1122 内田百閒「その時分」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

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その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

東京駅が出来上がってから暫らくの間は本当の広場であって(中略)道の区切りも何もなかった。自動車が氾濫する前の話だからそれでよかったのであろう。駅の人力車の外に降車口の外れに貸馬車の溜りがあった。そんな古い話ではないと思っていたが更めて思い出して見ると隔世の感がする。(内田百閒「その時分」福武文庫)