(2017年12月19日にリアルタイムで書いたものを移動しました)

 

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3、長男の治療経過

これまでの過程はこちら

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前回はこちら

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※2017年8月〜2018年2月までの、左目再発治療の頃の話です
 
 
【現状】
右目は局所治療の末、2017年6月に眼球温存のための陽子線を照射。
後、MRI撮影をしながら7月に経過観察に。11月のMRIでも再発はなし。
左目は局所治療後、2017年2月から経過観察→8月に再発。
9月から動注を再開しています。
 
 
【今回の入院メニュー】

・左眼動注9回目&左硝子体注入3回目&レーザー

 
 
 

●続く不調

 

10月に発熱で治療が延期になった後くらいから期間にして約2ヶ月。風邪ともアレルギーともいえない症状が続いています。 

 

11月の入院後、耳鼻科にも行きましたが、処方薬が合わず。週1回程度は喘鳴も出てきて吸入のためかかりつけの小児科通い。

あげく、休診日や入院直前は「吸入しに来て他の感染症をもらっても」ということで、ネブライザーをお借りしてメプチンとインタールを自宅でモクモク吸わせていました。

 

そんなこんなで呼吸器系に不安を感じつつもなんとか入院。

 

 

 

 

●左眼動注9回目&硝子体注入3回目

 

前回の入院後、このまま動注を続けるか、冷凍凝固に踏み切るか、という選択を提示されましたが、いまいち判断が付かず、この日まで保留のままでした。

 

入院初日の眼底検査の結果、腫瘍の状態に悪化はないが、左の黄斑部に近い再発腫瘍の外側(黄斑とは反対側)にまだ怪しいのがいる、ということ。

 

主治医のS先生も悩んだ結果、「やはり、本来は冷凍凝固をするべき位置ではない」と、

最後のつもりで動注をもう一度やりましょう、ということになりました。

 

 

治療をしている子達の中には、冷凍凝固やアイソトープ(放射線を発する金属板を腫瘍の裏に貼り付ける局所治療)で、腫瘍の根絶→経過観察になる子達もいますが、長男の場合、腫瘍の位置が黄斑に近く、アイソトープは不可能(というか視力と引き換え)。冷凍凝固でも、視力への影響がないとはいいきれない、と言われています。

 

幸い、動注継続の基準となる血管の状態は悪くなく、場合によっては薬の量を加減します。ということで治療方針がきまりました。

 

 

手術はまたもや3番目(午後1時ごろ手術室入り)。

 

事実上、前日夜に絶食になるので、前回と同じく、寝る前に食べさせる作戦にしました。

先月も入院が一緒だった4歳の男の子と消灯時間ぎりぎりまで走り回って遊んでもらい、

18時に夕食を完食したのに、21時前におにぎり1個とブドウをぺろり。

あっという間に寝てくれました。

 

手術まではスムーズで、13時15分にオペ室に入り、終わったのは14時45分。

麻酔の時間などを含めると、かなり早い気がしました。

 

結果は、血管の状態も良く、動注の薬の量も通常量で予定通りできた、とのこと。

全身麻酔に入る際の呼吸は安定していたが、回復の際はやはり痰などの分泌物もあり、予防的にサルタノール(ステロイド系の短期作用のある気管支拡張剤)を使ったようです。

 

前回、右目の端に、気になる部分があるという話があり不安でしたが、全身麻酔でみても変化なし、とのことで、引き続き右目は経過観察に。

 

左目は、腫瘍外側の部分と、播種でぽつぽつ浮いている数個以外は異常はなし。

動注の回数も回数なので、次は硝子体注入とレーザーのみになりました。

 

 

これで落ち着いてくれればいい。

そうでなかった場合は、回数を重ねるリスクを承知で動注を行うか、視力と天秤にかけて冷凍凝固、それもだめなら陽子線、という選択になります。

 

 

長男は右目の視力はほとんどないといわれているため、

「視力を残すことが大事です」と、さらっと言ってくださる先生の気持ちが有り難いです。

 

 

 

 

●副作用と麻痺?

 

これまで、両眼同時も合わせて計10回以上動注をしてきた長男。

副作用と言われている嘔吐をしたこともなければ、目が腫れたこともありませんでした。

 

 

それが今回。

 

 

オペ室から回復室に戻って眠っている段階で、左目のまぶたがかなり腫れているのがわかりました。薬の量が多くなる大きい子などは、「かなり腫れた」「毎回腫れる」といった話も聞いていましたが、長男は初めてのことでした。

 

 

そして、体が大きくなると共に、麻酔の量も増えているためか、この日は病棟に戻ってもほぼ起きず。

辛うじてポカリを飲み、ミカン半分とアンパンマンスティックを口に入れたまま再入眠。結局そのまま尿管カテーテルも結局末梢点滴も抜いてもらいました。

 

