前回のブログのつづきです。

 

大感動した満月の夜が明けた翌早朝。

僕たちはご来光を見るために、

再び、豪円山のろし台に立っていました。

 

 

昨日、大山一帯を覆っていた霧は

すっかり晴れて、空は澄み渡っています。

 

やがて山際から、

力強い日の光が差し始めました。
 

 

僕の頬を黄金色に照らす暖かな光は、

見渡す限りの世界に、生命の息吹を吹き込むようで。

 

「やっぱ太陽ってスゲぇなぁ…。」

 

神聖な朝の空気の中で、

ただただ太陽という存在を有り難く思いました。

 

 

と、その時。

モルゲンロートに染まる美しい大山の姿に、

思わず自分の目を疑いました!!

 

「えっ!!!」

 

昨日の日中は濃い霧に覆われていましたし、

霧が晴れていく光景を眺めていたのは

満月の光の下でしたから、

ハッキリと大山を見たのはこの時が初めてです。

 

「や、山が…真っ白…。」(;゚Д゚)

 

昨年より一週間早いだけなのに、

これほどの雪が残っているとは

全くの想定外でした。

(昨年の大山登山の様子はこちら『大山の魅力』です。)

 

聞くところによると、

4月3日にドカ雪が降ったそうで…。

どうりで観光者や登山者がいない訳だ…。

忙しさの余り、情報収集を怠っていました。

 

とは言え、大山を前に滾る想い。

危険と判断したら、

その場で引き返すことを確認し合って、

僕たち3人の大山登山はスタートしました。

 


予めマップで確認して、

夏山登山口を経由しない近道を歩き始めた僕たち。

大山寺付近から谷を下り、

川を渡り、坂を登り、昔のお寺跡を通り過ぎ…。

30分程余計に時間を費やしたでしょうか。

 

ようやく夏山登山道に合流したのですが、

このロスタイムにも、

ちゃんと理由があったことを知るまでに

それほど時間はかかりませんでした。

 

 

自然豊かな大山。

透き通るような鳥たちの囀りも心地良くて。

美味しい空気を胸いっぱいに吸い込むと、

身も心も解けていくようです。

 

 

さて、四合目付近から、

いよいよ登山道に雪が現れ始めました。

 

「マジか〜。」(*゚Θ ゚) 

 

実は社会学者のはちみつ君、

本格的な登山は今回が初めてです。

 

誘った自分には責任がありますから、

挨拶を交わした下山者に

この先の状況を尋ねてみることにしました。

 

 

「5合目から上は、雪がかなり残ってますよ。

自分が登った時間は、雪が締まってたけど、

今はだいぶ緩んでますから、大丈夫です!」

 

お礼を申し上げながら、

「よしっ!」と、

心の中でガッツポーズをしました。

 

そうです、初っ端の遠回りは、

高く登った太陽が凍った残雪を解かして、

安全に登山するための時間稼ぎでした。

 

神様、ありがとうございます!!

 

 

この写真は六合目付近です。

登山道はすっかり雪で覆われていて、

休憩用のベンチもほぼ雪で埋まっていました。

 

「はぁ〜、それにしても素晴らしい景色。」(*´∀`*)

 

近頃、神仏から、

 

… お前、強くなったなぁ。

 

と、仰っていただくことが度々あるのですが、

実際、元々、楽観的だった性格に

ますます拍車がかかっている気がします。

 

明るい未来を信じること。

何があっても大丈夫だと信じ切ること。

それが“今を最大限に生きる”ための

コツなのかもしれません。

 

とは言え、ただ楽観的なだけでなく、

下山者と挨拶を交わす度に足元をチェックして、

アイゼンなしでも登れることを

ちゃんと確認していましたけどね(笑)

 

 

さあ!もう迷いはありません。

尾根伝いに山頂を目指します!!

 

雪の登山道という、ちょっとした試練も、

仲間とともに軽やかに超えていく。

そんな自分を俯瞰する自分もまた、

そのことを思い切り楽しんでいました。

 

 

青と白のコントラストが美しい!!

見上げるその先に、大山山頂が見えてきました。

 

 

「山頂はもうすぐだよ。」

 

案内の文字が無くなってもなお、

登山者にそう伝えてくれるこの標識くんに

毎回、僕はニンマリした気持ちになります。

 

なんだか可愛くないですか?(笑)

 

 

1710.6メートル、

大山の弥山頂上に無事、到着しました!!

 

 

ところで、友人のはちみつ君は、

コンテストで入賞する程の写真の腕前で。

並み居る受賞作品の中で、おそらくただ一人、

iPhoneで撮った写真で入賞するのですから、

心のファインダーが素晴らしいのだと思います。

 

せっかくなので、そんな彼が

こっそり撮ってくれていた写真を

ご紹介したいと思います。

 

大山山頂で僕が手を合わせる先は…。

 

 

その先に続く剣ヶ峰、そして天狗ケ峰。

 

ここから先は滑落の危険があるため、

立入禁止となっています。

ここ、弥山山頂から、

大山の神様に感謝を申し上げました。

 

実は少し前までは、

(寺社仏閣ではないところで)

人前で手を合わせることに

少しだけ抵抗があったのですが、

今はただそれだけで幸せな気持ちになります。

 

…が!!まさか見られていたとは!!(笑)

 

 

山頂に立つと、僕は自由の翼を

大きく広げるような幸福感に包まれます。

 

胸のチャックを閉め忘れて

感動がダダ漏れの僕に代わって、

その瞬間を真空パックするような

素敵な写真を撮ってくれたはちみつ君に感謝です。

 

 

昨年はたくさんの登山者がいて、

子供たちが走り回っていたこの山頂も

雪で覆われていて、今日はこんなに静かです。

 

 

ところで、登山の醍醐味は、

なんと言っても山頂から見渡す景色です。

 

見渡す限りの世界が、このひと時だけ、

自分のものになったような達成感。

 

どんな険しい道のりも、僕は超えていける。

 

柔らかな春の日差しの中で

爽やかな風を身に纏って、世界の果てまでも

飛んで行けそうな気がしました。

 

Mr.Children / Worlds End

 

さあ!雪の斜面は、

むしろ下りの方が緊張します。

 

 

気合を入れ直して、下山開始です!!

 

 

アイゼンなしで雪の急斜面を下るのは、

思ったとおり、至難の技で。

 

それに社会学者のはちみつ君は、

タイのバンコク出身ですから、

あんまり雪に慣れていません。

 

自分が先導して足場を確認しては、

後方からちょびさんがフォローして、

ゆっくりゆっくり、慎重に下山しました。

 

 

登りと同じぐらいの時間を掛けて到着した行者谷は、

大山の神様を感じることのできる

僕のおすすめスポットです。

 

細やかな光がキラキラと輝く音すら聞こえてきそうな

壮大かつ神聖な雰囲気が伝わるでしょうか?

 

雪道の緊張から解放されたこともあって、

しばしのんびりと過ごしました。

 

大幅にコースタイムをオーバーして、

下山後に予定していた大神山神社でのご祈祷は

今回、残念ながら叶いませんでしたが…!!

 

 

太陽に見守られながら、

仲間と登った雪の大山の思い出は、

僕にとってかけがえのない宝物になりました。

 

ちょびさん、はちみつ君、お疲れ様でした!!

 

今年はどんどん山に登って、

“自分”を超えていきたいと思っています。

(。+・`ω・´)

 

大山のブログ、もう1話だけ、つづきます!