超高齢者にどこまで医療をしますか? | cardioのブログ

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大学院生でもあり、専門医を持つ医者でもある、そんな人って何をしているのだろう・・・そんなブログ。

今日の外来に、90歳のおじいちゃんが来ました。

認知症はなく、食事や家事は自分でやっています。

車も運転しているらしい!


7月くらいから、心房粗動という不整脈になって、

胸水やむくみが出る心不全状態になっています。


利尿剤(おしっこを出す薬)で、むくみや胸水はよくなりましたが、

逆に腎臓の機能が悪化しています。

そして、利尿剤を減らすと、またむくんだり胸水がでたり・・。

脈拍のコントロールも、内服ではなかなかつきません。

(メインテート5mgでHR128の1:2 AFL・・こうやって書いてわかる人は医療関係者だけか・・)


自分としては、この方にはカテーテル治療をお勧めしました。

でも、これは議論があるとこかもしれません。

おなかや胸を開ける手術ほどではないものの、このように人の体に管を入れて行う、

侵襲的な治療をどの程度の年齢までの人に、どこまでやるかは、

医者の価値観によって違っているように思います。

80歳を超えたら、基本的にはそういう治療はやらないという医者もいます。


しかし、最近では元気な高齢者が増えています。

もちろん年齢によって上がる危険性は考慮するものの、その危険性を上回って、

利益があるようであれば、自分としては、

患者さんが何歳でも侵襲的な治療はしてもいいのではないかと思っています。

もちろん、ちゃんと患者・家族には説明しますけどね。


今日の方は、高次の病院に紹介しましたが、年齢を理由に断られないことを願うばかりです。