「Anguish of radiological technologistつまり、放射線技師の苦悩」回答編
イプシロンです。
今回のお悩み相談者は鈴木さん(仮名)です。
鈴木さんは医師に無視されたことで心に蟠りを作られているようです。職業人としての誇りを傷つけられたと感じているんですね。そこから鈴木さん自身ひいては放射線技師と言う職業までを自分で否定し始めている気がします。
今回は全体と個に分けてお悩みを考えてみましょうか。
まずは全体としてのお悩み、放射線技師は必要かどうかと言う問題です。
この問題の答えははっきりとお答えすることができます。
ずばり、必要です!
何故ならば国の法律で定められているからです。診療放射線技師法で規定されています。なので、その存在の必要性を鈴木さんが個人として悩む必要性はありません。大前提として、放射線技師は必要だという認識を持って下さい。
意義に関しては鈴木さんはすでに自分で診療放射線技師法第27条に見出しているようなので、それをもう一度思い出してください。
問題なのはこのお悩みを個人のレベルにまで分解した時です。
職業云々を取り除けば、このお悩みは鈴木さんが相対した人に自分の意見を受け入れてもらえずに否定されてしまったと言うことだと思います。
何故、問題なのかと言うと、鈴木さんが相手に対して考え方を変えて欲しいと望んでいるからです。
人の考え方というのは、これまでその人がどのように生きてきたかに寄ると思います。つまりその人の発言はこれまで自分が生きてきた間に見出した人生観ということになります。
鈴木さんはこの医師に人生観を変えろと要求しているんです。鈴木さんはこの医師を否定しているんですね。つまりは鈴木さんが医師からやられて嫌だと感じたことを、今度は逆に鈴木さんがこの医師にやろうとしているんです。
もちろん鈴木さんのお話しを聞く限り、この医師が器の大きい出来た人間だとはイプシロンも思いません。医療の頂点に立つ人間にしては器が小さすぎると思います。
だけど、否定しても何も産まれません。
諍いが起こるだけです。
対人関係において相手に何かを変えてもらおうとすることは、自分が変わるよりも何十倍も何百倍も難しいのだということを知ってください。
だから、今回のお悩みに関しては鈴木さん自身の考え方を変えていくしか解決の方法はありません。
診療放射線技師法第27条を調べさせていただきました。
「診療放射線技師は、その業務を行うに当たつては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない」
となっていました。
これが鈴木さんが考えている放射線技師の存在意義です。
ならば、鈴木さんはこの条文の通りに動けば良い。医師が読影時に鈴木さんの意見を聞いてくれないのならば、意見書などを作成してカルテに綴じ込み「お手隙の時にお役立てください」と声を掛けるだけでも良いと思います。それを見る見ないはその医師の自由です。また、看護師や他の職種から働きかけてもらうのも1つの方法です。この条文にあるように色々な医療関係者を巻き込んで、どうにか放射線技師の意見が医師に届く方法を考えて行ってください。
言葉で相手に教え込むのではなく態度で示せていければ、相手の人生観も少しずつ変わっていくのではないかなと思います。
患者さんに不利益が被らないよう医療人として適正な医療の確保に努めて行って下さい。
*鈴木さん(仮名)のお悩みが気になった方はこちら!