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3、長男の治療経過

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※2016年3月~5月、生後7日~生後45日目までの全身化学療法(抗がん剤)治療中の話です。

 

 

●看護師を怒鳴った日

VEC2クール目が、IVRやPIの閉塞で延び延びになって10日弱。

GWの連休明けの早朝、病院に戻った生後37日目に、再度カテーテルを入れる処置を行いました。

 

これまで1年8ヶ月、回数で言えば20回を超える入院をしていますが、看護師さんに向けて怒ったのはこの日だけです。今も、思い出すと腹が立ちます。

 

 

 

 

13時ごろ、VECのためのカテーテルを入れると聞いていたため、その前に授乳とミルクをあげて、満腹の状態で、出来たら眠ってる間に処置ができれば、と時間を合わせていました。

 

すると、12時頃に、カテーテルを入れる前処置として抹消点滴を入れる、と突然看護師さんが長男を連れて行きました。

 

様々な処置の前には、何かあった時にすぐ投薬などの対処ができるよう、腕などに点滴を入れます。

ただ、その説明を受けていなかったため、長男は授乳をしたのみ。当時はまだミルクと混合だったため、これから温めたミルクを飲ませよう、というところでした。

 

当然、病棟内の処置室からは、ミルクをもらえるのを待っていた長男の大泣きの声が聞こえます。

事前にきちんと教えてくれたら、それに合わせて準備をしたのに、と、イライラしながら待ちましたが、いつまで経っても戻ってきません。

   

 

 

結局13時前に別の看護師さんがきて、「点滴を入れるのに時間がかかったので、このままカテーテルを入れる処置に入ります」とだけ伝えにきました。

 

 

お腹空いて、大泣きして疲れてるだろうなぁ、可哀想に、とそわそわしながら再び待つこと1時間弱。

  

 

 

 

長男の大泣きの声が部屋に近づいてきましたが、なかなか入ってきません。

おかしいな、と思って、廊下に出ると、ナースステーションで数人の医師と看護師に囲まれているストレッチャーから泣き声が聞こえていました。

 

駆け寄りたいけど邪魔をしてはいけない、と思い、ストレッチャーの足元の方から少し離れて見守っていると、長男のすぐそばで処置をしているのは、以前、雑な処置をされた看護師(仮にAさんとします)さんでした。

 

嫌な予感がよぎりましたが、だからと言って出来ることもないので、ただそばで見ているしかありません。

 

 

 

 

長男は幼児用の手術着(子供のハンカチのような、薄ーい生地で前開きの大きめのタンクトップのようになっている)を着せられていました。

 

国立がんセンターは本来小児の病院ではなく、新生児用のものはほとんどありません。日課の血圧測定も病棟の血圧計では大きすぎて、当時はきちんと測れない時があるほどでした。

 

当然、子供用の手術着もブカブカ。

形だけ着せられているだけで、ほぼオムツ1枚状態でした。

 

 

 

カテーテルは、前回のように手の甲のPIではなく、VEC1クール目の時のように首に、前とは反対の左首に入っていました。

 

挿入の時は寝ていてくれて麻酔は使わずに済んだ、と聞いて、とりあえず安心したものの、病棟中に響き渡るほどな泣き叫び続けており、なんで部屋に返してくれないんだろうと思っていました。

  

どうやらVEC前の採血をしようとしている様子。首に入れた細いカテーテルから血液を引こうとしていて、それがうまくいかないようでした。

 

看護師の数が多いのは、半分が4月からきた新人さんで、処置をしているAさんについてOJT(というのかわからないけど)中なのがわかりました。

 

 

この時すでに、処置中のAさんを色眼鏡で見まくっている私。

周りにいる新人さんへの態度が、「いいから早くそれ取って!」とか、「邪魔、下がって」とか、かなり横柄な態度で、傍目にもAさんがイライラしているのが分かりました。

 

 

 

 

あまりに時間がかかっていて、主治医の先生が様子を見にきました。そして、何度目か、Aさんが採血しようと注射器を引いた瞬間、カテーテルの刺入部から出血。

 

 

 

 

カテーテルを止めてある透明なテープの下を少しずつ血が広がって、みるみる首元が血まみれになりました。

 

 

 

またか、と、あまりの腹立たしさと悔しさに、廊下の真ん中で涙がこぼれました。 

 

 

 

 

 

処置の間中、長男には心拍と血圧を測るモニターがつけられていたのですが、ずっと泣いているので当然心拍は上がり、基準値を超えると鳴り出すエラー音がずっとなり続けていました。

 

主治医がAさんにやや強い口調で止血を指示した後、Aさんは舌打ちしてその心拍モニターの電源を引き抜きました。

 

単純にうるさくてイライラしたからだと思います。赤ちゃんの心拍は早いので、エラーは割とすぐ鳴るし、刺入部からの出血は派手でしたが、それだけでどうこうなるレベルではなかったんだと思います。

 

 

 

でも私はその行為を絶対忘れないし許せません。

うるさかろうがなんだろうが本来やるべき対応ではない。

 

 

 

Aさんは首元に雑に綿球(止血用のワタ)やガーゼを当てて、首から顔にかけてテープをベタベタ貼りました。

 

他の看護師さんは、月齢が低く、肌が荒れやすいことを知っていて、いつも最小限のテープをなるべく刺激を与えずに貼ってくれていました。

 

 

結局、採血はしなかったのか、後からしたのか、覚えていません。

 

 

