メッセージ・海に眠る幼馴染み | ワンライフプロジェクトのブログ

ワンライフプロジェクトのブログ

平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

12月27日
忘れる事が出来ない日。

しっかり者の幼馴染みが自ら命を絶った日。

誰にもサヨナラを言わず
最期まで笑顔で
辛いなんて言いもせず 悩んでいる素振りひとつ見せず。

どれだけ思い悩み、この答を出したのか
俺は生涯この難問に向き合っていく。

あいつが残していった宿題に。

いや、本当は俺に考えて欲しくなんかないはずだ。

でも、失ってその存在がどんどん大きくなっていくから向き合わざるを得ない。

何故、俺の嫁さんになってくれなかったのか
いや、俺が強引に連れていけばよかったんだと
その後悔が年々膨らんでいく。

一緒にいるのが当たり前すぎて
人生のパートナーとして見る事もなく生きてきたけれど
あいつを越える女がいない。

半分しか愛せない女と結婚して、心から笑う事を忘れてしまった。

『健ちゃん、奥さん大事にせないかんがに』
そう言って俺の背中をバシッて叩くお前の瞳
あれが忘れられない。

お前も辛かったのに、俺の愚痴ばかり聞かせてしまった。
本当は、お前も言いたかったんだよな。


離婚して、俺はお前を迎えに行くと決めていた。


『健ちゃん、海にいこう』
そうお前に言われて何度か一緒に行ったな。
遠くを見ながら『懐かしい気がするの』って言ってたな。
お前は、自分の死に場所を探す為に海に連れて行けと言ってた訳じゃないだろ?

選ぶなよ
一緒に行った海に沈んだりするなよ

海よ
どうか、あいつが凍えないように
冬は、あいつが眠った場所だけでいいから、温かい温度にしてあげてください。
夏は、あいつが心ゆくまで泳げるように、見守ってあげてください。
そして、寂しがり屋のあいつに魚の群れを与えてあげてください。

人の命はひとつしかない

たったひとつの命だから

大切な人を失う前に
その手をしっかり掴むこと

今度生まれ変わったら
俺は必ずお前の手を掴み 放しはしない



愛する女の手を掴んであげられなかった50代