前の記事「いかさまコインとまともコインの綱引き合戦」の解説です。
「Aが起きたとき、その条件の下でBが起きる条件付き確率」を PA(B) と書きます。一般に
P (A∩B)=P (A)・PA(B) ⇔ PA(B)=P (A∩B)/P (A) …①
が成り立ちます。さて、ここでの設定は、
まともコイン :表と裏が均等に出る普通のコイン
いかさまコイン:表が出る確率が2⁄3になるように仕込んであるコインただし、目の前のコインがどちらのコインなのかはわからない
このコインを何度か投げて、そのコインがどちらのコインであるかを判断する過程を考えましょう。ここで、A , B を次のように設定します。
A : コインを投げて表が出る
B : そのコインがまともコインである
P (B) は最初は 1⁄2 ですが、コインを投げるたびに値が更新されます。
このとき①より
となりますが、実際に「表」が出たときは②が新たに P (B) となり、実際に「裏」が出たときは③が新たに P (B) となります。 なお、P (B~)=1-P (B) が「そのコインがいかさまコインだと判断できる確率」です。
右は、以上のことを踏まえてエクセルでシミュレーションしたものです。
セルE1の式 → = IF (RAND()<0.5 , 1/2 , 2/3)
(そのコインがまともコインかいかさまコインかを決める)
セルB3の式 → = IF (RAND()<$E$1 , ”表” , ”裏”)
(コインを振って表か裏が出る)
セルC3の式 → = IF (B3=”表” , C2/2/(C2/2+D2*2/3) , C2/2/(C2/2+D2/3))
↑ ↑
上②より 上③より
(これが P (B) で、コインを投げるたびに更新される)
セルD3の式 → = 1-C3
セルB3~D3を下方向にコピーして、C列をグラフ化したものが右です。
この話題、統計 の話題ですが、モデル化とシミュレーション の応用例題でもあります。
条件付き確率の部分が難しいと思いますが、なんとなくご理解いただけるでしょうか。。。