 

目が覚めたのは迷惑なことに夜中3時半。

 

 

アンパンマンスティックを在庫3本全て平らげ、ミカンを一個あっさり飲み込み、

足りないと騒ぎ出しました。

仕方がないので許可をもらい病棟外の談話室でおにぎり1個をぺろり。

続けてバナナを1本かじったところで、ようやく飢えはしのげた様子。

 

 

 

ところが、やはり、ぱんぱんにまぶたが腫れて見にくい、というだけではない視力の危うさが気になりました。

 

焦点距離がつかめず空振りをする。顔の前で指を振っても追視しない。眼球の動きも頼りなく、あまり見えてはいない右目の動きに比べると鈍い。嫌な感じでした。

 

内服用のプレドニゾロン(ステロイド系抗炎症薬)と点眼用ベルベゾロン(リンデロン)を処方してもらい、外泊へ。

薬の名前ってどうしてこんなに化け物っぽいのか。

 

 

 

一人で歩けるし、おもちゃも指差す。けれど、外泊して、外で電車や往来の車を見てもどこか焦点があっておらずぼーっとしていて、機嫌も良くありません。

普段勝手に走り回って一瞬でいなくなるのに、やたら足元から離れず、すぐ「抱っこ!」と要求。

本人も見にくいのがストレスなのか、ぐずりもすごくて、昼寝も抱っこじゃないと大泣き。夜も一時間ごとくらいに起きては大泣き。

 

食事も食器をのぞき込んで探したり、遠くに落ちたおもちゃを認識できず立ち尽くしたり。

左目がどれだけ見えているのか、右目の残った視力で見ているのかもいまいち分からない状況です。

 

これまで、こんなに長い間治療しているにもかかわらず、あまり斜視もなく、幸いにも、長男の「見えない」というそぶりを見たことがなかったため、かなりショックな光景でした。

 

 

 

 

月曜日、退院前の術後外来では、会った瞬間、「腫れてるけど、そこまでではないね」と想定内の様子でいたS先生。

 

「見えてないかも」というと驚いた様子で調べてくれましたが、「眼底はきれいで、たとえば血管が詰まって失明しているとかそういう深刻な状況では全くない」とは言ってもらえて、ひとまず、最悪の事態ではないことに安心。

あとは経過を見ていくしかないですね。ということで、様子見になりました。

 

 

過去に動注で目が腫れた、というお子さんのお母さんからの写真がとても参考になったので、一応経過を載せておきます。

 

手術日当日の夜。やや腫れぼったい程度。

1日後。腫れと赤みが増えまぶたはパンパン。
4日後。腫れはやや治まり、視線も多少改善したか、見慣れただけか。

 
 

 

また次の入院前に経過を載せたいと思います。

 

 

 

 

 

●登園拒否

 

と、4文字にしてしまうとばっさり感がでてしまいますが、退院した足で、通っている保育園に寄りました。

 

10月に登園を始めて以降、退院の翌日には登園させていましたが、さすがにこの状態では、と思いながら、主任の先生と担任の先生と看護師さんと面談。

突然にもかかわらず、そろって熱心に状態は聞いてくれました。が、本人の機嫌が悪いのと、他の子どもとぶつかって怪我などしたら、ということで、(かなり遠回しに)登園は控えて欲しい、ということでした。

 

何かあれば責任が取れないという園の事情も分かるし、やはり、そうなるよな、という若干の諦めの気持ちもあります。

麻痺と腫れと視力の回復時期が読めないため、最悪、来月の入院までを覚悟しています。

 

 

さらに面談では、長男の発達が同年代の子どもより幼く感じるという話から、視力による発達遅延の可能性や、場合によっては区と相談して加配を検討するのもありなのでは、という示唆もありました。

 

なんせ3月末生まれなので、1歳児クラスも最大で9ヶ月月齢が上の子もいるのですが、同じ3月生まれの女の子と比べても幼い。との指摘。

正直、その見立てが正しいのか、言われたとおり視力が発達に影響しているのか、そもそも視力関係なしに発達に問題があるのか、私にはまだ判断出来ていません。

 

ただ、(今回の術後の状態は除いて)長男の視力で、これまで生活に不自由そうにしているところを私が感じたことがないこと。

網膜芽細胞種を発症した子の中には、遺伝子欠損を理由にした発達遅延や他の合併症がある子もいますが、長男は私と同じ遺伝子エラーで発症している以上、少なくとも病変を引き起こしている遺伝子を理由にした発達遅延は考えにくい、という事実もあり。

 

いずれにせよ、仮に加配が実現するならば、園にとっても長男にとってもマイナスなことは1つもないはずで、一度、区に相談に行かないとなぁ、と思っています。