2017年12月27日にリアルタイムで書いたものを移動しました。

 

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3、長男の治療経過
これまでの過程はこちら
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前回はこちら
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※2017年8月〜2018年2月までの、左目再発治療の頃の話です。
 
 
 

●眼動注の副作用の経過

 

前回、2017年12月の局所治療(眼動注)で腫れた左目。

その後、腫れは徐々に引いていって、手術から12日後の現在、見え方もかなり改善してきたようです。追視もだいぶできるようになって、目の前のものの認識も出来ている様子。

 

まだ以前より視線も少し違和感がありますが、このまま回復してくれることを願うばかりです。

 

 

退院した月曜日~金曜日までは保育園を休ませて自宅で様子見をしていましたが、家だと普段と同じように遊んでいるのに、外に出るとすぐさま「抱っこ!」を要求されました。これまで外では歩きたがって抱っこすると暴れていたので、やはり見え方に不安があったんだと思います。

 

それから、夜泣きが増えました。

 

これまでも、寝るのは下手で、夜中一度起きて泣いたり、お茶を飲んで寝たり、ということは良くありましたが、今は1~2時間に1度は起きて大泣きしたり、抱っこじゃないと寝てくれなかったり。

この前の手術後からなので、やはり、見にくかった不安とかが原因かなぁと、今はなるべく甘やかして安心させてあげようと思っています。

 

 

●発達相談

 

有休を重ねまくって会社に迷惑をかけつつ、その間に出来ることはしておこうと、区役所に発達の相談をしに行きました。

担当課で、病気の経過を話し、保育園で指摘された話をして、発達相談を受けたい、と申告してみました。

 

 

話は逸れますが。

 

網膜芽細胞腫は小児慢性特定疾患指定の難病なので、区役所は事実としては長男の病気を把握しています。ただ、生まれた頃の住民票は関西だったので、新生児訪問のような家庭訪問はこちらでは受けていません。

 

生後10ヶ月の頃、保育園入園の申請書を揃えた時に、診断書を提出し、担当者にかなり細かく事情を説明し、区の看護師さんに遊んでいる様子も見てもらいましたが、たとえば、担当の保健師やカウンセラーが付く、といった対応もありませんでした。


区の1歳半検診は参加しましたが特に発達では引っかからず。面談では、保健師さんが病名から治療歴など、保育園書類の時に説明したこと全てをまた一から聞き取りして資料を作っていたので、その程度の干渉なんだなぁと理解していました。

 

病児やその家庭のフォローアップとして行政の努力が足りない、とは思いません。

現在の子どもを巡る行政の問題は一通り把握しているつもりなので、都道府県も市区町村も手一杯、という事情は十分理解しています。ただ、「こうしてくれたらもっと助かるのになぁ」とは思います。

 

 

時々、「小児慢性の疾患を持つお子さんのいる家庭へ」という相談窓口のパンフレットや、基本情報や連絡先がまとめられた母子手帳サイズの冊子なども送られてきますが、実際、活用したことはなく、流し見してぽい、ということが多いです。

 

本腰を入れて支援するなら、相談窓口の案内を郵送するのではなく、担当の保健師をつけて半年に1回でも電話や訪問をして最新の状態を把握し、関わる担当課で情報を共有しておくとか、手続きが煩雑で、書類や診断書を揃えるのに時間がかかる更新申請(年1回)を行政が代理で行うとか(小規模自治体ではやっているところがあります)、そのほうがよっぽど支援になるのになぁと思います。

 

 

 

話を戻しまして。


昨今、子供の発達相談が激混みなのは知っていたので、取れる日時で予約だけでも、と思っていたら、なんと、「明後日なら空きがある」との返事!

「ちなみに、明後日行けないといつですか?」と聞いてみると、「2月末」とのこと(ひえー)。

「行きます」と即答しました(笑)

 

 

 

退院した月曜日に保育園で発達の話をして、その週の金曜日のスピード受診。ラッキーでした。

 

 

そして、気になるといわれた点や、そばで見ていて気になった点を片端から伝えて、遊ぶ様子、コミュニケーションの様子も見てもらったのですが、結論は「発達は年齢相当か少し進んでいるくらい」という見立てでした。

 

例えば、人見知りがあまりないとか、保育園の送迎時に泣いたり大喜びしたりしないという話では、入院中は医師や看護師や他の親子が出入りする病棟で24時間過ごすので、そういう環境に低月齢から長くいることが影響している可能性はある、とは言われました。

 

逆にそれで極度の人見知りになったりする子もいるだろうし、そういった通常と違う環境がどう影響しているかはわかりませんが、ひとまず、「そこまで心配する状態には見えない」という言葉を聞いて、よかったー、という安心が半分、本当に大丈夫かなーという不安が半分です。

 

いずれにせよ、治療などをしている事実もあるので、半年後にもう一度来てみては、と経過は見てもらえることになりました。

 

 

 

そして、12月に入ってから、いわゆる成長の爆発期なのか、語彙や2語文が爆発的に増え、コミュニケーションや言葉のキャッチボールもかなりスムーズになってきたと感じることも増えています。

やはり落ち着きないなぁと思うし、不安もありますが、このまま、杞憂で終わってくれたらなぁと、おおらかに見守っていこうと思います。

 

 


●保育園面談と加配の検討

 

