1027 内田百閒「雷九州阿房列車」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

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その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

何もする事がない。(中略)ただ考えている。何を考えるかと云うに、なんにもする事がないと云う事を考える。そうしてその事の味を味わう。二三度そんなことを繰り返して、いい心持でぼんやりして来た頭の中に、少しくはっきりした事が纏まり掛ける。何か食べる気はないかと云う事。(内田百閒「雷九州阿房列車」新潮文庫)