0719 井伏鱒ニ「山の宿」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

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その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

私は山の宿の囲炉裡の煙が好きである。それも涙が出るほど目にしみる煙でなくては物足りない。「ああ煙い」と目をとじて涙を拭うとき、私は何ともいえないしみじみとした心地になる。(井伏鱒ニ「山の宿」講談社文芸文庫)