13年前の7月4日
会社から『すぐ病院へ行くように』と連絡が入った。
何がおきたのか分からないまま向かった大学病院。
玄関で迎えてくれた上司の案内で、変わり果てた妻の姿と対面した。
朝、君は僕に言ってくれた。
『気をつけてね』と。
優しく微笑んでくれたよ。
何があったんだ!たった数時間の間に。
これは悪夢だ。
目覚めたらおはようって君はまた笑ってくれる、そう信じてた。
たくさんの方に来ていただいたお別れの日。
初七日、四十九日、納骨。
家族で何度もお別れの儀式をしてきたけれど、君はまたいつか現れてくれると、どこかでそう思っていた。
幼かった息子達も社会の海で泳ぎ始めた。
僕は、まだ君との再会を願ってる。
僕は、まだ君と生きているよ。
この先、どれくらい一人で生きれば君に会えるのか。
やっと君の写真に向き合えるようになったよ。
君は39才のままなんだな。
何故、僕の手を放したのか教えてくれないか?
今度君に会ったら、僕は絶対に君の手を放さない。
それだけは覚悟して待っててくれな。
たったひとつの命だから
僕の命の終わりの時は
君との次のステージの始まりだ。