監督・脚本:ジュリア・デュクルノー
出演:アガト・ルセル ヴァンサン・ランドン
頭にチタンを埋め込まれた主人公がたどる数奇な運命を描いた作品。幼少時に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。以来、車に異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。無差別に人を殺して指名手配されたアレクシアは、10年前に息子が行方不明となり、現在は孤独に暮らす消防士ヴィンセントの息子になりすまし、彼の元に転がり込む。2人は奇妙な共同生活を始めるが、アレクシアの体には重大な秘密があった。
過激な映画だった。まず主人公がすぐ人を殺す。理由もほとんど明らかにされないから、彼女が何を考えてるのか全然わからない。しかも、殺し方がめっちゃエグい。目を覆いたくなった。さらに、彼女は愛車と性交して妊娠する。謎すぎる…。どんどんお腹が大きくなって、サポーターや包帯を巻いてお腹のふくらみを隠すんだけど、そんなんで外からわからないような大きさじゃないと思うんだけどなぁ。
指名手配されて、逃げるためにヴィンセントの行方不明の息子になりすます。でも、ヴィンセントは息子が生きていないことは承知のうえであえて息子として受け入れる。この父親も相当クレイジーだと思った。マッチョなDVオヤジって感じ。カンヌでパルムドールを取ったけれど物議をかもしたと言うのは当然の過激さだった。最後どうなるのかなあと思ったけれど、アレクシアは出産時に亡くなって、異形の赤ん坊が生まれて終わった。赤ん坊もとんでもない人生を歩むことになるんだろう。
☆☆☆(T)