親友が亡くなって、私は物凄く自分を責めました。
もっと反対すればよかった、と。
強運の持ち主だから、大丈夫!
赤ちゃんを残して死ぬはずない、そう信じていました。
私の3人の息子は、安産という親孝行の中生まれてきてくれました。
お産は生死に関わる程の事ではないと、愚かな考えを持ってしまった私がいました。
それに、人の悪口を言ったり、人を傷つけるような事は絶対にしない彼女を、魂だけの世界へ連れて行くほど、冷たい神様ではないと高をくくっていました。
親友が、予定日よりかなり早く入院・出産をしたと聞いて、病院へ飛んで行きました。
目を開ける事もなく、集中治療室で闘っていると聞き、私は後悔しました。
正しい選択だったのか!
赤ちゃんは、生まれてきて幸せになってくれるのだろうか…
赤ちゃんは、全部やってもらわないと生きていけません。
おっぱいを与えてもらって、おしめを換えてもらって、抱っこしてもらって
、全てをやってもらわないと生きれないのです。
母親の仕事はたくさんあります。
もし、もし、お母さんを失ったら…
私は初めて不安でいっぱいになりました。
親友は、母親になって一度だけ自分の娘をその胸に抱きました。
体力のない親友に、我が子はどれほどの重みだったでしょうか。
愛する人のこどもを産みたい、
愛する人と私の歴史をこの子が語り継いでくれるから
そして、私も生きたんだって感じたいから
彼女からの手紙にそう書かれています。
親友を送り出して20年になります。
親友が残していった命が、大きく成長してくれて、親友そっくりな顔立ち・心根の優しさで溢れる女性になってくれた今
やっと、やっと親友の死を受け入れている私がいます。
荒れた中学時代
『お母さんじゃなくてお父さんが死ねばよかったのに』
と、父親に対して叫んでしまった事があったそうです。
今でも、あの言葉を言ってしまったことに、大きな後悔を持っているそうです。
空の上の親友は、どんな気持ちで聞いていたのかな…
その時は、グサーっときた言葉だったでしょうが、それがきっかけとなって仲良し父娘になれた二人です。
素敵です。
親友の言葉はまだ他にもあります。
『お父さんを、ひとりぼっちにしないでね』と
その約束だけは守るんだと言ってます。
ずっと仲良し父娘でいてくださいね。