16世紀、ノルマンディーのバターは4日かけてパリに運ばれた! | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

バターは、11世紀ノルマンディーを支配した北欧からやってきたヴァイキングが、
作り方を伝えられたと言われている。今では、フランス5か所がAOPの称号を得ている
が、そのひとつノルマンディー、イジニーのバターは16世紀から、パリにも運ばれ
ていたというから、17世紀のLa Varenneラ・ヴァレンヌ(1618-1678)のレシピにす
でにフィユタージュの作り方の記載があってもおかしくない。当時は、馬車で4日か
けてパリに運ばれた。

もちろん夏場は不可能。せいぜい10月から6月あたりまでだ。

ノルマンディーやブルターニュのバターの特徴は、20℃でもまだ柔らかい、という
こと。かたやポワトゥー・シャラント地方(エシレ含む)のバターは、乳脂肪が多く
(ということは冷たければ硬い)、溶けやすいという違いがある。時間をかけての運
搬には、イジニーのバターは都合がよかったであろう。