監督:野澤和之
音楽と認知症をテーマに描いたドキュメンタリー。今後さらなる超高齢社会に突入すると言われる日本では、認知症の患者が増加するなか、特効薬がない認知症とどう付きあって生きていくのかが問われている。本作では、まだあまり知られていない音楽療法にスポットを当てる。音楽療法士は音楽で認知症の人々の心を和ませ、患者本人のみならず周囲の人々も幸せにしていく。患者それぞれの病状や人生を鑑みながら適切な音楽療法を施すことで、予想もしなかった効果がもたらされる姿を映し出す。
歌を聞いたり、歌ったりすると当時の思い出がよみがえってくることはよくある。家族のことも自分のことも忘れてしまったように見える男性が、歌詞カードを見ずに歌う姿を見たら認知症に絶対効果があると感じた。音楽療法はまだそれほど広まっていないのかな。でも、絶対にいいような気がする。新薬の研究も少しずつ進んでいるとは思うが、こういう方法ももっと広まって音楽療法士が増えるといいなと思った。
☆☆☆☆(T)