3月10日の猫について! | Animal Life Saver

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福岡県大牟田市を中心として、どうぶつ愛護活動をおこなっている団体です

3月10日にセンターから預かった猫についての経過報告です。

 

預かった直後はまだ綺麗な顔をしていたのですが、症状は急激に進行してしまいました。

1週間で両耳は、4分の3まで壊死してしまいました。

付根部分しか弾力がありません。

左右カチカチのカラカラになってしまいました。

写真の顔が汚れていますが、撮影の前日にはお湯でできる限り綺麗にしてあります。

しかし、目ヤニや鼻水の塊をお湯でふやかして優しく撫でても、毛皮ごと皮膚が剥がれてしまいます。

 

目元の出血は、毛が根元から剥がれてしまった部分です。

顎の下の瘡蓋も、お湯を含ませた綿花が触れた途端、メリメリと指先に嫌な感覚が伝わって来たので、恐ろしくてそれ以上触れませんでした。

 

3月17日の金曜日に、この子にとんでもない事が起こり、夜間も診てくださる熊本の動物病院まで、岡村さんにお願いして一緒に連れて行ってもらいました。

困った時に、よくお世話になる病院です。

 

この子は車の中で長時間はじっとしていられません。

その日の状態から、キャリーの中で暴れだすと、皮膚が破れてしまうかも知れませんので、一人ではとても危なかったからでした。

 

恐ろしい事とは・・・

この子の鼻詰まりが酷くなってきて、二日間ほど充分量食べてませんでした。

その日の夕方、栄養剤を注射器で飲ませた時に起きました。

頭部を片手で固定しようとしましたが、カチカチの耳が折れてしまいそうで上手く固定できませんでした。

そこで、頭部の後ろ髪に当たる部分の皮膚を、痛くない程度に掴んで固定しました。

それなのに、飲ませ終わり手を放すと、何故か指の間に白い毛束がゴッソリ付いていました。

 

一応は掴む前に皮膚の状態を確認していました。

何事も無い綺麗な状態の皮膚でした。

しかも、念のために他の悪い部分の皮膚を引っ張らない様に軽くしか掴んでいませんでした。

滑らないように、手の平に皮膚を挟んだだけといったところです。

それなのに・・・。

慌てて毛を掻き分けて見てみると、なんと健康な状態のハズの白い綺麗な皮膚がバックり裂けてしまっていました。

 

信じられませんでした。

私のちから加減は、ティッシュさえ破れなかったほどのハズでした。

しかし、この子の皮膚は、綺麗な部分でさえ、ティッシュより脆くなっていました。

感覚としては、まるで薄い脱脂綿を裂くときの感触で裂けてしまっていたのです。

その後、病院にて撮影した写真です。

裂けた直後は真っ白で、見た目も本当に脱脂綿が裂けた様に見えました。

病院到着後にやっと出血が確認できました。

 

幸運?な事に、その日診てくださった先生は、同じ様な症例を何匹も診た事があるといわれる先生でした。

免疫介在性の皮膚疾患だろうとの事でした。

免疫介在性の皮膚の血管炎で血流が止まり、その部分に壊死が起きています。

簡単には、壊死を起こすほどのアレルギーといえるかも知れません。

ステロイドと抗生剤は、すでに他の病院で2週間持続性の薬を注射してもらっています。

その先生によると、やはりそれだけで様子をみる以外、他は何もしない方が良いとの事でした。

 

鼻詰まりと目ヤニに薬をいただけないか相談しましたが、そうした薬さえ使わない方が良いでしょうとの事でした。

理由は、何が病状を悪化させる原因になるか判らないので、何もしない方が良いのだそうです。

わずかでも薬剤を使うと、逆効果になる可能性の方が圧倒的に高いという内容のお話でした。

 

そして、今後予想される経過としては・・・

壊死した部分から皮膚が剥がれていくので、再生を促すためにシャンプーや消毒薬を使わずに水で患部を洗浄し、乾燥させないようにラップの様なもので保護しなければならないそうです。

 

過去にそうして、何匹か予後の状態の良かった子の患部から皮膚を採取して、専門の研究機関まで送り、病理検査まで実施した事があるそうでした。

しかし、やはり帰って来たのは、免疫介在性の皮膚疾患であるとの回答だけだったそうです。

 

これまで診てきた猫たちは、やがては広範囲に及ぶ壊死した皮膚の治療中に、衰弱してみんなダメだったそうです。

何匹も診た事があるとのお話だったので、何匹もの猫たちがみんなダメだったのでしょう。

 

見通しの明るくないお話でしたが、しかし私としては全く暗い気分にもならないお話でした。

というのもこの話には、私にとってはとてもありがたいヒントがあったからです。

それから何よりも、あと数日の命というワケではないという事が判ったからでした。

それだけでも、これまで見てきた沢山の悲惨な子たちに比べれば、少なくない希望が持てました。

 

帰りの車の中で、また騒ぎ出したのでキャリーを開けると、私によじ登って抱き着いてきました。

預かってから数日で、スッカリ私を信じてくれています。

 

当初は、必要なら入院させるつもりでいましたが、何も手立ては無く・・・

でも、この子を抱いた瞬間は、一緒に帰れて本当に良かったと、心から思いました。

 

 

この子の病状に関して、私が得たヒントとは・・・

この子は私が預かる直前に病状が出て来ています。

私が預かった時、すでに耳に症状がありましたが、その後の進行速度から逆算すると、預かる一日か二日ほど前からの感じでした。

 

それから、この日の先生とも話が一致したのですが、この子の皮膚の弱り方はもしかしたらステロイド剤の長期使用による副作用かも知れないという事でした。

 

私が預かる一日か二日前にいったい何がこの子に起こったのでしょう?

