日本の鉱工業生産は、2008年1-3月期から09年1-3月期にかけて、34%低下した。このうち、世界景気後退によって22%ポイント、円高によって3%ポイント、日本企業の厳格な在庫管理によって8~10%ポイント、それぞれ低下したと考えられる。
まず、世界景気との関係であるが、日本の生産は世界経済成長率が1%ポイント上昇すると、3%ポイント上昇する関係にある。世界の国内総生産(GDP)は1980~2003年には年率3.1%で安定的に成長してきたが、04~07年の成長率は4.9%に高まった。これには、世界的な住宅信用バブルに伴う、需要の前倒しや持続不可能な需要の発生が寄与したと考えられる。この4年間で、世界GDPは累積7.2%ポイント余分に上昇し(図表1参照)、これが日本の生産を約22%ポイント(≒7.2×3)押し上げた。
次に、為替相場との関係については、日本の生産は円高が10%進むと0.9%低下する。日本円の名目実効レートは07年4-6月期から09年1-3月期にかけて、主要通貨に対して約37%上昇し、これによって生産は3%ポイント(≒37×0.09)低下した。
(輸出+輸入)÷GDPと定義した日本の貿易依存度は、主要なアジア諸国よりも低いにもかかわらず、生産のピーク月から谷の月までの低下幅は37%であり、アジア4カ国平均の31%を上回っている。これは、厳格な在庫管理の下で、日本企業が生産を短期間で大幅に削減しすぎた可能性を示唆している。いわゆる過剰反応である。そこで、極めて主観的だが、これによる生産減少への寄与度を8~10%ポイントと想定した。
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