あっちこっち…より道したっていいじゃない -8ページ目

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・

 

今、ワタシがハマっている「陰ヨガ」

筋肉を使って身体を動かすいつもの「陽」のヨガとは違って、これは筋肉を休めて代わりに靭帯や腱や筋膜を鍛えるというヨガ。まあ、なかなか想像しにくいとは思うけれど、ひとつのポーズ5~7分ホールドしたままなので、それなりに痛いしじわじわキツい。

太極図 陰陽…これはご存知のとおり、ありとあらゆる全ての事物に於いて、それをさまざまな観点から「陰」と「陽」の2つのカテゴリに分類する中国の思想。「陰」と「陽」はお互いに対立しているようであるけれど、一方がなければもう一方も存在しないし、「陰」のなかにも「陽」の要素はあり、また「陽」のなかにも「陰」の要素が存在する…どちらかが優れているとか、劣っているということではなくて…要は、2つの調和で初めて1つが生まれるということ。

 

 

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ワタシたちが、いつも観ている映画には主役という「陽」がいる。

亀岡拓次は万年脇役、言わば「陰」の俳優である。見たことあるけど誰だっけ、的な亀岡さん。

ホームレスだろうが泥棒だろうが、どんな端役だって引き受けるし、どこへだって飛んで行く。37歳独身彼女なし。恋には奥手でとことん不器用。お酒が大好きで、飲み屋と撮影現場を行き来するだけのちょっと寂しい毎日だけど…ある日、とうとう恋の女神が舞い降りる。

 

 

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大輪の花なんて、咲かせられなくたっていい。大きな目標がなくたって、熱血じゃなくたっていい。ちょっとくらい不器用だって、ちょっとくらいカッコ悪くたっていいじゃない。脇役だけど皆から信頼されて、毎晩お酒を美味しく飲めて、それでもって一生懸命に生きるってスバラシイことなんだから…。

脇役かもしれないけれど、彼がいなければ完成しない作品。そこには彼なりの作品への愛があふれていて、それは皆の記憶(の片すみ)に残る…だからお前さんも今やらなきゃいけない事をしっかり頑張ればいいんだよ、と背中をぽんっと押してくれるような、そんな映画。

 

 

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全裸の亀岡さんが木の上から落ちてくるシーンがあるという「ネコゾンビ」や、どんぐりを集めて金儲けをしようとする夫婦を描いた「どんぐりマンチョ」やら…ちょっぴり不思議な映画が劇中にいくつも登場する。一体どんなものかと、気になるところ(笑)

現場入りしたのに撮影が押して出番が翌日に延期になったり…「最近は泥棒の役が増えたなあ」なんてつぶやいてたり…きっと本当の現場でもよくある事なのかもしれないな。

 

 

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撮影されているシーンを観ているのかと思っていたらそうではなかったり、配役が入れ替わっていたり、亀岡さんの妄想があったり…と、ところどころに散りばめられているカラクリがおもしろい。横浜聡子監督は初めてだったのだけれども、ワタシは好きかもしれないな。

 

 

カメ

 

 

年度末はどうしても仕事が忙しい…勤務時間は変わらなくとも、内容がふだんと比べて一段と濃くなるので疲れは倍増。それでもなんとか乗りこえなければいけないので、今日は癒しの佐賀シエマに行ってきた。初めてシエマに行ったのは、ちょうど昨年の3月で…やっぱりワタシ、お疲れだった(笑)

電車にゆられるのが心地良くてうたた寝寝る 佐賀駅に着くと空はいつの間にか晴れていて、薄手のコートでも暑かったな。今日は、いつもと違う道を歩いてみた。気になるカフェを2件も見つけた。次は、本でも持ってゆっくりと。

 

 

 

 

今週末は、タランティーノ!!

 

 

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バイオレンス映画はあんまり…と言いつつタランティーノは大好き。彼はこの間観た映画にサプライズ出演していて、おお~!ってなったばかりだったので楽しみにしていた新作の公開。

西部劇? でもミステリー? で、バイオレンス?? そして密室ハート

たっぷり怒涛の密室会話劇+流血+血しぶきが楽しめそう~

 

 

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激しい吹雪のなか、目的地にたどり着けずミニーのロッジに集まったワケありの人々。

 

 北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス

 女囚人のデイジー

 彼女を護送してる賞金稼ぎのジョン

 自称、保安官のクリス

 この4人を乗せた駅馬車の御者の O.B.

