できれば「最近観た映画メモ」ネタバレをせずに紹介したいという気持ちもあるんですが、それを考え出したら、



いったいどこからがネタバレなのか?


という疑問に行き着いてしまって...


どこまでをネタバレとするかは人によるだろうし、それこそ「ジョーズ」がサメの映画であることすら知りたくない人もいるかも...(バカ)


まあとにかく、僕なりにネタバレは伏せていますが、もちろん多少なり内容には触れているので、未見の方はご注意を。


1本目
オールド・ボーイ
2003/韓国
監督 パク・チャヌク

あらすじ
オ・デスは理由もわからないままに15年監禁され、突如解放される。監禁された理由を知るため、そして監禁した者への復讐のため、デスは調査を開始するが...






2回目の鑑賞。



昨日記事をアップした「ザ・コール」がなかなか楽しかったので、韓国映画つながりで妻といっしょに鑑賞しましたよ。



監禁生活そのものの描写が面白いだけに、そこがわりと短いのがちょっと残念。韓国ノワールお得意のバイオレンス描写もさることながら、身体的な痛み以上に、人の心に対して残酷な作品。


「誰が監禁したのか?」「なぜ監禁し、解放したのか?」という謎解きパートも、餃子のくだり含めて愉快だし、1カットで魅せるアクションもユーモアがあって楽しかったかな。


肝心の犯人の動機に関しては、「そんなことでそこまでする?」とは思っちゃったし、催眠術が出てきたのは「それじゃなんでもできちゃうじゃん...」という感じがしちゃって、個人的にはあんまり好みじゃないかも。話もテンポが悪いわけじゃないけど、もう少しコンパクトでもいいかなぁ。主演のチェ・ミンシクは最高でしたよ。



あとちょっと思ったのが、中島哲也監督の「渇き。」雪原のシーンは本作のオマージュだったりするのかしらん?





個人的評価
7/10


2本目
ノロイ
2005/日本
監督 白石晃士

あらすじ
怪奇実話作家がとあるドキュメンタリー作品を完成させた後に失踪。彼の自宅は全焼し、焼け跡からは妻の遺体が発見された。彼が残した作品には身の毛もよだつ戦慄の映像が記録されていた...







僕はいわゆる「Jホラー」は怖いから苦手(身も蓋もない理由)なんですが、実録物っぽい雰囲気が気になって観てみました。


幽霊そのものはあんまり出てこないんですけど、主人公が次第に事の真相に近づいて行く過程がすごく怖いし、ワクワクします。


怖いものがカメラに偶然写りこんじゃったっていう感じは素直に怖かったんですけど、写りこんだ後に、「お分かり頂けただろうか...」的にそこをもう一回アップにされるとちょっと笑っちゃいました。


閉ざされた村の儀式みたいなオカルト要素もいい感じでした。主人公のインタビュー中、さっきまで普通に質問に答えてくれてた人が、儀式の話になると急に人が変わったようになる感じとかすごいゾクゾクしましたよ。


主人公の失踪に関するクライマックス後のくだりは、楽しいは楽しいんですけど、「こんな状況でまだ撮ってんの?」という気持ちにもなったり。


松本まりかスクリームガールっぷりも素晴らしかったです。


個人的評価
7/10


3本目
グロテスク
2009/日本
監督 白石晃士

あらすじ
初デートを楽しむ和男とアキは、突如謎の男に拉致され、地下室に監禁される。男は「自分を感動させれば解放する。」ということを条件に、2人に想像を絶する拷問を加えていく...






「ノロイ」が結構おもしろかったので鑑賞した白石監督作品。


未見だったとは言え、本作の悪名高さは以前から耳にしていたんです。僕はゴア描写自体は好きではあるものの、こういったトーチャーポルノ的な作品は苦手で...。なんて言うか、人間の尊厳みたいなものが暴力で踏みにじられる感じがしてすごく怖くて不快。


本作の殺人鬼である男も、紳士ぶっているが最低のサイコ野郎でね。ただでさえ残虐な拷問を繰り返すだけでなく、カップルの絆を試すような責め方をしてくるので、なんとも悪趣味なやり方です。


「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」より。


ただ、中盤でちょっと緊張感が和らぐ展開になるんですけど、拷問されたカップルがわりと普通に笑顔で会話とかしてて。普通あれだけのことをされたら精神に異常をきたすもんじゃないですかね? もしかしたら人間の防衛本能が働いてマヒしているのかもしれませんが。


個人的にはカメラワークが見づらかったかなぁ。ちょっと登場人物に寄りすぎというか。まあその方がより拷問されている2人に感情移入しやすいという意図はわかるんですけど、もう少しカメラもグラグラさせずに、ちゃんと見せて欲しかったです。


ラストの超現実展開は観る人によって好き嫌いが分かれそうですね。それまでがドキュメンタリータッチの、リアリズム感のある見せ方だっただけに、かなりフィクションラインが上がった感のあるラストだと思います。


あまりにも救いがない展開の中、若干のカタルシスを感じるこのラストは、本作をギリギリ劇映画として成り立たせている要素でもあるのかもしれません。


僕個人としては、それまでかなりリアルな描写が続いていたので、ちょっと萎えたというのが正直なところ。「今更エンタメっぽくするなよ!」って思っちゃいました。


あと主人公の2人のキャラクターがあんまり深く説明される訳ではないので、拷問されてても、「かわいそう」とか、「痛そう」とかは思うんですけど、「なんでこの人がこんな目に」とは思えなかったです。


もう少し感情移入できればより最悪な気持ちになったのかなぁ。まあ十分最悪なので、あえてあんまり感情移入できないようにしてるのかもしれませんが。


R-18+なので、残酷描写に耐性のない人はワザワザ観なくてもいいんじゃないかな...


個人的評価
5.5/10


ではまた。