(リターナー本部)
男:エドガー様! どうぞこちらへ
エドガー:バナン様。例の娘を連れてまいりました
バナン:ほう、この娘か...氷づけの幻獣と反応したというのは
ティナ:幻獣...?
エドガー:どうやらこの娘は帝国に操られていたようです
バナン:伝書鳩の知らせで、おおよそは聞いておる。帝国兵50人をたったの3分で皆殺しにしたとか...
ティナ:いやー!!
ロック:ティナ!
エドガー: バナン様ひどすぎます!
バナン:逃げるな!
こんな話を知っておるか?
まだ邪悪な心が人々の中に存在しない頃、開けてはならないとされていた一つの箱があった。
だが、一人の男が箱を開けてしまった。
中から出たのは、あらゆる邪悪な心…嫉妬…ねたみ…独占…破壊…支配…
だが、箱の奥に一粒の光が残っていた…希望と言う名の光じゃ
マッシュ:なあこれなんの話してんだ?
ロック:分かんねぇ。
マッシュ:兄貴。
エドガー:いいから聞け。私もここで話すことでもないと思うが。
バナン:どんな事があろうと、自分の力を呪われたものと考えるな。
おぬしは世界に残された最後の一粒。「希望」という名の一粒の光じゃ
エドガー: バナン様!
バナン:疲れた…休ませてもらうよ
マッシュ:なあなんか疲れるようなことあったか?
ロック:いや、歳だろうな。
マッシュ:兄貴。
エドガー: ...歳だろうな。
(少し時間が経ちベッドから起き上がるティナ、ロックの前に立つ)
ロック:俺は大事な人を帝国に奪われた。
俺が帝国を憎むようになったのはそれからだ。
帝国がこのままのさばれば、俺のような人間が増える一方だ。だからリターナーに入った
ティナ:でも…私には大事な人はいない...
ロック:そんな事はないさ。
逆に、君を大事に思ってくれる人もいるかもしれない。その人のためにも...
ごめんなさい私トイレ行きたくて起きたの。
ロック:あっわりぃ話して。
(うろうろしているエドガーに話し掛ける。トイレに行ったのかはご想像にお任せします)
エドガー: ティナにこんな事を頼むのは酷なことなのかもしれない。
我々の考えを無理強いするのは帝国のやり方と何ら変わりの無い事だからな。
だから...ティナ自身に決めて欲しい
ティナ: ...エドガーはどうしてうろうろしてるの?
エドガー:...それは聞かないくれないか。なんだか体が勝手に動くんだ。
ティナ:あやつられてるの?
エドガー:そうではないけど気にしないでくれ。ティナが決めるまで永遠にこうしているから。
(マッシュに話し掛ける)
マッシュ:俺にはよくわからない…だが昔から兄貴の言う事に間違いは無かった。
いつも俺の事を思ってくれたからな。ティナも信用していいと思うぜ。
おっと、こんな事俺が言ってるなんて兄貴に言っちゃダメだぜ。てれるからなー。ハッハッハッ!
ティナ:...エドガー!マッシュがね!
マッシュ:ダメだって言ってんの!なに言われてすぐ伝えに行ってんの?
ティナ:.....エドガー!マッシュがね!
マッシュ:やめろって言ってんの!
ティナ:..ありがとう。なんだか元気出た。はい。お礼のハチミツ!
マッシュ:まだ俺のこと熊と思ってる?
バナン:答えは出たのか?
我々の最後に残された希望になってくれるか?
ティナ:いいえ。
バナン:そうか...
兵士:不安な気持ちはわかります。
でも、こうしている間にもたくさんの命が帝国によって...
どうかわれわれに力をかしてください。
これを差し上げます。僕がよく飲んでいる栄養ドリンクです。凄く元気になって頭痛も治ったりするんですよ。
ティナ:私やります!!私が最後の希望です!!今すぐ作戦を考えましょう!!
バナン:そうか!いい考えがあるんじゃ。とにかく皆を集めてくれんか
(作戦会議)
バナン:さて...帝国が魔導の力を用い、戦争を始めたのは皆も知っての通りだ。
だがガストラがどうやって魔導の力を復活させたか?……ポイントはそこだ
エドガー:ロックに調べてもらったんだが、ガストラは世界中の学者を集めて、幻獣の研究を始めたらしいんだ
ロック:調べるの大変だったんだぜ。あの日は、よく晴れた朝だった...
エドガー:いや今お前の回想はいらない。
ロック:あっそう。ナルシェ攻撃もそのためだ
ティナ:つまり魔導の力と幻獣に何か関係があると...
バナン:魔導と幻獣……この二つの言葉で思い出される事は一つしかない...
エドガーもしや...
バナン:その通り。魔大戦じゃ
ロック:枕元でばあちゃんが話してくれたのは…本当の話だったのか?こんなに風に...
エドガー:だから回想はいらないんだ。しかもその場面お前寝てるだけだろ。
エドガー:魔大戦の悲劇がまた繰り返されると?
バナン:わからん。もう1000年も前の話じゃ。
歴史学者によって、それぞれいろんな説があるからのう。
一節によると幻獣から力を取り出して、人間に注入させた、というが...
ティナ:それが魔導の力...
