友人が たったひとつの命だから の本を貸してくれました。
どんな本かと思って開いたら、吸い込まれるように アッという間に読み終えて 深い感動の中にいました。
私には3歳年上の兄がいました。
と言っても私には全く記憶がありません。
なぜなら、私が歩き始めたばかりの頃に亡くなったからです
。
母の実家は、筑後川のすぐそばに あります。
兄が4歳・私が1歳の夏、とても暑いその日に母は浅い所で水遊びをさせて涼ませようと思ったそうです。
石っころの下にいるカニを見つけては大喜びする兄の後を、やっと歩けるようになった私は何度も尻もちをつきながら、追いかけていたそうです。
とても楽しそうに大はしゃぎしていたそうです。
そして、少し川の中へ入って行った ほんの一瞬の間に兄の体は川の流れにさらわれ 母は、驚いて兄の後を追い、必死に泳いだそうですが、引き上げた時にはもう息はなく、そのまま亡くなったそうです。
私は中学を卒業するまで長男だと思ってきました。
知らない人の写真が飾られている事を不思議に思いつつも、野球しか頭になかった私は、尋ねる事もなく、たいして気にもとめず過ごしてきました。
ある日6歳年下の妹がこの写真は誰かと尋ねました。
母は悲しそうな表情を浮かべて初めて私達に兄の話をしてくれました。
母は一度も海や川・プールに連れて行ってはくれませんでした。
泳げない母をバカにしていました。
母の悲しみや辛さを感じることもなく。
兄が亡くなった日の事を、昨日の事のように語る母は、普段の厳しい母と違って、とても穏やかで、それでいて 優しく悲しげで・・・とても綺麗に見えました。
兄の分まで、私達は元気で長生きしようと兄妹で話しました。
昨年、73歳で母は亡くなりました。
最期に母が残した言葉は「これでやっと あの子のそばにいてあげられる。」でした。
兄の命を助けることが出来なかったという自責の念で生きてきた母の一生を感じました。
母さん もう、兄さんと会えましたか?
天国の兄さんが4歳のままだったら、また子育てに追われますね。
たくさん抱っこしてあげて下さい。
たくさん遊んであげて下さい。
たったひとつの命だから どんな事情にしろ 親より先に子どもが死んではいけない・・・
追伸: 多くの方のメッセージが集まったというこの運動は、生きる力を与える大きな何かがあるからでしょう。私の心も軽くなったような気がします。
下手な文章ですが・・