やっと読み終わったわ、10巻。
寝る前に読むとつまんなくて寝ちゃうから後半は普通に起きてる時に読んだ。
「次に吹く風」
茶屋四郎次郎が岡崎城の石川数正に会いに行く話。
徳川方から、秀吉への戦勝祝いには誰を出したらよいかと。石川数正に決まりそう。石川数正といえば、家康の今は亡き嫁と長男を今川から救出した時の活躍が思い出されてナツカシス。
「硬骨軟骨」
浜松城の家康と作左の会話。秀吉にどう対するか。五千石の茶壺が話題に上り、数正を秀吉の使いに出すことに決まる。作左、数正の家来・渡辺金内に心の内を明かしているが、金内にはハッキリ伝わっていない。数正が金内の口から伝え聞いたら真の意味が解る、みたいな。数正だけに責めを負わせはしないという作左の腹積もり。
「三河の使者」
石川数正、坂本城で秀吉と対面。岐阜の信孝が切腹させられた話がその前に挿まれる。
大阪城普請のカンパ要求にドキドキしつつ、先手を打って五千石の壺をプレゼント。秀吉は二十倍の価値があると言い出し、十万石の壺にレベルアップ。数正、泣いたりおだてたりすかしたりしたが、読んでるこちらには何のことだか、いまひとつわからんかった。夜、数正の宿舎に美女の夜伽の接待。倅の嫁にしようと言って何とかやり過ごす。マジメかよ。
「残月」
近江滋賀、三井観音堂境内。そこに桑名の長島城主となっている織田信雄と三家老、津川義冬、岡田重孝、浅井田宮丸。大阪城は完成し、三家老が招待されて滞在した。それから信雄は三家老が秀吉に内通しているのではないかと疑っている。三家老、信雄に対して誠意の現れとして三井寺での会見時に秀吉を刺す計画であると打ち明ける。
いざ会見になると、結局、秀吉がうまく立ち回り三家老を取り込んでしまった。
「防風林」
浜松城で家康、作左、数正が密談。裏切り者の三家老を斬っても良いなと信雄からの密書があった。それは秀吉との開戦を意味していて、マンマと秀吉の計画に乗せられてる訳で。家康自身は三家老を斬るって話は知らんことにして、家臣の酒井重忠に返事をさせた。そんな適当なこと通るかな。
信雄は家康が味方についたってんで、さっそく三家老を長島城に招いて五日目、大勢で取り囲んでズタボロに斬り殺してしまった。
「出陣」
信雄が三家老を斬ったので、待ち構えていた秀吉は出兵命令を出しすぐさま近江の坂本城へ出た。家康は鬨の声を「エイトウ!」だけでは気合いが足りないから「エイトウ、エイッ!」にしようとか呑気なことを言っていた。
東西両軍、美濃と尾張から北伊勢にかけて進軍。あっという間に峯城が落ち、池田勝入とその娘婿の森武蔵守長可が犬山城に入ってしまった。織田徳川、いきなり不利に。家康、秀吉の悪口を書いた高札を犬山城と小牧山周辺に立てさせる。
秀吉の方では、この戦は秀吉と家康の馴れ合いの戦であって、信雄を排除するのが目的だという噂を流し出す。
「犬山思案」
犬山城。池田勝入と長男の元助、婿の森武蔵守長可のパート。小牧山に家康がいるのを見て撃とうとしたら鉄砲が無かったり、秀吉の悪口が書かれた高札にキレたり、元助が村を焼いて親子喧嘩、キレたり我慢したり、ひたすらツマラナイ。
「龍虎の駆引」
家康、婿には婿をぶつけようと訳わからんことを言い出す。婿の奥平信昌に勝入の婿、森長可を討てと命令。「エイトウ、エイッ!」と家康が考えた新しい鬨をあげ死に物狂いで敵をめざす信昌。
「ふしぎな鬨の声があがった。」
「この鬨の声は、しかし、さして森勢を狼狽はさせなかった。」
