シン・ちむどんどん | 3代目大村屋

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監督・出演:ダースレイダー プチ鹿島

 

 ラッパーのダースレイダーと時事芸人のプチ鹿島が選挙戦を突撃取材した「劇場版 センキョナンデス」のシリーズ第2弾で、本土復帰50年の節目となった2022年9月の沖縄県知事選と、その争点となった基地問題に切り込んだドキュメンタリー。プチ鹿島は当時放送中だったドラマ「ちむどんどん」を推す候補者たちに様々な質問を投げかけ、その人物像を浮き彫りにしていく。一方、ダースレイダーはSNS上に溢れる県知事選についてのデマを問題視し、候補者を直撃。そして2人は基地問題について話を聞くため、座り込み抗議が約3000日にわたって続く辺野古の現場へと足を運ぶ。

 前作「劇場版 センキョナンデス」に続く、突撃型選挙ドキュメンタリー。今回も面白かった。矛盾点をしっかり突いて、だけど少し笑いも入れて楽しいエンターテイメントになっているのがすごい。舞台は基地問題に揺れる沖縄県知事選。現職に新顔2人が挑む構図。新顔2人は共に保守派で、保守分裂になった形。

 ちょうど、NHKの朝ドラ「ちむどんどん」が放送されていた時期で、候補者3人とも好きなテレビ番組にこのドラマを上げていた。プチ鹿島がこのことを質問するんだけど、1人ははっきり「見てません」と答えた。これについて、彼は「好きなテレビ番組で噓をつくということは選挙公約だって噓をつく、ということだ」と言っていたけど、名言だと思った。本当にそうだよね。好きなテレビ番組で噓をつく必要なんてないはずなのに、庶民的だとか、沖縄らしさをアピールして、有権者にいい印象を持ってほしいから噓をついたわけで、これと同じ論理が公約にもあてはまる。有権者によく思われるためなら公約だって、聞こえのいいものにしてしまうってことだね。後半は基地問題について、専門家や反対派住民の声もまとめてあって、分かりやすくて良かった。
☆☆☆☆(T)