メッセージ『まつげに浮かぶ宝石』 | ワンライフプロジェクトのブログ

ワンライフプロジェクトのブログ

平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

君という太陽を失って
気付けば5年という月日が流れていました。

君は太陽であり
時には静寂の中に静かに灯りを放つロウソクのようでもあったね。

その灯りが消えてしまったあの日から、僕はどうやって生きてきたのか思い出せない程だよ。

君は言っていた。
「もし、寝たきりになる日が来たら、延命だけはしないでね」と。
「君より僕は先に逝くから
そんな話をしても無駄だよ」と答えていた。

しかし、あれは君の予言だったのかな‥

突然の交通事故で、目を開ける事も、会話をする事も出来無くなった。

あの日の君の言葉がグルグルと何度も駆け巡る。

お医者さんと話し合った。

本当にもう君の笑顔は戻らないのか
声を聞かせてもくれないのか
手を握り返してくれる事もないのかと。

そして
静かに
君に繋がれていた装置が外されていった。

子供達が
お母さん、お母さんと呼びかけると
君のまつげにキラキラと小さな宝石が光って、ゆっくりと流れ落ちた。

勿体無くて、拭う事は出来なかったよ。

やっぱり聞こえていたんだね。
僕達の声は届いていたんだね。

穏やかな顔で
永い眠りにつく君を見ながら
経験した事のない感情が湧いて来た。

誰か時間を止めてくれ!
どうか、引き離さないでくれ!
天を見上げて
どのくらい祈っただろうか。


あれから子供達はそれぞれの道を歩み始めた。


僕や子供達を、しっかりと社会に送り出してくれたのは、間違いなく君だ。

ありがとう。
みんな幸せに過ごしているから。

ありったけのありがとうを
大きな声で君に届けたい。

ありがとう。
ありがとう。

春がきたら
僕はおじいちゃんになるよ。
君が繋いでくれた
たったひとつの命から
また、新しいたったひとつの命が誕生するよ。

かけがえのない命だから
君の分まで
新しい命に
祖父として愛を注ぐよ。


福岡県 60歳男性