8月からのオススメ本紹介をすっ飛ばしてしまいました。
ちょこちょことサロンには新刊を追加しているのですが、こちらでご案内する余裕がなく・・・。
今月からまた復活です。
本を購入する時に、表紙の装丁と手触りに一目ぼれすることがあります。
そんな時は、目次だけ見て即お持ち帰りとなるのですが、この予感はたいてい当たり。
丁寧に作られた本は、読みやすい。
今年のマイベストの中の一冊をご紹介。
文化人類学者さんの視点からの世界と、住民のものがたり、そしてそこに寄り添う考察。
イラストもステキですが、文章も期待を上回る優しいワクワク感。
紀行文のかたちをしたエッセイなのですが、人との出会い、文化を掬い取って、そっと考察されています。
たとえば、小人の長老や、日本兵と戦った老人との出会い・・・。
行ったことのない土地に想いを馳せてみたり、違う文化の中で生きる誰かに心を寄せてみたり、現実と夢のはざまのような体験をしているよう。
ひとつひとつのエッセイは短めなので、フットバス中に拾い読みするのにピッタリですよ。
この本を読んでいると、美しい日本語で淡々とつづられる光景と言葉に心がしんとなります。
読む方のそれぞれの背景によって、沁み渡りかたはきっと違う。
そして、数年後にもう一度読んだら、また違う想いを運んでくれるだろう一冊。
自分の心を水面に映して読み取るような、不思議な感覚をどうぞ。
今月のオススメ本の貸し出しは次月以降となります
ご了承くださいませ。