40代マッチングアプリ
「こんなんとやれるかよ」から始まった恋

――「誰かに甘えることを覚えたほうがいい」と言われて始めたマッチングアプリで、私は人生で初めて“委ねる”ことを覚えた。



4回目に会う頃には、私はもう、かなりゆたかに惹かれていた。

そして今回は、私の入院前。

しかも退院後のダウンタイム中に誕生日を迎えることもあって、ゆたかが前祝いをしてくれた。

食事。

誕生日プレート。

花束。

プレゼント。

そして、気持ちを言葉にしてくれた。

私は気づけば、

「ゆたかがいい」

と思っていた。

そして、私たちは正式に付き合うことになった。





最初は写真を見て、

「こんなんとやれるかよ😂」

なんて思っていたのに。

今では、

「なんでこの人、毎日こんなに惚れる要素があるの?」

と思っている。

かっこいい。

背が高い。

……まあ、スレンダーで細長いけど😂

でも、それ以上に好きなのは、

私を見てくれるところ。

安心させてくれるところ。

言葉だけじゃなく、行動してくれるところ。

私を喜ばせようとしてくれるところ。

そして、

私が頑張りすぎなくてもいいと思わせてくれるところ。


今、私は入院している。

手術を前にして、不安もある。

そんな私に、ゆたかは言ってくれた。

「きっと
私たちには
明るい未来が待っていると思ってるし
そうしたい」

そして、

「そのことだけを考えて
目の前の手術を乗り越える
それに専念しよう」

最後に、

「頑張るのだよ」

と。

私は

「頑張らなきゃね‼︎
ゆたかと一緒にいる
穏やかで明るい未来が見たい」

と返して、
今、私はその未来を想像している。

一人で頑張る未来じゃない。

誰かに合わせて我慢する未来でもない。

ゆたかと一緒にいる、穏やかで明るい未来。

それが見たい。

そして不思議なことに、私は今でも会った日のことを何度も思い出す。

あの日の会話。

隣を歩いたこと。

笑った顔。

声。

触れたときの感覚。

誕生日の日のこと。

そして、恋人になった瞬間。

頭の中で何度もリピート再生してしまう。

たった数ヶ月前まで、

「一人の時間を楽しもう」

と思っていた私が。

今では、

「この人と一緒にいたい」

と思っている。

人生って、本当に分からない。

そして大人の恋って、

「この人が好き!」と突然落ちるものじゃなくて、
「この人の前なら、私でいても大丈夫」
と思える瞬間が、少しずつ積み重なっていくものなのかもしれない。

「誰かに甘えることを覚えたほうがいい」

あの日、先輩に言われた言葉。

あのときは、何のことかよく分からなかった。

でも今なら、少し分かる。

私は今、少しずつ、

愛されることも、頼ることも、委ねることも、受け取ることも覚えている。

そしてその相手が、ゆたかでよかった。

私たちには、きっと明るい未来が待っている。

今はそれを信じて、目の前の手術を乗り越える。

そしてまた、二人で笑いたい。

40代マッチングアプリ

「こんなんとやれるかよ」から始まった恋


――


「誰かに甘えることを覚えたほうがいい」と言われて始めたマッチングアプリで、私は人生で初めて“委ねる”ことを覚えた。




3回目は、私が東京へ行く予定に、


「ゆたかも一緒に行く?」


と誘った。


ここから、私の中で何かが変わっていった。


私は自分の予定を伝えて、


「ホテルは安いところでいいよ」


と伝えた。


あとは、ゆたかに委ねてみた。


すると彼は、ちゃんといい部屋を取ってくれた。


地元のおいしいものを食べさせてくれた。






傘は?


飲み物は?


写真撮る?


そんな小さな気遣いが、あちこちにある。




なんだか、


お姫様になったみたいだった。




私はただ、ゆたかについていけばいい。




いつも自分が段取りする側だった私には、それがものすごく新鮮だった。




自然と顔が緩んでいたのかもしれない。


友達からも、


「顔の透明感ヤバい!」


「キラキラしてる!」


「なんか優しい顔つきになった」


と言われた。




自分でも分かっていた。


私、今、幸せなんだ。




でも、そんな楽しい時間の前に、


ひとつだけ大きな決断をした。




東京に泊まりに行く前。


あまりにもゆたかが、


「勝負下着買った」


だの、


「会ったらチューする」


だの、


「抱くから!」


だの😂


予告してくるものだから、


「ちゃんと伝えておかなきゃ」


と思った。




私は、若い頃の交通事故で手に障害がある。


両手には皮膚移植の跡があり、身体にもたくさんの手術跡がある。


普段はアームウォーマーをつけて、できるだけ手を隠している。




好きになりかけている人に、それを見せるのは怖かった。




「引かれたらどうしよう」


「萎えたらどうしよう」


そんなことを考えた。




そして、ゆたかに伝えた。




すると彼は、


「それがなに?」


と言った。


そして、


「そんな小さいこと気にしない」


と。




あまりにもあっさりしていた。




私がずっと大きなコンプレックスとして抱えてきたものを、


「そんな小さいこと」


と言ってくれた。






4回目に会ったときも、


皮膚移植をした手を隠すためにつけているアームウォーマーを見て、


「俺の前では取っていいよ」


と言ってくれた。


「何も気を使わなくていいよ」


そんなふうに言ってくれた。




全部見せても、この人なら包み込んでくれる。


そんな気がした。




でも、その日はまだ、私自身の勇気が出なかった。


結局、アームウォーマーを外すことはできなかった。




だけど、ゆたかは焦らせなかった。




「早く見せて」なんて言わない。


私のタイミングを待ってくれる。


そのことが、嬉しかった。




そして私は少しずつ思うようになった。




「この人の前なら、私らしくいてもいいのかもしれない」




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「こんなんとやれるかよ」から始まった恋

――

「誰かに甘えることを覚えたほうがいい」と言われて始めたマッチングアプリで、私は人生で初めて“委ねる”ことを覚えた。



マッチングして、ちょうど1ヶ月。

8月6日。
ゆたかの出張で、初めて会うことになった。

それまでにメッセージもたくさんして、電話もしていた。
いつの間にか、お互い呼び捨て。
画面の中の「ゆたか」は、もう知らない人ではなくなっていた。

でも、会うのは初めて。

私は、
「この人が纏っている空気感を感じに行こう」
と思った。

そして実際に会ってみた。

出張で来ていることもあり、
theサラリーマンって格好のゆたかがいた。

……あれ?
写真よりいいじゃん。



背も高い。
声も落ち着く。
何より、話していてラク。
一緒にいると変に頑張らなくていい。

そして何より、
私のことをちゃんと見ている。

私が何かを話すと、
「でもヒトミってこうなんでしょ?」
「こうしたいんでしょ?」
と、言葉の奥まで拾ってくる。

「なんか、この人……私のこと見てるな」
そう感じた。

でも
「めっちゃ見てるじゃん!怖っ‼︎」
なんて照れ隠しで言っちゃったけど、
「怖いはひどいよぉ〜笑」
とすかさずライトに拾ってくれる。

その会話のテンポが心地いいと感じた。


2回目のデートは、突然の名古屋出張。
夕方に合流して、麻辣担チャレンジからの居酒屋へ。

そして初めて、
私の車の助手席にゆたかを乗せた。

たったそれだけなのに、
なんだか一気に距離が縮まった気がした。

恋って、こういう小さな出来事の積み重ねなのかもしれない。

「また会いたい」
が、少しずつ、
「もっとこの人を知りたい」
に変わっていった。