 

私の関係妄想かも知れませんが、この子は一日か二日前に捨てられたかのかも知れません。

そして、太陽の光を浴びてしまったのでしょう。

この子は実は、極度の日光アレルギーが起きてしまったのではなかろうか?という仮説をやっと想像する事ができました。

 

調べてみると、私が預かる10日と前日の9日に大牟田市は晴天でした。

それから、この子の壊死した患部は日光アレルギーの一番出やすいところに間違いありませんでした。

 

預かり当初、まず一番に額の両側にできていた瘡蓋が何なのか?ずっと疑問に感じていました。

人間のヤンキーでいうならば、剃りこみと呼ぶ部分に左右瘡蓋がある理由を不審に考えていました。

 

目が見えないため、植込みの中で草木の枝などにぶつけてできた傷なのだろうか?

それとも疥癬か?真菌症か?ノミアレルギーか?

しかし、どれも微妙に違和感がありました。

私には、この子がまるで放射能でも浴びてしまったかの様に見えていたからです。

 

それが日光アレルギーだと考えると、他の患部と相まって、絶妙に納得がいったのです。

患部は全て、毛の薄い部分と背中の日の当たる部分です。

腹部側にはノミの糞はありましたが、一切症状はありません。

それまでピンと来なかったのは、私が知っている日光アレルギーの猫たちは、みんな症状が湿疹だったので、なかなかイメージが繋がりませんでした。

しかし、湿疹の出来ていた場所をこの子の壊死した場所に置き換えると、ほぼ一致しています。

 

免疫介在性の皮膚疾患(血管炎にて血流遮断にて皮膚の壊死)ですので、その発症の大元には、いろいろな原因があり得る様です。

しかし、この子の場合にはノミや薬剤というよりも、日光が一番大きく関わった可能性を感じたのでした。

 

それならば、室内に戻り日光を避けた今の状態ならば、今後はある程度で進行が治まり、治癒に向かうのではなかろうかと小さくない希望を感じたのです。

 

帰宅してから、さらに調べてみました。

すると、こうした免疫介在性皮膚疾患には「自己免疫性」と「免疫介在性」の2種類がある事を知りました。

 

自己免疫性の場合は、自己免疫が暴走して自分の身体を攻撃してしまう状態らしく、皮膚炎について潰瘍などの症状はありますが、壊死性血管炎はないので該当しません。

 

それに対して、免疫介在性の皮膚炎の場合、壊死性血管炎が起きる場合があるそうなので、この子はやはり、免疫介在性だと考えられます。

 

さらに免疫介在性には「SLE」と「DLE」とあるらしく、SLEは臓器まで侵される症状をいい、半数近くの犬猫が1年以内に肺炎や敗血症を起こして死んでしまうそうです。

それに対してDLEは、皮膚に限定的に症状が現れる場合で、SLEの軽症・良性タイプといえるらしいです。

 

この子の場合は精密検査などできておらず、簡単な血液検査の結果しか判りません。

肝臓数値が良くありませんが、まだ心配するほどの値ではありませんでした。

何よりも食欲は残されていて、帰宅後2日間、毎日缶詰2缶食べる勢いなので、私の経験上臓器に異常が起きているとは考えられません。

ですから、高い確率でDLEに該当すると考えられます。

またこのDLEの説明の中で私が一番魅かれたのは、「DLEには日光が大きく関係している可能性があり、夏場に発生・悪化する傾向がある」との一文でした。

どうやら私の仮説は、全くの妄想というワケではありませんでした。

 

そしてさらには、DLEであった場合は、「瘢痕形成が後遺症となる場合が多いが、生命的予後の良い疾患であるとの事です。

 

まだまだ小さかった希望は、大きな光になりました!!

 

元から希望が有ろうと無かろうと、私たちのする事にはほとんど変わりはありません。

いつもただ、出来る限りの事を精一杯やるしかありません。

でも、少し心は軽くなりました。

ゲージを覗き込み声を掛けると、よく見えない目で一生懸命みつめて・・・

一生懸命、聞き耳を立てて・・・

私の気配を探してくれます。

そうしながら、フミフミして・・・

グルグルグルグルいってくれます。

近くにいるだけで、心から喜んでくれます。

 

どうやら身体のどこかから膿が出始めて、敷物が汚れ始めました。

 

でも、この子には全く痛みも痒みも無さそうです。

いつも気分良さそうに、一生懸命甘えてくれます。

 

今後は化膿した部分の皮膚を剥がなければならないでしょう。

痛む治療を始めなければならないでしょう。

 

感染症もあり、他の子たちの世話もあって、どれだけ良くしてあげられるかは判りません。

暖かくなってきたら、患部に蛆が湧くのも気を付けなければなりません。

 

まだまだ先は判りませんが、一緒に頑張りたいと思います。

 

何よりも、この子が嬉しそうにしてくれるから、頑張り甲斐もあります。

 

 

尚、沢山の方々が、この子に関していろいろな情報をくださいました。

教えていただいた病院へも連絡して、アドバイスを頂きました。

それぞれに有効と感じる部分がありましたので、出来るだけ取り入れていこうと思います。

ありがとうございました。

 

 

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