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3、長男の治療経過
これまでの過程はこちら
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※2016年3月~5月、生後7日~生後45日目までの全身化学療法(抗がん剤)治療中の話です。
●採血と眼底検査
日付の記録を忘れましたが、この頃、再び個室に移動。免疫抑制(抗がん剤治療による免疫力の低下のため)対策でした。
VEC2クール目から3日後(生後40日目)、点滴が抜けました。
大きな副作用もなく、危なっかしかった首のカテーテルもなんとかトラブルなく済んでほっとしました。
その後、採血と眼底検査&エコー。
しっかり診てもらえるのは入院したての時以来だったのですが、本人が白目で熟睡してしまい(笑)眼底検査はちゃんと診られませんでした。
エコーでは、左右共に、腫瘍は小さくなっている、と言われました。
右は元々2mm程度→1mm、左は3mm→2mmといったところだそうです。
全身化学療法は2クールで終わりにして、次回からはレーザーなどの外科処置で治療をしていくことになりました。
当初は2クールの予定だったのが、途中で場合によっては6クール、という話もあったので、一安心。
副作用の大きい全身抗がん剤をなるべく使いたくないというのもありましたが、
動きが激しくなっていく中で、カテーテル維持の大変さに辟易していた、というのもありました。
1クール目の時のIVRと違い、今回はPI用のカテーテルがあまりに極細で不安定だったため、
沐浴を出来ませんでした。
この日は4日ぶりの沐浴。気持ちよさそうでした。
翌日、小児科の主治医K先生から、採血の結果、白血球(好中球)の数字が下がりはじめたと聞きました。
この時点の数値は100。
生後1カ月半の子どもの平均値が分からず聞いてみると、「平均数千はある」という返答でした。
白血病など、ほかの抗がん剤治療をしている子のお母さんからは「好中球0」という状態を良く聞いていましたが、いわば免疫ほぼなしの状態。
今が一番感染症にかかりやすいんだなと、びくびくしながら過ごしていました。
●免疫回復と人生初風邪。
点滴が抜けると、ベッドから動かせなかった状態から、抱っこして動けるようになります。
病棟内といっても長時間は感染が怖かったため、少しだけ、抱っこひもで廊下を散歩したり、
他の入院中の子のお母さん達と会話したりできました。
入院はちょうど1カ月を過ぎたところ。
この後、長男も延々と(今も)続けていますが、網膜芽細胞種の局所治療は全身麻酔による手術のため、1カ月に1回が適当とされており、多くの局所治療中の子は、約1カ月に1度、数日間の入院をします。
そのため、最初に生後7日目で大部屋に入院した頃に同じ病室で局所治療を行っていた子達が、次の治療のために再入院してきており、思わぬ再会もありました。
国がんや、他の病院で出会った子とそのお母さん達には、治療を続けてきたこの1年8カ月、普通と友人よりも、下手したら家族よりも、遥かに近い存在として力になってもらっています。
それについても、また別の機会にきちんと書きたいと思っています。
VEC終了後6日目(生後44日目)、再び採血。好中球の値は400まで切り返していました。目安として、「500を超えたら退院」と言われましたが、
「通常、底を打って回復してから再度下がることはないからこれで大丈夫」と言われて、退院は2日後には、という話に。
嬉しいことに違いないのに、
突然、「退院」が2文字が現実になってきて、むしろ呆然としました(笑)
ところが翌日、鼻水と咳が出始めて、夕方には突然の大量嘔吐。
新生児の嘔吐は珍しくありませんが、副作用のある抗がん剤治療を(少量ながら)していたにも関わらず、長男は生まれてからほとんど吐くことがありませんでした。
それが、突然数時間前に飲んだミルクをほぼオールリバース。回数は2回ほどでしたが、立て続けだったため、免疫抑制中に何か感染したのでは、と気が気ではありませんでした。
退院の日の朝、検温に来た看護師さんが聴診をするなり、「あー心雑音がしますね」と、一言。
「やっぱりか」と、退院延期を覚悟しましたが、
その後小児科の副主治医の先生が診察をして、
「心雑音はあるが、深刻な症状ではない。嘔吐は繰り返していないようだし、低月齢は胃の逆流弁が甘いので驚くほど吐くこともある。『咳き込み嘔吐』という言葉があるくらいで、咳の反射で吐いてしまった可能性が高く、いわゆる「吐き気があっての嘔吐」とは違うと思う」
と、図を書きながら丁寧に説明してくれました。
退院を延ばしてもいいけど、入院しててもどうせ様子見だし、
症状が長引くなら外来で来てくれれば診る。
いわゆる風邪の症状だから、心配な産んだ産院でも診てくれるよ。
という言葉に背中を押してもらい、退院を決めました。
生後7日目に地元の医療センターを受診してから、約40日間。
ついこの前まで、お腹の中でのんびりしていたのに、この世界に出てきたまだ1カ月と少しなのに。
誰よりもかわいがられて甘やかされて過ごす唯一無二の時期に、点滴や採血で小さな体にたくさん針を刺し、強い薬を使いそのたびに、「治療のため」と言い聞かせながらも胸が痛みました。
でも、病棟ではたくさんの看護師さんや先生達が
長男のために最善を尽くそうとしてくれて、
たくさんの人に抱っこしてもらって、成長を見守ってもらいました。
今でも、毎月入院する度に、
「両手に乗るほど(さすがに誇張)小さかったのにねぇ」とみんなに言われます(笑)
入院の間に、約3キロで生まれた長男は4.5キロになり、起きている時間が長くなり、手足をバタバタと動かしておしゃべりも出来るようになりました。
小さい体でよく頑張ったね。
すやすや幸せそうに寝ている姿を見るだけで、頑張ろうと思えてきます。
絶対守ってあげるから、もう少し、一緒に頑張ろうね。
写真は、退院前夜に撮ったものです。
