NHKスーパープレゼンテーション「スガタ・ミトラ:子どもは学びの天才」 | TEDのすゝめ ( TED 英語 スーパープレゼンテーション 洋楽 映画 スポーツ )

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スガタ・ミトラ「子どもは学びの天才」

スガタ・ミトラ氏は教育工学者であり、「Hole-in-the-Wall(壁の穴)」という実験的なプロジェクトを展開した人物です。

「壁の穴」といってもパスタではありません(笑)。スラム街の真ん中にある建物の壁に、高速インターネットに接続されたパソコンを埋め込んでおくと、そこに子どもたちが集まってきて、誰に教えられることもなくブラウザを操作して、勝手にいろんなことを学びはじめます。生まれて初めてパソコンを見る子どもたちが兄弟や友だちとあれこれ話し合いながら、数時間後には、ネットを渡り歩いてゲーム、動画、音楽といった情報を取り出すことができるようになります。

このプロジェクトは、映画「スラムドッグミリオネア」の原作「Q&A」(ヴィカス・スワラップ著、邦題「僕と1ルピーの神様」)のモデルになったそうです。ただし、映画「スラムドッグミリオネア」にも、小説「Q&A」にも、コンピュータは出てきません。「スラムドッグ」と「Q&A」は、子どもたちが自分の置かれた境遇から学ぶことを描いた物語です。大人からシステム化された教育を受けるのではなく、自ら学ぶという点で、「壁の穴」と共通するところがありますね。

「グーグルで調べればわかることを、無理に暗記する必要はない」とミトラ氏は言います。必要なのは、情報を探し出す能力と、その情報が価値あるものかどうかを判断する能力だと彼は考えています。

大学生がレポートの課題をグーグルで検索して、それを単にコピペして提出する、という話題がよく報道されていましたが、宿題を出す側の大学講師も、自分が学生時代に経験した化石のようなやり方をそのまま踏襲するのではなく、学生の能力を測る新しい方法を自分の頭で考えるべきだと思います(博士号もってるんでしょ!)。



ミトラ氏のやり方は、ひろく社会一般の教育レベルを上げることには有効だと思います。教師がいない場所、教師が行きたがらない場所で、子どもたちの教育レベルを一定の水準にまで押し上げることが可能になると思います。

しかし、その「ある一定の水準」に達してしまえば、その上を行くの難しいのではないでしょうか?ミトラ氏のやり方だと、わかっていることしかわからない。新しいモノを作り出したり、既存の概念をくつがえし、これまで常識と思われていたことが実は間違いだったという発見をすることは、彼のやり方では限界があるように思います。好奇心を刺激し、疑問を持って「研究」する能力をもった人材の育成も必要だと思います。

「ゆとり教育」という言葉が、誤解を生んでいるように感じます。「ゆとり」という言葉が、「のんびりしている」とか、「遊んでいる」というイメージになってませんか?「ゆとり」という言葉は、「詰め込み」の裏返しの意味で使われたのだと思います。詰め込むのではなく、好奇心を刺激して、自主的に、自分の頭で考え、研究するチカラを育む教育を目指すべきだと思います。


その他、教育に関するTEDトークを4つ紹介します

→ ケン・ロビンソン 「学校教育は何が問題か」

→ バンカー・ロイ 「インド驚異の“裸足の学校”」

→ ボー・ロット、エイミー・オトゥール 「10歳の科学者が発見したこと」

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→ ゲーバー・タリー「子供にやらせるべき5つの危険なこと」