血まみれで、裸同然で、素人目にも止血されているのか怪しい適当なガーゼを貼られた長男をAさんが病室に連れてきました。

 

 

ミルクを飲まずに点滴に行ってしまったので、お腹が空いてるんだと思うと伝えると、「じゃあミルクを飲ませて」と、貼られたガーゼから伸びている細いカテーテルを、やはりあちこちに血がついた手術着に貼り付け、部屋を出て行きました。 

 

 

やっと腕の中に帰ってきた長男のことが気がかりだったのと、あまりに腹が立って悔しくて呆然としていたので、一度それを見送りましたが、こんな姿でミルクを飲ませられるか、と思い、ナースコールで、肌着を着せてからミルクを飲ませたい、と伝えました。

 

やってきたのはまたAさん。

今度こそ、と思ってもやはり処置は全て雑でした。

 

 

以前右首に入っていたカテーテルより、今回の左首のカテーテルは細くて長さもかなり短く、簡単に折れ曲がってしまいそうでした。

(後に聞くと、手の甲から入れていたPI用の極細カテーテルを使っていたようです)

 

以前のように耳をぐるっと回して遊びを持たせることもなく、本当に引っ掛けたら簡単にちぎれそうでした。

 

以前はいつも、着せた短肌着に、カテーテルから伸びるラインをテープで留め、その上から長肌着を着せていました。肌にラインが当たるのを防ぎ、かつ、抱っこした時などに引っかからないようにするための最善策でした。

 

それと同じようにしたいと伝えると、Aさんは、本当に何も考えずに、長肌着の上にピッと適当にラインを止めました。

首を反対に向けたら短すぎて引っ張られそうなくらいの長さ。

 

その面倒くさそうな貼り方に、もうほんといい加減にして、と、一瞬で頭に血が上った私。

 

 

出て行こうとするAさんに、「本当にそれで大丈夫だと思ってるんですか、そう思うなら先生か別の看護師さん呼んでください」と、一言。

相当人相悪かったと思います(笑)顔に「お前なんか信用できない」と太字で書いてあったと思う。

 

 

 

これまでラインの維持にどれだけ気を使ってきたか見ているはずなのに。IVRもダメにして(と私は疑ってしまいますが、正確には原因かはわかりません)、また血まみれにさせて、その上でのAさんの粗雑な態度にはらわたが煮えくり返っていました。

 

 

 

だいぶ時間が経っているので、他の看護師さんにきてもらったかは覚えていません。

ただ、その日、そのあとは別の看護師さんが来てくれていたような気も。

 

 

両手両足には点滴を取ろうとして失敗した跡がたくさんありました。最初に処置室に行った時に着ていた服はやはりあちこち血がついて返ってきたので、点滴の際も止血の途中で暴れたりしたんだと思います。

 

 

点滴で大泣きしたのは、授乳の途中で連れていかれて不機嫌だったのもあると思います。

 

病院が忙しいことも、何もかも自分の子供優先ではいられないことも知っていますが、

最低限の負担で済むよう授乳や昼寝の時間を調整すること、リクスを減らすために最適な管理方法を考えることは、そんなに親のわがままでしょうか?

 

医療にたらればはないですが、例えば、ミルクの時間や、テープの貼り方に気を遣ってくれて、一言「寒かったね 」「お腹すいたよね」と声をかけてくれる看護師さんだったら、同じ結果だとしてもここまで許せないとは思わなかったと思います。

 

 

忙しくても温かな対応をしてくれる看護師さんもたくさんたくさん知っています。

Aさんも、普段は気さくで明るい人です。

 

入院中、病気についてや治療について、友人には気軽に話せないし、親族に話して余計な心配をさせるのもためらいます。

その時に、身近で話を聞いて共感してくれたり、一緒に考えてくれるのはいつも看護師さんでした。

 

だからこそ、本当に残念で忘れられない出来事です。

 

 

 

 

 

やっと服を着せてあげられた長男に、悔しくて泣きながら授乳して、お腹いっぱいミルクを飲ませました。

 

 

 

その時は本気で看護師長にクレームをするつもりでした。

ただ、ナースステーションの真ん中で起きたことは周りの医師や看護師も見ていたし、医師にきつい口調でたしなめられていたのも知っています。

そのため、ある程度は状況は伝わっているだろうと思い、次似たようなことをされそうになったら、と決め、その日は伝えるのをやめました。

 

 

実は、それ以降、検温や血圧測定などルーティーン以外で、手術や処置がある時にAさんが担当になったことはありません。

たまたまなのか、揉めたからと認定されているのかは不明です(笑)

 

 

 

 

 

 

●VEC2クール目

その後、やっと15時ごろからVEC開始前の吐き気どめ(グラニセトロン)を点滴。

 直後、また閉塞のエラー音がなり、「またダメか」と絶望しかけましたが、なんとか持ち直し。

 

続いて、VECのV(ビンクリスチン)と、前回は小さすぎてスキップしたE(エトポシド)を初めて点滴投与。

 

その間に一度処置室に連れていかれて、血だらけだったテープの張り替えをしました。

 

17時ごろになって、残りのC(カルボプラチン)も投与。

 

 

翌日、同じく前回は使わなかったEの2日目投与を行って、VEC2クール目は終わりました。

 

 

 

2日目の落ち着いた頃、自ら撮影した首のカテーテルの写真があります。

 

「何か変化があったら気付けるように」という思いで撮ったんだと思います。

別に生々しくはないですが、あまり見て楽しい写真ではないので、見たくない人は自主規制をお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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