 

しかし、ロッジにミニーはいなかった。 代わりに

 店番でメキシコ人のボブ

 絞首刑執行人のオズワルド

 カウボーイのジョー

 南部の元将軍のサンディ

4人が暖炉を囲んで先にくつろいでいる。

 

 

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偶然あつまった人々…この時点でもう、ロッジにいるのは8人じゃないわぁ

萩尾望都の「11人いる!」みたいに、乗組員10人のはずの宇宙船に11人乗ってた、的なのかな? あるいは「そして誰もいなくなった」みたいに、1人また1人と死んでいく密室ミステリーなのかな? いろいろ想像は止まらない。

 

 

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いったい、彼らを待ちうけているのはどんな一夜なんだろ…わくわくキャー

暖かいシチューを食べながらの団らんのひと時もつかの間のこと。ワタシが想像していたような話ではない事がすぐ分かる。。。

 

この人たちが集まったのは、偶然のようで実はそうじゃない。

確実に、なにかを隠している人がいて、詮索する人がいて、黒幕がいて…お互いがお互いの腹のなかを探りつつ、やがて始まる殺し合い。かなり、派手に、飛び散る。

 

わおわぁ

 

 

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南北戦争が終わった後のワイオミング。歴史の知識は全くないのだけれど…「若草物語」とか「風と共に去りぬ」とか、この時代のアメリカを描いた名作は沢山あって…これも、かなり異色ではあるけれど仲間に入れてあげようと思う(笑)

 

 

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この映画、脚本が流出してしまったせいで、一時は製作を中止するという事態にまでなったんだとか…無事に公開してくれてほんとに良かった良かった。

「パルプ・フィクション」を観たときから素人ながらに感じていたことだけれども、タランティーノ作品は映画を構成するセンスの良さ光っていて、本作もまたそう。映画の中盤ですでにクライマックス級のシーンが出てきてしまうというのに、「実はこの時、裏ではこんな事が起こってました」というのが上手く取り入れられているので、奥歯に挟まったものがスッと取れるような快感が味わえるのと、とにかく皆がよくしゃべって痛快なのがイイ。また、小物へのこだわりも健在で、今回は特にタランティーノ・ブランドのタバコがいっぱい登場する。

 

 

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Twitterで見かけたフェイクポスターがカッコいい。

邦題も「裏切りの八悪人」だなんて、こっちの方が良くないかなあ?

 

 

午前10時の映画祭で小津安二郎の「秋刀魚の味」を観たあとのタランティーノ。

対局にあるような2作なのに、不思議とケンカはしないものだ(笑)

 

 

 

 

 

 

リドリー・スコット克服!

 

最近は、実話に基づいた話の映画化が多いものだから、ふと、これも実話なのだと錯覚してしまっていた…いや、でも確か人類はまだ、火星には行けてない、はず。

 

 

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リドリー・スコットでSFで…これはワタシが観る映画じゃないかな、と思って壁を作っていたけど、それをぶち破ってみて正解。おもしろかったキャー

 

ワトニーが、スーパーポジティブな人で良かった。

ワトニーが、植物学者で良かった。

船長の、音楽の趣味がサイアクで良かった。

みんなが、ひとりのために。ひとりが、みんなのために…

強い信頼関係にあって、ユーモアのあるクルーで良かった。

 

 

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仕事でお世話になった大先輩が、昨年退職したときに贈ってくれた、渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を思い出した。

 

「置かれたところこそが、今あなたのいるべき場所なのです」

 

数字で見るデータだけでは、到底、生きていくことは不可能である火星の現実。

外気温-50℃で最大風速400km/h。水なし、酸素なし、通信手段なし。残された食料は30日分。

ここで咲け、と言われても…あきらめてしまう方が、きっとラクだったのではないだろうか。

 

 

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「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いていてください」 

 

火星にいるワトニーに、与えられたのは時間、だけ。まさに、その使い方が大切だった。

 

「こんなはずじゃなかった、と思うことが次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で「咲く」努力をしてほしいのです。」

 

そうでしょうとも!ワトニーだって今ごろはクルーとともに地球に向かっているはずだった。

ここで咲け、というなら咲いてやる!

