裡の煙が好きである。それも涙が出るほど目にしみる煙でなくては物足りない。「ああ煙い」と目をとじて涙を拭うとき、私は何ともいえないしみじみとした心地になる。(井伏鱒ニ「山の宿」講談社文芸文庫)