メッセージ・母から子へ | ワンライフプロジェクトのブログ

ワンライフプロジェクトのブログ

平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

たったひとつの命だから

新しい命が宿ったときに、喜びいっぱいで報告をくれた親友。

とっさに出た私のセリフ
『よかったね、よかったね
お医者さんは大丈夫って?』

『ううん、反対された、でも産むよ』

反対された、反対された、反対された
この事が私の心を喜べなくする。

それから、親友と家族の話し合いが始まる。
親友は大きな心臓の病気を抱えていた。
産めば命の保証は出来ない、そうハッキリ告げられた。

私も反対した。
大好きな親友を失いたくなかった。


親友は言った…

自分の命、赤ちゃんを産んでも産まなくても、そんなに永くはないんだよ。
だったら、愛する人に、最高のプレゼントがしたい。

私に合わせて生きてくれている人に、ひとつだけプレゼントがしたい。

寂しがり屋の彼が、私の死を悲しむヒマがないように…


私は、もう彼女の気持ちを受け入れるしかなかった。
ただひたすら、奇跡がおきますように
そう祈るしかなかった。


赤ちゃんは、無事生まれてきてくれた。
たくさんの涙の中で、全ての人を笑顔にしてくれた。

それから2週間後に、親友は旅立った。

まるで、全ての役割を果たしたかのように満足した表情で。


命というものは、こうして継がれてきたものなんだと、改めて私に教えてくれた。

親友の言葉を思い出してみた。
この子、私がやれなかった事をやってくれるかな…
この子、私を恨むかな…
この子、産んでくれてありがとうって言ってくれるかな…


どの言葉も重たく残っている。


新しい命を育てる事が出来ないと覚悟していた。

一人で育てるご主人の心配もたくさんしていた。

産んで育てる事が出来ないのなら、産むべきではないのかもしれない、何度か親友の心は揺れた。


親友の大切な宝物の娘は、二十歳。
親友の分までやりたい事にチャレンジしてる。
親友を恨んでなんかいない。
産んでくれてありがとうって、そう思ってくれている。

空の上から、そんな一人娘を見てるかな。


親友のたったひとつの命は
こうして若い命となりました。


ドラマを経て生まれたたったひとつの命だから
自分の思ったとおりに生きて
満足して幕を閉じたい