その根性に、ココロを打たれた。尽きるなら、やれるところまでやり尽くしてから尽きるべきなのだ。しっかりと根を張って、そこで咲く努力をするべきなのだ。

ワタシだってそうだけど…だいたい人は、簡単に物事をあきらめすぎるのだ。喝っ!!

 

ワトニーを見よ、ジャガイモを見よ…絶望とも言えるような状況にあっても、ちゃんと生きている。

 

 

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本当にいつか、人が火星で暮らす日が、来るのかもしれない。

 

 

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矢印この人たちは、火星で元気にやっているのかなあw

 

 

遠く離れたところから、ワトニーがくれたメッセージ。

ワタシたちも、ワタシたちが置かれた場所で、大いに花を咲かせていこう…

 

 

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リドリー・スコットが好きじゃないなんて、もう言わないことにする 矢印「プロメテウス」のせい(笑)

 花リドリー・スコット克服作戦①

 花リドリー・スコット克服作戦②

 

「オデッセイ」だって、こんなに素晴らしかったんだから、もう大丈夫。

 

 

 

 

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一家がそろえばドタバタ騒動が巻き起こる「グリフィン家のウエディングノート」っぽいのかな、と思って気になっていたやつ。こちらもダイアン・キートンとアマンダ・セイフライド。

ワタシは、いつも幸せそうなダイアンの笑顔が大好きで、彼女はとってもステキな歳のかさね方をしているなあと、出演作を観るたびに思う。

 

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「クーパー家の晩餐会」…この映画、すでにチェックされてる方も多いはず。

ジョン・グッドマンにアラン・アーキンにマリサ・トメイにオリヴィア・ワイルドに…豪華な顔ぶれで、これだけ、いろんな人が集まるのだから、おもしろくない訳がない、のである。

公開は2/19…ためしに応募してみたオンライン試写会ってのに見事、当選!

ワタシ、ひと足お先に、クーパー家にお邪魔してきちゃったハート

 

なんで公開が12月じゃなかったんだろ。

もうね。

ほっこりしててキラキラでくすくすでドキドキで、大好きなクリスマス映画がまたひとつ仲間入りクリスマスツリー星

 

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クリスマスの夜に、4世代11人のクーパー家の人々が集まった。

幸せな休日。みんなの笑顔。はずむ会話。豪華な食卓。まるで、家族の幸福を1枚の絵に描いたよう…(?

しかし! あの人もこの人も…笑顔の下には秘密を隠し持っている。

 

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約束の17時。クリスマス・ディナーに集まるみんなの手土産は、それぞれの秘密と嘘。

 

この日を最後に離婚を決めているサムとシャーロット夫婦。空港で会ったばかりの男に恋人役を演じてもらう娘のエレノア。失業を隠している息子のハンク。万引きして逮捕されちゃうシャーロットの妹。更にはお気に入りのウェイトレスのことで頭がいっぱいのサムのパパ。

そんなクーパー家のみんなを見守っているのは、わんこのラグスsei

せっかくのクリスマス。楽しく過ごしたいし、家族には心配かけたくないし不安にもさせたくないし…と、みんながちょっとずつ気を使っているけれど、ひょんなことから、ひとつ嘘がバレて…次から次へと、さあ大変。

どうなる?クーパー家の聖なる一夜! ほんとに、これで最後のクリスマスになっちゃうのかな…

 

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クリスマスの夜の、ほっこり群像コメディ。

ちょっとくらいダメなところがあったっていいじゃない。不器用だっていいじゃない。誰もがまた笑顔になれる…クリスマスの夜は、いくつもの小さな奇跡が起こるから星

バラバラになっても、またひとつになれるのが、家族。

日本人は、こんな風にクリスマスのお祝いをしないけれど、大切な人を想う気持ちは誰もおなじ。迷いや不安を分かってもらいたいと願う気持ちも、本当に幸せだった日々を思い出してそれを取り戻そうとする気持ちも、おなじ。

