ソリゴール銘のトキナーレンズ | 昭和のオートバイとレンズを愛でる

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80年代の旧車とOMマウントのオールドレンズ

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ソリゴール(Soligor)と言えば、古くからのカメラファンならミランダカメラの交換レンズとしてご存知かと思いますが、1968年にミランダカメラが倒産して以降も、海外企業にブランドが譲渡されて90年代まで交換レンズのブランドとして生き残り、いろいろなマウントのレンズが販売されていたようです。今回ご紹介するソリゴールレンズは、1975年頃にトキナーがソリゴールにOEM供給したものです。マウントはすべてオリンパスOMマウントです。
 
この頃の日本のカメラ市場は、交換レンズと言えばカメラメーカーの純正レンズを買うのが常識で、トキナーのようなレンズ専業メーカーは専ら“安かろう悪かろう”の廉価品を手掛けていました。有名どころではトキナーのほか、シグマ、タムロン、サン等ですが、それ以外にも自社ブランドを持たない輸出専業のレンズメーカーも相当数あったようです。
 
当時、日本光学やキヤノンなどの有名メーカーにも負けない技術力を持っていても国内では見向きもされなかったレンズメーカーが、海外市場に活路を見出すべく海外ブランドにOEM供給する動きが始まったのです。これらソリゴールブランドのトキナーレンズもそうした動きのひとつです。
 
写真の4本は28㎜F2、35㎜F2、135㎜F2、200㎜F2.8の大口径レンズですが、鏡筒の作りもしっかりしていて、約半世紀を経た現在でもピントリング、絞りリングとも快調に動作します。肝心の描写性能も、逆光などの悪条件でなければ現代のレンズにも負けないシャープな解像力を発揮します。
 
金属とガラスの塊という感じのズシリとした重量感や質感の高い精巧な作りは、最近のレンズにはないオールドレンズならではのもので、大いに所有欲を満足させてくれます。また、ファインダーを覗きながらピント合わせをするマニュアルフォーカスも、写真を撮っているという実感を得られます。
 
ソリゴールのほかにも、ビビター(Vivitar)、スピラトーン(Spiratone)、パナゴール(Panagor)、エリカー(Elicar)など、海外市場には日本ではまったく無名の優れたレンズがたくさんあります。そんな歴史に埋もれようとしている名レンズを発掘して、ミラーレスカメラのソニーα7Ⅲに取り付けてオールドレンズの描写を楽しんでいます。