エドガー:帝国に立ち向かうにはこちらも魔導の力を手に入れるしか...
バナン:ならん!
ロック:わしバナン!
エドガー:いらないことばかり言うな!
バナン:それでは魔大戦と同じ間違いをする事になってしまう
エドガー:…では、どうしろと?
バナン:幻獣と話ができないかと考えているのだが、どうだ?
ロック:幻獣と!?
バナン:危険だが…ティナと幻獣をもう一度反応させれば幻獣がめざめるかもしれない
エドガー:本当にそんな事が...
バナン:確かな事は言えないが……しかし……これにはティナの協力が必要だ
ロック:ティナ
ティナ:やってみましょう
マッシュ:何だかチンプンカンプンだが……面白そうだな
よく分からないから最初からもう1度最初から話ししてくれないかい?
バナン:...さて...帝国が魔導の力を
エドガー:話さなくていいですバナン様!
ティナ:戦争を始めたのは皆も知っての通りだ。
エドガー:なぜ君が話し始めるんだ!
ロック:あれはよく晴れた朝だった...
エドガー:回想に入るな!
マッシュ:なるほどよく分かったぜ。
エドガー:本当になんでだ!!
バナン:?何じゃ? 今の物音は...
兵士:た、大変です! バナン様…
(兵士倒れて皆が寄って来る)
兵士:サ、サウスフィガロが…
バナン:お、おい! どうした!? 何があったんじゃ!?
兵士:て、帝国がサウスフィガロからこちらに向かっています…
バナン:気付かれたか…作戦を急がなくてはならん!!
エドガー:ロック!
ロック:わかってる。サウスフィガロで内部から敵を足止めする作戦だろ?
エドガー:お前の特技を見込んでの作戦だ! たのんだぞ
ロック:ティナ。俺が戻るまでおとなしく待ってなよ。
特に……手が早いので有名などこかの王様には気をつけろよ
エドガー:ロック!!!
マッシュ:兄貴…まだそのクセ直ってないのかい?
(倒れている兵士に手を合わせて立ち去るロック)
兵士:生きてます...
バナン:こっちはどうする?
エドガー:レテ川を抜けてナルシェに逃げるのがいいでしょう。
炭坑で見つかった幻獣の事も気にかかります
バナン:うむ。では裏口にイカダを用意させよう。少々危険だが他に手はあるまい
エドガー ここは危険だ。一緒にナルシェへ……。
バナン:自分の力を知る良いチャンスになるかもしれんぞ
グズグズしてるヒマはない。すぐナルシェに向かうぞ!
兵士:誰か治療して...
(レテ川をイカダで渡る4人)
(紫の丸いものが流れてくる)
―― 何だ、何だ?
タコモンスターオルトロス:うひょひょ ここは とおせんぼ!
とおさないよー イジワル イジワル?
ティナ:ファイア!
オルトロス:アッチッチーー!! ゆでだこ!? ゆでだこ!?
かわいい 女の子
わいのこのみや……ポッ
マッシュ:なにゆでられて惚れてんだ気持ち悪りぃな!
オルトロス:きんにくモリモリ……きらいだー
イテッ!お前も結構良い筋肉持ってるじゃねぇか。どういうトレーニングしてるんだ?
エドガー:なにタコの鍛え方に興味持ってんだ!
いくぞ!オートボウガン!
オルトロス:............
エドガー:なんで私は無視だ!
バナン:気にするな。わしも無視されておる...
エドガー:ほらバナン様ちょっとヘコんでるだろ!オートボウガン!
オルトロス:グェグェ…ガボガボガボ……
マッシュ:やったのか?
エドガー:いや、手応えがなかった……水中にもぐっただけかも……!?
ティナ:きゃっ!! 足に何かが!
エドガー:ティナ! こっちだ
バナン:もう大丈夫じゃ
マッシュ:ふざけやがって! そういうことしていいのは兄貴だけなんだからな!!
エドガー:私はいいということもないけどな!
マッシュ:必殺技でばらばらにしてやる!
エドガー:よせ! マッシュ!
マッシュ:とめるな、兄貴! おりゃーー!
エドガー:むちゃしやがって...
ティナ:マッシュ...
バナン:なあに、心配はいらん!
エドガー:ほんとですか、バナン……様……?
バナン:何を言っておる、その事は兄弟のお主が、一番よく知っているはずじゃ。そのうち元気よく飛び出して来るじゃろう!
(飛び出して天高く飛んでいくマッシュ)
マッシュ:あーれー!
エドガー:元気よすぎたって感じかな……ははっ……
ティナ:マッシューーーーっ!
エドガー:おっ!泳いで追いついて来た!流れに逆らって!もうちょっともうちょっと!
あー離れてく!おっまた追いついて来た!凄いクロール!
あーまた離れてく!おー追いついて来たなんだこれ凄い面白い!もうちょっともうちょっと!あーダメだ力尽きた!
マッシュ!! あとは自分でなんとかしろー!
バナンを護衛しながらナルシェに向かうエドガーとティナ...
ひとり急流にのみこまれたマッシュ...
そして...
帝国をカク乱するためにサウスフィガロに潜入したロック...
果たして3者の命運は...
つづく...