40代マッチングアプリ
「こんなんとやれるかよ」から始まった恋
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「誰かに甘えることを覚えたほうがいい」と言われて始めたマッチングアプリで、私は人生で初めて“委ねる”ことを覚えた。
3回目は、私が東京へ行く予定に、
「ゆたかも一緒に行く?」
と誘った。
ここから、私の中で何かが変わっていった。
私は自分の予定を伝えて、
「ホテルは安いところでいいよ」
と伝えた。
あとは、ゆたかに委ねてみた。
すると彼は、ちゃんといい部屋を取ってくれた。
地元のおいしいものを食べさせてくれた。
傘は?
飲み物は?
写真撮る?
そんな小さな気遣いが、あちこちにある。
なんだか、
お姫様になったみたいだった。
私はただ、ゆたかについていけばいい。
いつも自分が段取りする側だった私には、それがものすごく新鮮だった。
自然と顔が緩んでいたのかもしれない。
友達からも、
「顔の透明感ヤバい!」
「キラキラしてる!」
「なんか優しい顔つきになった」
と言われた。
自分でも分かっていた。
私、今、幸せなんだ。
でも、そんな楽しい時間の前に、
ひとつだけ大きな決断をした。
東京に泊まりに行く前。
あまりにもゆたかが、
「勝負下着買った」
だの、
「会ったらチューする」
だの、
「抱くから!」
だの😂
予告してくるものだから、
「ちゃんと伝えておかなきゃ」
と思った。
私は、若い頃の交通事故で手に障害がある。
両手には皮膚移植の跡があり、身体にもたくさんの手術跡がある。
普段はアームウォーマーをつけて、できるだけ手を隠している。
好きになりかけている人に、それを見せるのは怖かった。
「引かれたらどうしよう」
「萎えたらどうしよう」
そんなことを考えた。
そして、ゆたかに伝えた。
すると彼は、
「それがなに?」
と言った。
そして、
「そんな小さいこと気にしない」
と。
あまりにもあっさりしていた。
私がずっと大きなコンプレックスとして抱えてきたものを、
「そんな小さいこと」
と言ってくれた。
4回目に会ったときも、
皮膚移植をした手を隠すためにつけているアームウォーマーを見て、
「俺の前では取っていいよ」
と言ってくれた。
「何も気を使わなくていいよ」
そんなふうに言ってくれた。
全部見せても、この人なら包み込んでくれる。
そんな気がした。
でも、その日はまだ、私自身の勇気が出なかった。
結局、アームウォーマーを外すことはできなかった。
だけど、ゆたかは焦らせなかった。
「早く見せて」なんて言わない。
私のタイミングを待ってくれる。
そのことが、嬉しかった。
そして私は少しずつ思うようになった。
「この人の前なら、私らしくいてもいいのかもしれない」