と書いてある。家康……。
「筑前旋風」
完成した大阪城内と秀吉。茶々三姉妹、石田佐吉(三成)、秀吉の末妹、朝日姫の良人の佐治日向守秀正らが登場。
あとは悪口の書いてある高札やら密書がどうこう、甥の秀次も出てきた。
秀吉の台詞がクサイっていうかなんか違う感じ。作者が秀吉に成りきれてないんだな。
「長久手」
秀吉、勝入親子と森長可のもとへ。陣地見聞、森と勝入親子が秀吉をめぐってああでもないこうでもないとグダグダ。ひたすらツマラナイ。勝入、いきなり秀吉ラブになったな。秀次を総大将にして手柄を立てさせ、秀吉への義理を果たそうとか言い出す。勝入、秀吉に三河責めの許可を取りつける。ここも勝入が泣いたり秀吉が計算高かったりクサイ。このノリにはちょっとついてけねー。三文小説か。
「勝入戦法」
勝入、三河へ中入れ。しかし百姓のスパイを雇っていたので家康にはバレていた。途中で勝入、ほっとけばいいのに岩崎城で停まって馬を撃たれて落馬、かかとを骨折。味方に言い出せずそこにとどまり首実験を始めるトンチンカンな展開に。それはおかしくないか、いくらなんでも。もうハチャメチャですがな。
「乱戦」
勝入が首実験をしている頃、徳川方と豊臣方は勝ったり負けたりしていたが、結局、秀次が重荷になり次第に勢いが殺がれて徳川方有利になった。森も死に、勝入も死んだ。元助も人知れず死んでいて、勝入が関係する章ではここだけが面白かった。本多佐渡守正信が出てきた。
「鹿と瓢」
石川数正と言い合う本多忠勝、酒井忠次にも反対されて発狂、自軍のみで秀吉に仕掛け出した。秀吉率いる大軍は長久手へ急いでるところへ、忠勝の小軍にキャンキャン噛みつかれたので相手にはしなかったが遅れてしまった。次第に怒りがおさまり正気を取り戻した忠勝、家康と合流。家康は勝ち戦を目前にして鎧を解いている。勝てる戦になぜ出て行かぬと責める忠勝に家康、いま秀吉に勝ってもかつての明智光秀の二の舞にしかならぬと説明。
「小欲大欲」
家康、夜明け前に城を出て敵の鼻をあかす作戦。
夜明けと共に小幡城攻めを目論んでいた秀吉、佐吉三成に「お館が家康ならどうなさるか」と問われて家康はいないだろうことに気付く。強がって「三韓から大明国まで我がものにする」とほらを吹くんだが、三成には(あとで事実になってゆくかもしれぬぞ)と思われた、って辺りはおもしろい。
この戦は家康に負けたと認めざるを得ない秀吉の焦りが描かれ、竹中半兵衛が死ぬ前に「もう少しバカに生まれていたら大大名になれたのに、云々」と口にしていたと佐吉から聞いた秀吉、家康も同じように味方にすればよいと考え始めた。
「和平の供物」
松本四郎次郎、町人モードの茶屋四郎次郎に戻り平和を噛み締める。岡崎城の数正に会いに行くと、数正が家中の者に裏切り者扱いされていること、秀吉が家康に、子供一人と、数正と作左、両家老の息子を沿えて人質として大坂に送るよう要求していることを知らされる。四郎次郎の商人関係のツテを辿って秀吉に忠告してくれないかと頼まれる。城を出た所で家中の侍二人に斬られそうになる四郎次郎だったが数正との会話内容を話して説明してやったら異常なくらい律儀にボディガードまでしてくれるようになり、三河武士のこういうとこが良さでもあり怖さでもあると思った。
「茶道三略」
秀吉が茶室で千宗易ら堺衆らと話す。納屋蕉庵が出て来る日本会議回。この小説のこういうとこ、マジで気持ち悪い。幼稚なあまりゾワゾワッとくるキモさ。バッカジャネーノ。