 

「素晴らしき哉、人生!」のワンシーンもちょこっと登場する。これも、クリスマスの定番。

カラフルなクリスマスのお菓子やツリーのデコレーション、サンタに雪だるまにヤドリギに音楽に…何もかもが可愛らしくて、ますますクリスマスに観たい1本キャー

 

 

 

 

 

 

 

 

祝日前で、しかも水曜日で…「オデッセイ」のレイトショーに行くにはもってこいだったというのに、昨晩は、なんとなく家にいることにした。

もったいなかったかなあ…

ところが、Amazonで配信中の「インサイド・マン」がちょっぴり気になってて、観てみたら…なんとまあ、これがおもしろくって驚いた!こうゆう当たりくじは嬉しいものだ。

 

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華麗なる、銀行強盗のお話…

「黄金の七人」チックに、業者を装ったグループが真昼間のマンハッタン信託銀行に潜入。従業員もお客さんも皆、人質にとられてしまう。

人質は、犯人たちと同じつなぎの服に着替えさせられ、マスクで顔を覆わされる。シンプルかつ斬新な、目くらましの術。人質と犯人との区別がつかなければ警察だってむやみに身動きがとれない。犯人は、誰も傷つけないし殺さないし、お金も盗まない。警察は交渉して時間を稼いでいるつもりでも、実は逆に犯人に時間稼がせてたり。

 

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犯人たちの、動機は? 目的は? 真実は? 

いろんなトコに、ヒントは散りばめられているのだけれど、きっともう1回観ないと全部はちゃんと拾えない。

人質の解放に紛れて犯人たちも逃走するなんてスマートだ。警察にしてみれば容疑者が何10人もいるようなもので、片っぱしから事情聴取するしかない。マスクの下から現れたアラブ人を、いきなり犯人と決めつける一幕があって、なるほどスパイク・リーはこんな風に、さり気なく人種差別的なテーマを盛り込んでくるのかと感心した。

 

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犯人グループは、誰も傷つけていないし殺していないし、お金も盗んでいない。

人質が解放されて、無事に'おもて向き'の事件は、解決したことになるけれど…大切なのはこの先、だ。

 

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犯人の、身の引き方もまたスマート。あとの真相の解明は、警察に託される。

 

 

ワタシにとっては久しぶりのジョディ・フォスター。彼女がもっともっと悪賢くて、悪徳な弁護士だったら良かったのになあ、と思ったけれど…歳をとっていても相変わらずキレイだった。

 

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この映画は、もう1回じっくり観てみなきゃいけない。

だって「あとは自分で考えてね」と、宿題を出されているような気分になるから(笑)

 

 

 



酒好きで女好き。ドラッグ少々、賭博も少々。自由奔放に生きているカウボーイのロン。彼は痩せていて、しょっちゅう咳き込んでいる。額にできた傷はなかなか治らない…。
ある日、とうとう倒れてしまった彼に告げられたのはHIV陽性、余命30日であるということ。


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今から30年も前となると、エイズはまだまだ偏見や誤解ばかりの未知なる病気で、当の本人だって「俺はゲイじゃないのに!」と、到底、受け入れることができない訳である。
残りの人生がたったの30日と言われたら、人はそこから何ができるんだろう。。。


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ロンには落ち込んでいる時間なんてない。HIV感染に関して、まずは己の敵を知るため猛勉強を始める。アメリカではまだ認可されていないけれど、エイズの進行を遅らせる薬の存在が分かり、綿密な計画を練り思い切った行動にでる。迷っているヒマは、ない。
生きるためなら、病院の職員を買収したり、嘘をついて税関を突破することだって、ある。

余命30日の壁は打破できたとしても、病気が治った訳ではない。「死」がちょっと先延ばしになっただけ。
残された時間のなかで、製薬会社と癒着している病院とか政府とか、戦わなければいけない相手は沢山いる訳で…法の目をくぐり抜けながら、ロンは自分自身のため、友人のため、そして同じ病に苦しむ人たちのために、持てる力の全てを注ぐ。


