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今回の話者:袖ヶ渕さん(仮名)

 

 

 

 

 

ふぅ〜、別にここでコーヒーを飲んでいるからって仕事をサボってる訳ではないですよ。

 

念の為に、ね。

 

言っとかないと。誤解されたら困るから。

 

えっ? この風呂敷包は何かって? コーヒー飲むときに必要なマストアイテムですよ。

 

そうなんですよ。何なんでしょうね。この心の奥底から湧き上がってくる博愛の精神は。

 

ええ。僕は昔っから優しい人間でしたよ。虫一匹、殺せませんでした。

 

ピロロロロ〜ン♪

 

おっと! 会社からLINEかな。

 

失礼します。

 

後輩の峰田君からです。

 

ハハッ! 僕が作っていたプレゼンの資料を上司が見たいと言ってるみたいです。

 

返信して良いですか?

 

「麗しの君、困らせてごめんよ。さっ、泣かないで僕のパソコンを見てごらん。その澄んだ輝く瞳で、デスクトップの"僕フォルダー"内の"プレゼン資料ホルダー"をのぞくんだ。その美しい瞳の中にきっと君の求めていたものが見つかるだろう。追伸 帰りに鍋用の大根を買ってきてください。Love you」

 

これで良い。送信、と。

 

えっ? なんですと? 峰田君は僕の恋人かって? ハハハ、面白いこと言いますね。峰田君は男ですよ。恋人なわけないじゃないですか。

 

ああ、大根を頼んだからそう思ったんですね。冗談ですよ。冗談。峰田君が会社帰りにマジで奥さんに大根買って行ったらウケるじゃないですか。

 

そういうことです。

 

会社でね「あいつは嫌いだ」とか「あの上司と合わない」っていう話をよく耳にするじゃないですか。でも、不思議と僕にはそういうことがなくってね。皆のことが大好きなんですよ。

 

もちろん皆も僕のことを愛してくれますよ。その証拠に僕がどこにいても電話、メール、LINEで皆僕と繋がりたがるんです。

 

僕は恵まれている人間なんですよ!

 

ピロロロロ~ン♪

 

おっと! 話してるそばからまたLINEかな。

 

今度は総務の秋山君からだ。

 

なになに「岩崎化学工業の新山さんから、袖ヶ渕さんが社員証を忘れて行ったと届けがありました。総務で預かっているので受け取りに来てください。これで五度目です。気を付けて下さい」

 

ハハハ、忘れたことさえ気が付かなかったよ。それにしても会いたいだなんて秋山君は僕のことが大好きなんだな。よしよし。

 

「ごめんよ、MY LOVER。 君に会うための口実がどうしても見つからなくて、同じ手を5回も使ってしまったよ。今すぐ駆け付けたいけれど、あいにく僕は今大事な商談をしているんだ。これが終わったら直ぐに迎えに行くよ。君のことを片時も忘れたことはないさ。瞳にキスが約束だよ。追伸 パンツのゴムが切れたので今ノーパンです。スースーします」

 

これで良いかな。まあ、商談をしているわけじゃないけど、そこはご愛敬かな。

 

えっ? これも冗談かって? 馬鹿を言っちゃいけないよ。秋山君は女性だよ! 本気だよ、本気。今僕はれっきとしたノーパンなんだよ。ここで脱いで証明できないのが残念だがね。

 

フッ、今まで分からなかったと思うが、僕はノーパンでコーヒーを飲んでいたのさ。奢られて当然だろ。

 

チリリリリ~ン♪ チリリリリ~ン♪

 

おっと、悪いね。今度は電話だ。

 

上司からだ。ああ、残念だな。今僕はカフェにいるから電話に出れないや。無視しよ。

 

しつこいね。いくら僕が人気者だって言っても一人一人に構っていられないんだよ! この上司は独占欲が強くってね。僕のことを離したがらないんだ。そんな上司でも僕の博愛精神は変わらないのさ。

 

それに僕と彼は以心伝心なんだ。彼の言いたいことは手に取るようにわかるんだ。

 

彼は今ものすごく僕を求めている!

 

あっ、切れた。

 

すぐにLINEが送られてくるだろう。

 

その前に!

 

フフッ、ようやくこの風呂敷包の中身が役に立つときが来ました!

 

ちょっと、待っていて下さい。トイレに行って来ます!

 

・ ・ ・

 

ピロロロロ~ン♪

 

・ ・ ・

 

やあ、お待たせ!

 

どうかな? この格好は!

 

何って? ピカチュウだよ。知らないのかい?

 

僕は今ピカチュウの着ぐるみを着ているんだよ! 似合うかい? もちろんこの下もノーパンだよ。パンツは完全にゴムが切れたからね、捨てたよ。

 

おっとぅ! やっぱり寂しがりの上司からLINEが来てましたよ。すぐ帰ってこいのラブコールだ。

 

ちょっと、僕のスマホで写真を撮ってくれないかな。

 

えっ? 何故って? 上司が好きなんだよ、ピカチュー。寂しがっているから、僕が帰るまで写真で慰めてあげようと思ってね。

 

笑顔で敬礼してると受けが良いんだ。

 

じゃあ、お願いします。

 

カショショ~ン♪

 

さっそく上司に送ろう。

 

「マイハニー、寂しい思いをさせてごめんよ。今すぐ君の元へ向かうよ。天が割れ地が裂けようとも試練を乗り越え君の元へ馳せ参じるさ。それまで僕の写真を眺めて待っていてくれ。それじゃ 追伸 ピカピッカ~♪」

 

これで良し。

 

じゃあ、もう一杯コーヒー飲もうか!

 

 

 

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