七つの会議 | 3代目大村屋

3代目大村屋

映画・ダンス・旅行を中心に、日々感じた事を…

監督:福澤克雄
出演:野村萬斎 
香川照之 及川光博 片岡愛之助 朝倉あき

 テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を映画化。中堅メーカー東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。そんなある日、八角はパワハラで営業1課長を社内委員会に訴え、課長に異動処分が下される。代わって万年二番手の原島が新しい課長として1課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

 池井戸潤はやっぱり面白い。少し誇張し過ぎと言うか、今時、こんな封建的な会社あるの?って思ったけど、過労死やパワハラ自殺などの事件が後を絶たないことからも、こういう会社はまだいっぱいあるんだろうね。社内の人事ゲームみたいのは、私はあんまり興味ないけど、企業モラルみたいのは面白いと思う。企業だけじゃなく、官公庁含め、組織が不祥事を隠ぺいする体質はなかなか抜けないね。社員一人一人は悪人じゃなくても、組織を守るためにはモラルが欠如してしまう時もあるんだろうな。そう考えるとちょっと哀れでもある。

 一番の悪玉はこいつなのか?って思った人は意外とシロで、意外な人が黒幕だったのも、推理小説っぽくて良かった。サラリーマンって本当に大変だなーって思った。うちの会社がゆるーい会社で良かった。私が出世に興味ないからそう思うだけかな。そう言えば、ラスト、不正を糾弾する八角のしゃべり方がいちいち狂言回しっぽいのが気になった。野村萬斎だから仕方ないんだろうけど、もう少し普通に話せって思っちゃった。
☆☆☆☆(T)