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病人を演じるにあたり、マコノヒーの激ヤセはかなり話題になっていた。彼はもちろん素晴らしかったのだけれど、その友人のレイヨンを演じたジャレッド・レトにワタシはココロを奪われてしまった。ただ女装が美しかったというだけではなく、愛に生きた彼の姿に涙が出てしまったのだ。病気であるということ以上にも、長い間きっと辛い想いをしてきたであろうレイヨン。その繊細なココロの内を本当によく演じていたと思う。


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偏見と、思い込みと、根も葉もない噂と…それらがどれだけ無実の人を傷つけて、更には自分の可能性をも狭めているのか。エイズに限らず、もっともっと身近なところでも同じことは言える訳で…。 


よつば


ロンは、余命30日と告げられてから、7年も生きることができた。今でこそ、当時に比べればHIV感染への理解は深まったと言えるだろうけれど、まだまだ課題は山積みなのだろうと思う。







背中に何かを感じて、ふり返るとジッとワタシを見ている人がいる…こんな時って、その相手が知ってる人であってもドキッとするものなのに、知らない人だったのなら、なお更、だ。見られているだけならまだしも…もし「それ」が、ずっとつきまとってきたら?


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タランティーノが称賛してると言うし、なんとなく気になっていて…「ザ・ウォーク」と迷って、こっちに決めた
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低予算で撮られたにも関わらず、こんなに話題になってるってコトは…これはきっと、怖オモシロイに違いない。ワタシのように、たま~に「怖いの観たい」波がやってくるような初心者にも優しいホラー。ツウの目から観たら、いろいろ物申したくなるのかもしれないけどね…「キャビン」みたいに(笑)


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イイ感じになった彼と、愛を深めて満ち足りた気分になっているジェイに、彼がとんでもない事を告白する。
「ボクは君に、それ、を移したかっただけなんだ」…まるで、君を愛してる訳じゃないんだよと言わんばかりのゲスな告白! なんてヤツだ(笑)

えっ。もしかして、病気とか?
「それ」ってなに??

ジェイが誰かにその呪いを移さなければ「それ」は死ぬまでずっとついてくるという。
これでは、子供のころに流行った不幸の手紙や「リング」と同じ展開だ…


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ぞっとするような話である。
「それ」は、その人にしか見えない…
「それ」は、いろんな人の姿をしている…老婆だったり、子供だったり、友人だったり、家族だったり
「それ」は、決して走らない…
「それ」に、追いつかれたら死ぬ…


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閑散とした街と、いつの話なのか分からない時代設定、そして「それ」なのか普通の人なのかの区別がつかない不安…いろんな要素が、ワタシの中のぞわぞわを増長させる。
ホラーとは言え血まみれではなく、ジェイを助けようと奮闘する妹や友人たち、男気のある元彼との友情の物語が、初心者にも優しいと思えるところなのかもしれない。元彼は、昔のジョニー・デップをちょっとふっくらさせたような子で、頼もしかった。


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映像がなんとも美しく…静~かに、じわじわと染み込んでくるように、怖い。
 ジェイも早く、ほかの誰かと関係をもってその呪いを移してしまえば良いのだろうけれど、誰を選ぶのか…歳ごろの女の子には辛い選択である。なんとか解決策がないものなのか、奔走するしかないのである。


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「それ」の姿はもしかするとジェイのココロの表れなのかもしれないし、日常のどこにでもひそんでいる恐怖の形なのかもしれない。誰の身にも、起こりうる…だからこそ恐ろしい。
「それ」は、いったい何だったのか
「それ」は、今、誰を追いかけているのか
謎は、解けないまま。


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そういえば…
ジェイと、彼女に呪いを移した彼がデートで観ようとしていた映画は「シャレード」だった。
とんでもないヤツだったけど、映画のチョイスはなかなか良い
よつば







