アゲルカモグルカ
2024年6月5日(水)、Nydellの船底掃除を行った。
昨年の1月25日に上架整備を終えて水面に降ろしたので1年4ヶ月が経過したことになる。
本来は上架して船底塗料を塗るタイミングだが、喫水線を見てもそれほど藻や貝の付着が多くないことから、今回は潜って船底を磨くだけの作業にした。
ヘルプに入ってくれたのはいつもの近所の移住者仲間のAちゃんと、最近知り合いになった関西からの移住者のSさん。糸満からマリーナへ移動する車中で「どうせ潜るなら津堅島でアンカーリングをしてキレイな海で潜ろう」などと期待を膨らませて気分上々でマリーナに到着するも、かなり強い風が吹いていたので安全を考え浮桟橋に舫ったまま作業をすることにした。
モグッタ
ダイバーのAちゃんはフルスーツのウェットスーツに加え、4kgのウェイトも準備してきてくれた。よって深いキールはAちゃんの担当。
Sさんは昨年に会社を定年退職したばかり。趣味がトライアスロンで若い頃にダイビングもしていたとのことで喫水線付近のハル(船体)を担当してもらう。
僕は自分の船なので、肝心なプロペラ、シャフト、ラダー、バウスラスターといった可動部と給排水口を担当することにして3人で潜った。
3人で同時に潜り、相手を見ながら安全性を優先して作業を進めた。というと聞こえがいいが、3人で潜ったために作業中の写真を撮ることができなかった(笑)。
上架時に船底をこれでもかっ!というほどパテでキレイにしたので、貝の付着はほとんどなかったのが良かった。ハルは全体的に緑色の藻類が薄くついていたくらいで、ウエスでふき取る程度の作業で済んだ。
しかしペラやバウスラスターのスクリュー部分には小さい貝が付いていて、スクレーパーでキレイに落としたが、腕に回しておいた紐がほどけてスクレーパーを紛失。
作業は2時間程度で終わり、ふたりへのお礼としてNydellを出すことにした。
キョーフー
分かっていたことだが、船を出し港内を出る前に防波堤越しにうねりを伴い多少荒れた海面が見える。
Aちゃんはこの1年で3~4回乗船経験があるが、Sさんはヨット初乗船。
ヨットは乗員の経験値で、セイルプランを変更することができる。セイルを上げることができる海面まで来ると、さらに風は上がり、体感で10m/sくらい。未経験者と経験の浅いふたりにキョーフを味合わせることはしたくないので、ジブセイルとステイスルで帆走ることにした。
Nydellはブームが長くメインセイルが比較的大きいので、この風の中で、このメンバーでメインセイルのリーフ(縮帆)作業は避けるべきと判断した。
風は津堅島方向から吹いてくるので、まっすぐ向かうことができないので上りいっぱいまで上り、数度のタックを繰り返し広い海面へ出た。これで津堅島以外、どの方角へ行くことも可能になる。
ウサギが飛ぶ海面ながら、風を横から受けセールをトリムし、舵をAちゃんに代わる。
Sさんも「快適だ~!」を連呼していたので、缶ビール「晴れ風」を渡し、寛ぎモードに。
ロングキール・カッターリグ
Nydellのようなロングキールの重たい船は、こういう状態でこそ真価を発揮するのだが、参加者にキョーフを与えてしまうとこれからの僕のヨットライフがちっとも楽にならないので、これでガマンガマン。
それでもNydellはバウの2枚のセイルで5kNで巡行してくれる。掃除した甲斐があったね。
前2枚のカッターリグってのもいい。2枚あるので1枚のセイルがそれほど大きくなく、扱いが楽なのだ。
セイルもファーラーも2セットなので予算的にはキビシイが、ショートハンドセイラーにとってはヤサシイ。
このスピードよりも安全性や快適性を優先したクラシックな船のデザインが好きなのだ。
ボクモヘルプ
ヨットはメンテが必須だが、これは助け合うといい。
沖縄に移住してからケンクルーズのA夫妻と知り合い、親交を深めている。SORA号のオーナーのケンちゃんは乗るのと掃除は好きだがメンテが苦手なヨットマンだ。
Nydellの船底掃除をした翌日、僕は糸満フィッシャリーナでSORA号の下を潜っていた。
SORA号は30ft、Nydellは36ft。
6ftは182.88cm。僕の身長くらいしか長さは変わらないのだが、船は長ければ横幅も大きくなり、6ft違うとかなり船底の面積が大きくなる。しかもNydellはロングキールなのだ・・・
Nydellは若い頃から憧れていたモデルで、実際にレストアをしていると愛着も大きくなった。でもね、こんな作業をしていると年を取ったらツライだろうなぁなどと感じる。
いつでも簡単に「潜ろう!」と思えるのはSORA号くらいの大きさかもしれない。
Nydellは「準備をして、イクゼ!」と意を決めないとなかなかキビシイ大きさなのだ。
Sさんが教えてくれた簡易ボンベでも買おうかな。
なかなかヨサゲ。