1222 佐川光晴「尾道生まれの少女」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

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その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

私は(中略)授業料を稼ぐため与那国島でサトウキビ刈りのアルバイトをした。帰りは鈍行列車でのろのろ進み、名のみ知る歴史ある町を見て歩くのは楽しかった。若き日に思い悩んでいた事どもは、記憶の彼方に消え去ったが、憧れていた尾道の風景は今も鮮やかだ。(佐川光晴「尾道生まれの少女」「青春と読書1月号」集英社)