これは何年か前の本屋大賞で賞をとったかノミネートされたかで話題だった1冊…ステキなタイトルと中村佑介さんのカバーイラストが印象的。どんな話かまったく知らないままKindleのセールで買っていたのを、ようやく今になって読んでいるのだけれど…これがまあ!!おもしろいのなんのって、久しぶりに夢中になってページをめくっている(と言っても読むのは遅いけどw)

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古風な口調で語りかけてくる文体で、舞台はおそらく現代の京都…なのだけれども、どちらかと言うとレトロで昭和な感じがただよっている。文章を目で追いながら、その情景を思い描くのだけど、アタマに浮かぶその絵は時として「なんだこれ?」と突拍子もない奇抜な絵であったりするので、ワタシはどこかで何かを間違って全く別のものを想像しているのかも…と思いつつ、ぐいぐいこの世界に惹き込まれてすっかりハマってしまう。

黒髪の乙女と、彼女に想いをよせる大学の先輩が交互に語る。
追いかけたりすれ違ったり、2人が交わることはなかなかない。奇想天外なあれこれが連発する恋愛ファンタジーで、2人の間に登場する不思議な人たちが夜の飲み屋であったり、夏の古本市であったり、学園祭で、次から次へと騒動を巻き起こす。
もう可笑しくってヘンテコで思いがけないことばっかりで、ワタシ、今更ながら初体験した森見登美彦ワールドにすっかり陶酔している。

その第2章「深海魚たち」というのが今回紹介したかった古本市での1日のお話。
乙女を追って古本市にやって来た先輩に、とある少年がつきまとって離れない。ただの子供と思いきや、彼は自分のことを「古本市の神様」だと名のり、先輩になんだかとっても凄いことを言うのだ…。

【最初にあんたはシャーロック・ホームズ全集を見つけた。著者のコナン・ドイルはSFと言うべき「失われた世界」を書いたが、それはフランスの作家ジュール・ヴェルヌの影響を受けたからだ。そのヴェルヌが「アドリア海の復讐」を書いたのは、アレクサンドル・デュマを尊敬していたからだ。そしてデュマの「モンテ・クリスト伯」を日本で翻案したのが「萬朝報」を主宰した黒岩涙香。彼は「明治バベルの塔」という小説に作中人物として登場する。その創設の作者山田風太郎が「戦中派闇市日記」の中で、ただ一言“愚作”と述べて斬って捨てた小説が「鬼火」という小説で、それを書いたのが横溝正史。彼は若き日「新青年」という雑誌の編集長だったが、彼と腕を組んで「新青年」の編集にたずさわった編集者が「アンドロギュノスの裔」の渡辺温。彼は仕事で訪れた先で、乗っていた自動車が列車と衝突して死を遂げる。その死を「春寒」という文章を書いて追悼したのが、渡辺から原稿を依頼されていた谷崎潤一郎。その谷崎を雑誌上で批判して、文学上の論争を展開したのが芥川龍之介だが、芥川は論争の数ヶ月後に自殺を遂げる。その自殺前後の様子を踏まえて書かれたのが、内田百閒の「山高帽子」で、そういった百閒の文章を賞賛したのが三島由紀夫。三島が22歳の時に会って“僕はあなたが嫌いだ”と面と向かって言ってのけた相手が太宰治。太宰は自殺する1年前、一人の男のために追悼文を書き“君はよくやった”と述べた。太宰にそう言われた男は結核で死んだ織田作之助だ。そら、彼の全集をあそこで読んでいる人がある】

ほんとだ! 先輩が古本市で手に取ってきた数々の本の先には、織田作之助の全集を読んでいる乙女がいる。神様の言うとおり、すべての本は、つながっているのだ。


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これが本当なのかどうかは知らないけれど、いろんな事がつながってるって、おもしろい。