目の腫れや見え方もかなり改善してきたというのもあり、発達相談の帰りに、保育園に連絡して再度の面談。

退院直後の様子に比べ明らかに腫れも引き、元気な様子の長男に先生たちもとても喜んでくれて、無事、週明けから登園再開できることに。

 

クリスマス会がちょうど25日(月)だったので、「来られないか電話してみようといってたんだよー」と仰っていただいて、嬉しかったです。

 

前回は園長先生が不在でしたが、この日は在園しており、改めて園長先生を交えて発達相談の結果を報告。

 

担当してくれた区の保健師(?)さんが、園で発達の指摘を受けたという話を伝えたときに、「区から園に結果を通達することもできますが」と申し出てくれましたが、少し考えて「私から伝えます」と断りました。

 

そして、園からは、発達相談の結果を踏まえた上で、もし私たち両親が反対しないのであれば、やはり加配申請を検討したらどうか、という提案をされました。

 

少し前、保育園の散歩中に公園で遊んでいて、坂を駆け下りた長男が柵にぶつかって顔にあざを作ったことがありました。今後、動きが活発になるとそういうトラブルが増えてくるのを心配しているようでした。

 

もしかしたら、保育士さんは、「親が迎えに来ても反応が薄い=見えてない?」「うまく止まれずぶつかる、室内でマットに躓いて転ぶ=身体の発達が未熟?見えにくい?」といった方程式で、発達を心配するに至ったのかもしれません。

(もちろん落ち着きのない長男の様子そのものも問題かもしれませんが)

 

 

保育士の加配申請は、園と両親双方が書類を書く必要があります。

 

園長はおそらく、「書類を書く=何よ、うちの子が発達に問題があるっていうの?」という流れを懸念してか、とても丁寧に説明をしてくれましたが、私(と空気のように同席していた夫)は、「仮に保育士さんが増えれば、ケガの危険性も下がるし保育士さん達の負担も減るので、マイナスなことは何もない」という考えで、加配申請に同意しました。

 

 

私自身、左目が見えていない今、考え事をして歩いている時などに、左側から飛び出している木の枝や旗に気づかず、ぶつかりそうになって「おおぅ!」となることがあります。

特にそれでケガもしたことがないので、困るというほどではないですが。

 

長男も右目がほとんど見えていないのは事実で、発達云々はおいておいて、それが加配の理由として認められて、安全や安心が確保できるなら、すみませんがお願いいたします、と思います。

 

 

 

 

 

視力の悪い人は、眼鏡やコンタクトを作って視力を補っている。

花粉症の人は、マスクやアレルギー薬で症状を軽減させる。

背の低い人は、ズボンの裾を詰めて自分に合うサイズにしている。

 

耳が聞こえない人は手話で会話をする。

歩けない人は車いすで移動する。

呼吸がしにくい人は、気管切開や人工呼吸器で呼吸をしやすくする。

 

 

「社会」に「普通」の人はいなくて、少しずつ異なる人たちの集合体です。みんな小さな不自由を抱えていて、快適に過ごすために工夫するのが「日常生活」だと思います。

 

世の中の人たちに当てはまる共通点が多ければ多いほど、「マジョリティ」「普通」と呼ばれて、少ないほど「マイノリティ」「異端」扱いされます。

 

片眼で生きる私は、時々、マジョリティとマイノリティのハーフな気分で、どっちの気持ちも分かるなぁと思ってしまいます。

 

例えば、長男を連れているとき、私のそばで、おそらく自閉症かな、と思われる人が急に大きな声を出したりすると、「何かされないかな」と思わず身構えてしまうこともあって。

 

反対に、出先で私の顔や目をじろじろ見たり、白状を持っている人や車いすの人をあからさまに避けたりする「普通」の大人を見て、嫌な気分になることもあったり。

 


社会の中で、心身に障害があったり、一見障害とわからない「発達障害」といわれる子たちやその親が、悩んだり、苦労したり、中傷されたり、そういう事実があるのも知っています。

でも、社会は集合体である以上、マジョリティの意見や快適さが優先されるのも構造上仕方のない事実です。

 

ならば、マイノリティと呼ばれる人たちは、その社会の中でなるべく負担なく日常生活を過ごせるように、物や人の力を借りて補っていくしかないんだと思います。

 

それを当事者以外の人たちも理解して、「普通じゃない」とか「特別」と排除するのではなく、マクスをするように、メガネやコンタクトを付けるように、そういうものだと受け止めてくれる社会になればいいなぁ。

 

 

右目の視力がないと言っても、それで例えば療育手帳や障害者手帳が発行されるわけでもなく、加配の申請が通るかはわかりません。

申請にも面談や面接など時間がかかるようなので、また結果がわかれば報告したいと思います。

 

 

 

●予防接種の再接種

 

 

できるときにやれる手続きを。

発達相談と面談をこなして、その日の午後、予防接種の再接種へ。

 

1歳の頃の陽子線治療中にγ-globulinを輸血した影響で、半年間免疫がつかないのを知らずに接種した生ワクチンは、MR(麻疹風疹)、水痘(1回目)、おたふくの3本。

 

 

区の担当課に同じく事情を説明して、補助が出たりしない?とお願いしてみましたが、

「治療で接種指定時期に打てなかったということなら何とかするが、一度打っているならどうにもできない」と言われました。

 

 

仕方ない。

ということで、注射3本。

驚くなかれ、自費だと総額2万8000円でした。

やれやれ。これ医療費控除の対象になるのかしら。