最近NETFLIXで「アナイアレイション 全滅領域」を鑑賞しましてね(舌を噛みそうなタイトル)。






あらすじを読んで、「人間とモンスターが戦う異世界SFアクションかな?」なんてざっくりしたイメージで観たんです。確かに前半ぐらいまでは娯楽映画としてシンプルに楽しかったんですが、後半から人の心というか、けっこう内省的な方向に話が展開していって。



完全に気の抜けたスタンスで本作を観始めた僕は、

「え、これってちゃんと観なきゃいけないやつじゃん...」

という感じにかなり戸惑いました。映画鑑賞に油断は禁物ですな。


「ブレードランナー」とか、「未来世紀ブラジル」とか、「惑星ソラリス」などは、難解なSF作品ということが初めからわかっている状態で鑑賞するのでまだいいです(まあこの3作品も未だによくわかってないんですが...)。


でも本作は予告から受けるイメージだけで本編を観るとかなり面食らうんじゃないかしらん?


正直1回観たぐらいでは僕の頭では理解できなかったです。でも、だからつまらなかったというわけではなくて、観終わったあとに色んな人と話したくなる作品ではあるのです。ナタリー・ポートマンは相変わらずキレイですしね。未見の方はぜひ。


先日「食人族」の感想をアップしたんですが、フェイク・ドキュメンタリーつながりで併せて鑑賞した作品を。



グレイヴ・エンカウンターズ
※ネタバレです。
2011/カナダ
監督 ザ・ヴィシャス・ブラザーズ

あらすじ
超常現象や怪奇現象を題材にしたリアリティ番組「グレイヴ・エンカウンターズ」の撮影チームが、廃墟となった精神病院で一夜を過ごすことに。実のところ彼らは超常現象など信じておらず、ヤラセも厭わない。しかしそんな彼らの身に恐ろしい現象が次々と降りかかる。




「パラノーマル・アクティビティ」以降、「予算が安くて儲かる!」ということで一気にメジャー化したファウンド・フッテージもの。


僕はそもそも「パラノーマル・アクティビティ」自体そんなにハマらなかったので、その後大量に量産されたフォロワー作品にもそんなに興味は持てなかったんですが、「REC」「ヴィジット」は大好きだし、けっこうおもしろいなんて評判も聞く本作を観るのもやぶさかではないという気持ちになって鑑賞しました。


主観撮影作品に付き物な、「こんな状況でカメラ回すか?」という突っ込みどころはありつつも、幽霊が現れるまでの予兆から、実際に現れてからのアタックまでの流れはかなりゾクゾクします。


ただ、「マジで怖い」と話題になった予告編に登場する幽霊は、確かに本編を観てもマジで怖いんですが、正直、予告編以上のことはあんまり起きないというね。


あと、「無限廊下」や、「登場人物の手首に患者のリストバンドが...」とかは確かにおもしろいし、彼ら自身が実はここの患者だったのでは?と思ったんですが、別にそんなオチでもなかったのです。


本作が残念だったのは、幽霊が出てくるまでは怖いけど、その後はあんまり怖くなくなっちゃうということで。盛り上げるために超現実的な見せ場がいろいろと用意されてるんですけど、ちょっと劇的過ぎて個人的にはあんまりのれなかったかなぁ。たとえ地味でも、ジワジワ恐怖を掻き立てるようなリアルさがあった方が、ドキュメンタリータッチの作品としては個人的には怖いかも。


あとやっぱり偶然にしては都合よくカメラに映る怪奇現象というか、ドキュメンタリータッチだからこそ、作為性が際立ってしまう部分はあって。


作り手が偶然を装っている感じがどうしても伝わってきちゃって、後半の超現実的な展開と併せて、逆に本作がフィクションであることを強調してしまっていて、あんまり上手くいってないのかなぁなんて思いました。


「食人族」と併せて鑑賞してみて思ったんですが、ファウンド・フッテージ作品って、内容それ自体はあんまりフィクションラインが高くない方がいいのかなと。観客が、「これって実際に起こったことなのかも...」と錯覚できる程度のリアルさがあってこそ、ドキュメンタリータッチという作風は活きるんじゃないかなぁ。


意外性というものはあんまり無いんですけど、よくも悪くも王道で楽しめる作品じゃないかしらん?


個人的評価
5.5/10


もう何作品か書きたかったんですが、めんどくさ、もとい、疲れたのでこの辺で。


ではまた。