ある夜…三日月がキレイ、とTwitterでつぶやいたら「ペーパームーン」のポスターを思い出しますね、とリプライされて早速オニール親子が三日月のはじっこにちょこんと座っているそのポスターを見てみたら、一瞬でワタシはこの映画を大好きになると直感した。思ったとおり、それは大好きな映画の仲間入り。そのボグダノヴィッチ監督が13年ぶりに撮ったという「マイ・ファニー・レディ」でワタシの2016年は幕を明けた。これまたほっこり楽しい映画で、製作にはワタシが崇拝するウェス・アンダーソンの名前も。そこで「グランド・ブダペスト・ホテル」を、買ったばかりのDVDでもう1回観た。その時に、一緒に買っていたのが「LIFE!」のDVDで、ようやく観れると喜んでいたらそこには「マイ・ファニー・レディ」で観たばかりのキャスリン・ハーンがいた。そして先日David Bowieが亡くなって、少なからずショックを受けていたところに「スペース・オディティ」が重なった。。。

これは、最近のワタシの「つながりってる」お話(笑)

スマイル

この週末は、福岡でも珍しく雪。今宵はまた、森見ワールドに遊びに行くこととしよう。
続けて「四畳半神話大系」が待っているので、こちらも楽しみ。
ではでは皆さんも、風邪をひいたり雪ですべって転んだりしませんよう。。。




公開時、気になったまま観れずにいる映画というのは多々あるけれど…観るべき作品というのは、ちゃんと然るべきタイミングでまたワタシの前にやってくる。
「LIFE!」もそのひとつ。


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変わりばえのない日々を送っている冴えないウォルター。そんな彼の唯一の趣味は、現実から逃避して突飛な空想にふけること・・・妄想バンザイ、現実逃避するのが大好きなワタシにはもってこい、の1本だ。お正月セールDVD10本のうちのひとつでデヴィッド・ボウイが亡くなった今…ようやくワタシにも「その時」がやってきた。
遊びゴコロ満載の映像と、ころころ巻物を広げるように流れる風景。少しずつ自信をつけて前向きになっていくウォルターの姿と、それに重なる「スペース・オディティ」
自分を囲んでいる壁は知らず知らずのうちに高くなっていて、いつの間にか身動きがとれなくなっている。その壁を壊すことができるのは、それを作った自分だけ。1歩踏みだす勇気って大切。壁の向こうにだって、きっと素晴らしい世界があるはずなのだから。


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世界を見よう
危険でも立ち向かおう
壁の裏側をのぞこう
もっと近づこう
お互いを知ろう
そして感じよう
それが人生の目的だから

LIFE誌のスローガンでもあるこのメッセージが映画全編に散りばめられて、それは平凡な毎日を送っているワタシへ語りかけているかのようでもある。

廃刊に追い込まれたLIFE誌ラストの表紙を飾る写真をめぐって、ウォルターの冒険が始まる。
これまで空想の中でしか生き生きとしていられなかった彼も、いつしか空想を超えた現実の世界を肌で感じるようになる。彼が踏みだした1歩は大きい。
実際のLIFE誌は、2007年で廃刊となって、現在はウェブ上で続いているという。新しいスタイルへと、時代が移り変わっていくのもまた、新たな1歩。


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歴代のLIFE誌のカバーポスターが劇中でふんだんに使われていて楽しめる。
中でもやっぱりマリリン・モンローのが嬉しかったかな。
大冒険の末にようやく手に入れた表紙の写真は、ステキだったな。
マジメで正直なウォルター。上司にはからかわれてばかりで言いたい事もはっきり言えないけれど、実はLIFEを支えていたのは彼のような縁の下の力持ち。脚光をあびることは、なかったかもしれないけれど…ちゃんと見守ってくれている人はいる。自信を持って前に進もうとするウォルターはキラキラしていてカッコいい。たくさんの人と出逢って、これから大きな花を咲かせていくんだろな。


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おばあちゃんになっても可愛いシャーリー・マクレーン。
こないだ観たばかりの「マイ・ファニー・レディ」のキャスリン・ハーン。
そしてワイルドなショーン・ペン…ウォルターを支えていた人たちもみんな、ステキだったな。








なんとなくお家でコーエン兄弟が続いてる。年末に「モネ・ゲーム」を観て、おもしろかったからかな。
といっても、あれは脚本だけだったけれど。


ファーゴ

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公開当時に観たときには、シリアスなサスペンス映画だと思っていたのに、久しぶりに観たらブラックコメディになっていた! えっ、これって実話??…ないない(笑)
見知らぬ男たちに妻を誘拐させて、金持ちの義父に払ってもらう身代金で自分の借金をチャラにしよう…だなんて、しょうもない狂言誘拐を企てるダメ夫。
物ごと、そんなに上手くはいかないんだってば…ね。


犯人の手がかりを追う警官。
「その男の容貌は?」
「へんな顔…全体的に、へんな顔の男だった」 ひどいなあ…笑
汗
へんな顔でもいい、ワタシはスティーヴ・ブシェミ大好き。


シリアスマン

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他人の不幸は蜜の味?…いやいや、不幸はワタシにだっていつか降りかかってくるかもしれないので大きな声では笑えないけど、あ~おもしろかった
キャー
ラリーはただ平凡な生活をしたいだけなのに、次から次へと尽きないトラブル。ユダヤ人社会のことはよく分からなくても、思わずツッコミたくなるラビのアドバイス。
ラリーもいつかは救われる。。。のかなあ??


トゥルー・グリット

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コメディ路線からは外れて、コーエン兄弟のマジメな西部劇。ジョン・ウェインの「勇気ある追跡」のリメイクだと言うけれど、観ていないので残念ながら比較はできず。
殺された父の仇をとろうと、勇敢にも少女マティは悪党に立ち向かう。まっすぐな彼女の眼差しがココロに残る。
テテキサス・レンジャーがカッコいい。まさか、これがマット・デイモン(実はあんまり好きな顔ではないww)だとは思わなかった!ヒゲでこんなに変身するなんて
テレパンダ
ジェフ・ブリッジスだって、ただの飲んだくれ保安官なんかじゃない。そのギャップがまた良いのかな…ほんと西部のオトコって感じだった。
復讐の道は、少女がひとりで歩むにはあまりに過酷で辛く長い…それを癒す荒野の星空の美しいことと言ったら!!
今回、初めて観たのだけれど、素晴らしい映画だったなあ。


コーエン兄弟のコメディは学生の頃からずっと好き。こちらもオススメ
rrrr


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服ダサい。仕事ない。女っ気ない。酒ばっか飲んでだらしない…
「トゥルー・グリット」の保安官は飲んだくれでもカッコ良かったけれど、こちらのジェフさんは
お腹のたるみが立派な、
ボウリングづけの中年独身ライフをだらだらおくっているダメおやじ。それがまた愛らしいのだけれど(笑)


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みなさん、落とし物にはくれぐれも注意しましょう…(笑)
このキャストが事前に想定されて作られた映画なので、役のハマりっぷりが見事。ひとりずつの味が存分に引き出されたものすごく贅沢なブラックコメディ。
ブラッド・ピットは、こんなおバカな役がチャーミングでいいなあ、と思う。


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冬になると、必ず観たくなるステキなファンタジー。これはブラックな感じがかなり抑えられていて、ココロの温まるコーエン兄弟の1本。
フラフープに隠されたステキな物語…歳をとっても凛々しいポール・ニューマンが悪巧みする社長に扮し、こちらにもちょっぴりスティーヴ・ブシェミが(笑)


赤ちゃん泥棒

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刑務所で出逢った強盗のハイと警察官のエド。
ニコラス・ケイジ&ホリー・ハンター主演のコメディ。これが、ワタシの初めてのコーエン兄弟だったんじゃないかなあ?とにかく、おもしろくって大好き。
子供ができないハイとエド夫婦。ハイに前科があるから養子もとれないし…と、そこへ地元の有力者のところに5つ子が生まれたというニュースが舞い込んでくる。1人ぐらい、いなくなっても大丈夫でしょ、と軽い気持ちで赤ちゃんを1人盗んでしまう…。
なかなかムチャクチャな展開だけど、これもやっぱりダメ男のハイが可愛くってね(笑)


カオハート


ワタシの中では、この「ビッグ・リボウスキ」「バーン・アフター・リーディング」「赤ちゃん泥棒」が、コーエン兄弟コメディのベスト3かな。現在公開中の「ブリッジ・オブ・スパイ」の脚本も彼らなので気になってはいるけれど…どうしようか。